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ある時代以前(18世紀以前)の絵画はその時代の重要なメディアであり、ある思想や意味を含んで書いていることが多いそうです。その込められた意味を理解することの面白さを説いていました。
レオナルド.ダ.ヴィンチの章が印象的でした。「岩窟の聖母」に書かれたスミレは謙遜の花、イエスの最大の美徳は謙遜であった、それを表現している、いうのは知りませんでした。イエスは神の子でありながら、誰よりも低く地面に座っている、これこそ究極の謙遜を表現しているそうです。ちなみに最大の悪徳は傲慢だそうです。
どんな局面でも傲慢にならず謙虚でいよう、これは太古から変わらぬ教えなのだ、と感じることができました。
作者は、「人間は言語のみならずイメージにより言葉で表せないような意味深いものを表現する、」と言っていました。この本のおかげでその表現を少し理解でき、絵を鑑賞する時のイメージが膨らみそうです。
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高校生に基本を教える。「絵」って、どうみるのか。「怖い!」「キモイ!」と騒いで、本を売ろうという絵の見方は、いかがなものかと。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201907050000/
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もっと勉強したい!という気持ちになれる本。話し言葉なので気軽に読める。ミケランジェロとダ・ヴィンチの同性愛傾向についての言及が偏見入ってて悲しかったけど、読んでよかった。
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芸術というものが、その時代のエートスを否応なしに背負ってしまうということを、あらためて再確認することができた。惜しむらくは、取り上げられている主な絵画だけでも、カラー図版で掲載してほしかったこと。さすがに白黒の小さな図版では、せっかくの解説がよくわからないのである。
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初っ端のシスティーナ礼拝堂天井画から本当に暗号解読みたいだなー!と思って感動しました
というのも美術館で天井画含めてルネサンス時代の絵画はそのまま聖書のワンシーンとしてのみ認識していたからです(そういう意味ではちゃんと真の目的は果たせている訳ですが)
言葉じゃ表せないことを美しい創作物として昇華して伝えるなんてロマンチックじゃないですか?色々と数学に通ずる部分ありますよね
その愛と情熱をもって提示されたイメージは、やはりそういう態度で誠意をもって理解しようとするのが受け取り手の義務だなと思いました
ってこれ人とのコミュニケーション上の礼節と本質は変わらんやないかーい
この本の主題からはズレるけどアダムとイブが人間になったときにお互いを恥じるのは裸で性器が丸見えなのを恥じているのではなくてお互いが違う存在だと気付いたことに恥じたんですよね
これって他者と自我の認識=差別の始まりで、この差別でずっと人間は苦しんでるからやっぱり人間の罪なんだなあと改めて思った次第です ただ、どこ読んで思ったかは忘れました
取り敢えずミケランジェロとレオナルドダヴィンチの本漁ります
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見えてるだけでは見てることにはならないとは、私の師匠の言葉。絵をその時代背景や作者の考え方から読み解くという美術史。ただ綺麗だ、有名だ ではなく、各々に意味を考えていくのですね。これを学んでイタリアの美術館に赴いたら、より深く絵を見ることが出来たかもしれない。
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若桑みどり (わかくわ・みどり)
1935-2007年。東京藝術大学美術学部芸術学専攻科卒業。1961-63年、イタリア政府給費留学生としてローマ大学に留学。専門は西洋美術史、表象文化論、ジェンダー文化論。千葉大学名誉教授
「絵画は美しいのみならず、描かれた時代の思想・宗教観を密かに映し出している。ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、デューラーの『メレンコリア』、ジョルジョーネの『テンペスタ(嵐)』。世界の名画のなかでもとくに謎に満ちたこれらの作品から、絵画の隠された謎をさぐる。画家が本当に描きたかったのは何か、何に託してその意図を伝えたか?美術研究の成果を存分に駆使しながら、絵画に描かれた思想や意味を鮮やかに読み解くスリリングで楽しい美術史入門。」
「芸術を理解するには、その芸術が生み出された思想や時代を理解しなければならない。これはとてもはっきりとしたことなのですが、忘れられがちです。芸術は感覚で作られ、感覚で理解される感性の文化だと思う誤解がゆきわたっているからです。たしかにわれわれは一目でこの芸術に圧倒され、戦慄(せんりつ)さえおぼえるのですが、その理由を知るには知性を働かさなければならない。」(本文より)
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2023.12.25 一つ一つの絵画作品の奥深さを感じることができた。なかなか深〜いお話ですごく勉強になった。
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美術史入門としての位置づけの本らしいです。
本書を読んで思ったのは、一枚の絵からこんなにも話が広がるものなのか、ということでした。この絵を描いたのは誰で、いつ生まれていつ亡くなって、その時代にはこういうことが起きていて―
そういうことが一つずつ丁寧に説明されています。
美術って見た目の美しさが全てだと思っていましたが、違うんですね。少なくとも中世まで、絵は思想の表現手段の一つだったのだそう。でも、文章表現とは違い、そこに在るものが全てで、表現の幅がとてつもなく広いです。だから、美術を解釈するには、歴史・社会学・民俗学…等々いろんな知識が必要なのだとか。
現代でも、様々な画像やイラストが描かれていますが、一つ一つ、誰かが何かを思って、または考えて描かれているとわたしは知っています。美術も確かにそういうものなのかもしれないと考えるきっかけになりました。