紙の本
日本の食文化との比較で楽しめる世界の食文化を知れる一冊です!
2020/03/03 12:53
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、東アジア、東南アジア、マグレブ諸国など世界の食生活を入念に調査し、日本の食事文化を位置付けた上で、米や酒、麺類などの各種食べ物から見た世界の分布、差異を見事に描き出した食文化研究の一冊です。同書は、まず「諸民族の食事」として、朝鮮半島、中国、東南アジア、オセアニア、マグレブの食事を分析し、次に「日本の食事」で、主食としての米、伝統とその変容、現代の日本の食文化を検証し、最後に「食べ物からみた世界」で、世界の米料理、すしの履歴について解説します。なかなか興味深い一冊です!
紙の本
食の世界地図
2020/07/21 10:09
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
食文化の成り立ちや、それぞれの地域の特色がまとめられています。バステーラの調理法や、マグレブの郷土料理など1度は食べてみたいです。
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20190905
文化人類学観点から食文化を俯瞰した作品。著者が述べている通り、食の見取り図を作りたいということから始まった作品で、本人がよく食べ、見て、研究している姿が素晴らしいとともに羨ましい。私も実際に見て食べてみないと始まらないので、是非とも色々な食文化に触れてみたい。
国や地域ごとにどういう特色があるかという点は以下にまとめている。
//MEMO//
食文化研究から世界を見るという、自分の好奇心の根源。
美味しいものを、より美味しく食べるために。色々な知識を持ちたい。
〈朝鮮半島〉
・キムチと塩辛
・濁酒=マッコリ
・肉料理に合う、唐辛子やニンニクが発達。
・冷麺
〈中華料理〉
・ヨーロッパ料理と並ぶ世界に広まっている料理。
・火を使う
・蒸す料理。饅頭
・かつては、儒教の影響で男女別に食事をとる
・薬膳の思想
〈東南アジア〉
フィリピン料理
・インドと中国の中間地点
・サフランなどの香辛料
・マレー系=ココナッツ、レモングラス
シンガポール料理
・ニョニャ料理
・インド系、マレー系、中国系の独自進化
・湾岸が多いことから魚料理
マレーシア
・イスラム系、中華系の多民族
・ハラム=イスラム教で禁止されている食品。豚肉や酒など。
・ハラル=イスラム教で寛容されている食品。
インドネシア
・米主食=ナシゴレン
・ターメリックなどのスパイス
・モルッカ諸島=香料諸島
→コショウ、シナモン、ケイヒ、チョウジ、ニクズク
モルッカ諸島はチョウジとニクズクの産地
〈オセアニア〉
・根菜植物
・ココナッツ、ヤシ
〈マグレブ〉
=西アジア、中東アジア、北アフリカ
・クスクス
・パン
モロッコ料理
・バステーラ
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シビレれた。一見ヨーロッパ の研究が乏しいが、著者の類いまれな胃腸を駆使したフィールドワークに基いた、寿司、主食としての米、麺、パンに関する研究結果が、アジア圏と世界との比較としての食事を学ばせてくれた。
つまらん美食家の作文を駆逐するぐらい、一読の価値はある作品。
まさに、食の研究のスタンダードとも言うべき内容だと思う。