紙の本
抜群に引き込まれます
2017/02/24 09:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和兄ィ - この投稿者のレビュー一覧を見る
圧倒的なスケールの大きさとエンターテイメント性は抜群であり、映画化が望まれる秀作であると思う。しいて言えばディティールをもう少し、詳しく描いてほしかったなあという思いがある。
紙の本
現代版「高い城の男」
2016/11/19 17:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
太平洋戦争で日独が勝利した世界。
日本はヴェトナムで泥沼を味わっていた。
舞台は日本領の旧アメリカ、今ではUSJと呼ばれている。
嘗ての上官の失踪、その娘の死、特高の暗躍、主人公は謎の螺旋に落ち込んでいく
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第二次世界大戦で日独が勝った世界。ディックの『高い城の男』の設定を頂いて、新たな物語を紡ぐ。作者は日本文化びいきの韓国系アメリカ人。ティエリャスと読みたくなる名前だが、本人がトライアスといっているようだ。
アメリカは東側がドイツに支配され、西側が大日本帝国の領地となっている。それは『高い城の男』と同様だが、本書ではこれがユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパンと呼ばれている。略してUSJ、ええと大阪にそのようなものがなかったっけか。
日本がアメリカに勝つためには戦前の天皇制にかこつけた無責任体制がどうにか変わっていなければ無理じゃないかと思うのだが、この世界の日本はむやみと戦端を拡大せず、まずはドイツとともにソ連を攻略し、それから開戦。原子魚雷を3発お見舞いしてアメリカを降伏させるのが1948年。大日本帝国軍による日系人収容所開放から話が始まる。
主人公の石村紅功は日本軍の検閲官。ベニコという名は女の子の名をそのまま付けられてしまった。愛称ベン。物語の主たる時代は1988年。戦後、40年である。
大日本帝国が残ったわけだから、当然軍事国家であり、ベトナムで戦争したり、アフガニスタンでナチスと衝突したりしている。アメリカが戦争で勝ったなら、きっともっと平和な世界となっていたことだろう、あれ? という皮肉が効いている。テクノロジーは相当に進んでおり、スマホならぬ多機能の「電卓」が情報端末で、「機界」に接続して使用する。さらには軍の巨大ロボット兵器である「メカ」が登場するあたりが、帯に書いてある『高い城の男』+『パシフィック・リム』の謂いである。怪獣は出てこないようだが。
ベンはこちらの言葉でいえば優秀なハッカーだが、軍人としては勤務態度が悪く、昇進も遅れている。かつての上司である六浦賀将軍が姿を消し、大戦でアメリカが勝ったという設定の非合法ゲーム『USA』を作ったらしいということで、特高の槻野昭子が捜査に現れる。昭子は天皇に忠誠を誓ったファナティックな捜査官でその捜査といったらダーティハリーか、昨今のすぐに黒人を撃ち殺す警官の如し。これも皮肉が効いているとみるべきか。
現人神を頂点とした日本の支配を賛美しているわけではないが、さりとて、アメリカの支配する別の現実も賞賛できない書きっぷりがディックとの時代の違いを感じさせる。USJは悪夢的な世界だが、それはこちらの現実と同じくらいに悪夢的なのだ。
ハヤカワSFシリーズで出ると思っていたら、文庫が出ていたので買ってしまったが、なんと同時発売。
特高だけでなく憲兵が現れるわ、アメリカ人テロ組織ジョージ・ワシントン団が登場するわ、話がどういう方向に進むのかまるでわからない。
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若干、表紙詐欺。
ロボットはそこまで活躍しない。
発想はすごく素敵なのでこの世界観はまた読みたい。
高い城の男っぽさは一切ないのに、この帯はどうなんかと思うけど…
つーかパシフィックリム的な映画にしちゃえばいいのに。世界観だけ借りて。
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個人的には、思ったほど「高い城の男」感はなかった。むしろ「一九八四年」っぽさの方があった気がする。
あと、表紙から想像してしまうようなロボットバトル感はなかった。
上巻ではまだ、ようやく物語が動き出したところ、といった感じ。しかしこの世界の奇妙さは十分に味わえた。下巻につづく。
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第二次世界大戦で日独が勝利した世界を舞台に繰り広げられるSF。
上巻はパシフィックリムのようなロボットの戦闘シーンは少なめだが、設定の説明にページが取られた印象。こういった類の小説は、設定が行きすぎてる方が楽しめる。
下巻も楽しみになる程度には魅力的。
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第二次世界大戦で日本が勝利した世界という設定はよかったんだけどなぁ…という感じ。でも続きが気になってするすると読めた。
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今度は「おすすめ文庫王国」のSF部門1位のこの本に取り掛かる。
USJ《ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン》というタイトルと巨大ロボットらしきものが跋扈する表紙に惹かれたのだけど、正直、あまり面白くない。
時あたか“America First”を掲げるトランプ氏が新大統領になったばかりだけど、いやいや太平洋戦争に日本が勝ったという想定で、アメリカが「アメリカ合衆国」でなく日本の領土となったという設定。
読み始めると、元々がそうなのか、翻訳のせいなのか、よく分からないけど、多分に分かり難い文章にいささか閉口。
結構面白そうな設定だと思うのだが、そこに繰り広げられる世界観が陳腐で、出てくる人物も魅力に乏しい。
終盤、漸く物語が動いた感も出て、ここまではクライマックスに向けて色々撒いていると思うことにして、下巻に期待。
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面白い。日本とドイツが勝利した歴史改変物。日本が原爆を投下してUSAをUSJとして統治、って設定が燃える。科学の水準も1988年で既に現代を凌駕してるのが面白い。まだイマイチ主人公には感情移入できず、ただこの世界観を楽しむのみ。猟奇的な描写にはちょっと辟易。作者は韓国系アメリカ人だということだけど、日本文化について相当深い理解がある様子で興味深い。現代日本人の感覚からすると、戦後も続いた日本帝国のエクストリームすぎる描写が誇張にも皮肉にも思えるんだけども、冷静にもしあの戦争に負けてなかったらこうなってるかもな、と納得出来もする。これは日本のことよく知らないと書けないし、そこに脱帽。それと、訳の素晴らしさが特筆できるレベル。日本人名にどの漢字を当てるかとか、劇中の大阪弁の描写とか、これは訳者と著者が相当やり取りしてないと出来ないはず。下巻にも期待。
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本書は、第二次世界大戦で日本とドイツの枢軸国が勝利した改変世界が舞台。アメリカ西海岸は「日本合衆国」として日本国の統治下にあるが、生き残ったアメリカ人は「ジョージ・ワシントン団」を結成し、度重なるテロ行為により、日本合衆国に打撃を与えていた。日本合衆国の大尉である石村紅功は、かつて自身の両親を日本国に対する反逆の疑いで告発した人物。ある日、彼のもとに架かってきた一本の電話。それはかつての上司、六浦賀(むつらが)将軍からであった…
本書はもちろん、フィリップ・K・ディック「高い城の男」の影響を受けており、「21世紀版『高い城の男』」として紹介までされているようですが…正直、誇大広告の印象は拭えないかと。また、装丁画を見る限り、ロボット同士が熱いバトルを繰り広げる!といった印象を受けてしまいますが、実際、ロボット同士のバトルなど、ほーんの少ししか描かれません。
物語は、石村が六浦賀を捜索する理由とその秘められた背景に焦点が当てられます。その過程で描かれる日本国は、いき過ぎたファシズムによる徹底した管理社会で、まるでディストピアのようです。しかし、日本国は必ずしも負の側面だけが描かれるのではなく、例えば、この国が目指す理想社会は(そこだけを切り取れば)決して悪いものではありません。また、そもそも日本国に蹂躙されたアメリカ社会自体にも差別主義の温床といった描写もあり、どちらの社会も良くは描かれておりません。こういった描写は、この改変世界と我々の現代社会を自然と対比させることとなり、少し考えさせられてしまいます。なんというか、このような手法はまさに「SF的」な感があって好きなのですが、さんざんひっぱってきた石村が六浦賀を捜索する理由が「え?それだけ?」といった内容だったり、登場人物の突然すぎる(そして無意味な)フェードアウトが気になってしまったりと、後半にいくにつれ、「うーん…」という思いが強くなってしまいました。ただ、最後の最後で明らかになる石村の背景は、これまで終始不透明であった石村の人物像をはっきりさせる所謂「ドンデン返し」的な要素もあって、結構好きだったり…
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ひでえ。
気持ち悪くて読み続けられんかった。
もうちょっとマシな設定かと思っていたのだが、大分前に日本でも流行った架空戦記か。ラノベレベルの人物描写なのか。向こうさんが見た、旧帝国軍の、変なステロタイプな奴らが出て来てげんなり。
30ページも読めんかった。
もしかしたらこの先素晴らしい展開が待っているのかもしれないが、この不快感を超えてまで読みたいとは思わない。
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発送は素晴らしいし面白くなる要素があるのに、やはり日本文化と中華文化は東洋文化という一括りにされちゃってる感が強かった。SFとしては割と素直に受け入れられるものではあった。だが前段でも述べたがステイツ・オブ・ジャパンなのに中華要素がどうしても邪魔をしてしまうのが残念だった。東洋を知らない人にはこれでも十分な内容だろうが、我々には粗に見えてしまうのが減点だった。
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第二次世界大戦で日本が勝利したパラレルワールドは、天皇が支配し、不敬罪で問答無用で処刑されることもありうるディストピアだった。検閲局に勤務する石村はある晩、奇妙な連絡を受けた上、予定されていた昇進を取り消され、更に特高の槻野昭子の訪問を受ける。かつての上官、六浦賀将軍絡みで、何か不穏な動きがあるようだ。
っていうあらすじなんですが、ここから受けるイメージとは実は全然違う話っぽく感じます。。
石村はなんか堕落した事なかれ官僚にみえるのですが、視点が昭子に変わり若名将軍と旧知であるとわかるあたりから様子が変わってきます。両親を告発した過去を持つ石村とは、一体何者なのか?かつてサンディエゴで何があったのか?
パラレルワールドの日本文化を楽しみつつ、謎が深まる上巻でした。
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もし、第二次世界大戦で日本が勝っていたら・・・、そんな歴史改変小説です。
日本がアメリカに勝つと言う内容の小説と言えば『高い城の男』が有名です。この作品は、21世紀版の『高い城の男』と言うのが触れ込みですが、どうなんでしょう?『高い城の男』は、重厚な厚みのある話だったと思いますが、これは、やっぱりファンタジーですよね。いろんな設定が、SF。
主人公?の石村も、良く分からんしね・・・?
下巻に期待・・・できるのかな。
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第二次大戦で枢軸国側が勝ち、アメリカを日本が占領している仮想歴史小説。
正直、カバーのイラストに騙された感あり。
下巻からの展開に期待。