電子書籍
独特の雰囲気
2018/11/07 18:20
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
独特の雰囲気を持った作品。
会話も哲学的ともいえる深い内容を持っている。
実在した有名人がここぞというところに登場するのも良いアクセントになっている。
紙の本
求める何かが
2018/05/20 16:51
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎めいた古書房が舞台というなんとも京極氏に相応しい作品。主は素っ気ないようでいて、訪れた人間にその時必要な何かに繋がる一冊を薦めてくれるのだからかなり優しい。
今後が楽しみなシリーズ。
紙の本
こんな古書店があったら行ってみたい
2017/05/12 08:21
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投稿者:卯月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もの凄い量の書物がある不思議な古書店。
しかもそれぞれの話は実在した文豪にまつわている。
著者ならではの博学と独特の文章で、本当にこんな古書店があったのではないかと思ってしまう。
蘊蓄が少々周りくどいが、それが著者の持ち味であり不思議な雰囲気を醸し出している。
こんな古書店で私の1冊に巡り会いたいと感じた。
紙の本
つながって
2017/03/11 22:26
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投稿者:yuri - この投稿者のレビュー一覧を見る
文豪と呼ばれる人の昔や巷説百物語の登場人物が出てきたり。読みすすめるうちに、あら、この方も・・・と。続きが楽しみです。
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初めての京極夏彦さん。
維新から少し歳月が流れ 世の中が
維新の変化に順応し始めた頃のお話。
弔堂と店主の気配も、そこを訪れる方々も
なぜか急激な時代の変化とは異なる時空の流れの中で生きこまねいているような感があり、それが素敵である。
死ぬことと生きることを別のかたちで目の前に突きつけられたように思う。
2冊目の文庫化も待たれます。
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人には一冊の運命の本があれば良い、というのに感心してしまった。ダルジール警視もずっとポンペイ最後の日を読んでいたよ。
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妖怪物と異なり、まさに新境地という内容で大変楽しめた。それにしてもこの人博学だよなあ。
幕末から維新にかけて活躍した人物がちりばめられており、この時代の好きな人には垂涎ものではないかと思う。
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悩める人が運命の本と出会い、悩みに対する一定の回答を得る連作短編。
明治の実在の人物が登場するが、彼らの抱える悩みは人間の普遍的な悩みで、読者は共感を得られる。
最後に百鬼夜行シリーズとの共通点が。
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すごい思わせ振りな終わり方!!輔様はお祖父様なのかしら?高遠様の次の人生は?気になることだらけ伏線がばらまかれ過ぎて次が楽しみで仕方ありません。
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・京極夏彦「文庫版 書楼弔堂 破暁」(集英社文庫)も また古本屋の主が主人公である。いや、ご一新で旗本になりそこねた高遠某が主人公かもしれないのだが、たぶんこちらの役回りは狂言回し、古本屋の引き立て役であらう。高遠の家は旗本でありながら金持ちであつた。作中勝海舟が「まあお前さんとこは旗本のくせに物持ちで、金もあったから縁がなかったんだ。」 (225頁)と言ふほどである。従つて高遠は現在無職、いや無為徒食である。煙草会社に勤めてゐたが、病欠してゐる間にそれもつぶれたらしい。特にすべき こともなく、実家から離れての一人暮らしをしてゐる。そんな中で出会つたのがこの弔堂であつた。「慥かに奇妙な建物である。櫓と云うか何と云うか、為三も云っていたが、最近では見掛けなくなった街燈台に似ている。ただ、燈台よりももっと大きい。(中略)しかし到底、本屋には見えない。それ以前に、店舗とは思えない。」(24頁)その軒にすだれが掛かり、「弔」と書かれた半紙一枚、「これではまるで、新仏を出したばかりの家である。」(25頁)そんな風情の 古本屋、しかし中は本ばかり、「左右の壁面は凡て棚で、題簽の貼られた本が堆く積まれている。(中略)二階も、三階も、書架なのだろうか。」(30~31 頁)そこに主が登場して店名の由来を語り出す……とまあ、型通りの始まりである。そこに来る客は誰々でと物語になつてゐる。高遠はこの客ではない。書いてしまへば、客は月岡芳年、泉鏡花、井上圓了、中浜万次郎あるいは岡田以蔵、巖谷小波といつた人々で、この弔堂の同時代人、つまり明治の初めを生きた人々である。それぞれがそれぞれの事情を持つて弔堂に来る。さうして語る。語られるそれぞれの事情はフィクションであらう。それに対する主の蘊蓄話や説教の後、 「どのような本をご所望ですか」(173頁)とくる。その書が示された後、再び主の蘊蓄話があつて、各章は「誰も知らない。」(94頁)で終はる。このフィクションの部分はもちろんおもしろい。鏡花や圓了が売れる前にこんなことがあつたかもしれないと思はせる。妖怪譚でなくとも、京極は読者を楽しませてくれるのである。
・最後は「探書陸 未完」である。これは高遠と主が武蔵晴明神社の神主の家に書を引き取りに行く話である。その最後にかうある。「武蔵晴明社の宮司中善寺輔の一人息子はそれから二十年の後に父と袂を分かち、洗礼を受けて耶蘇教の神父になったのだと風の便りに聞いた。」(535頁)この一文は直ちに中善寺秋彦を思ひ出させる。やはり古本屋である。「姑獲鳥の夏」以降で大活躍である。しかも武蔵晴明神社の宮司である。この輔の孫、いや曾孫であらうか。時の隔た りからすれば曾孫かもしれない。秋彦は恐山の祖父母に育てられたといふ。ならば違ふのか。あるいは曾孫だとすれば、祖父が輔の息子の曾祖父と袂を分かつて恐山に来たのか。さうしてその息子たる曾孫が戻つてきたのか。これらのことは全く記されてゐない。私が勝手に想像するだけである。この章は「未完」である。主が高遠にあなたの人生は未完だと諭してゐる(530頁)。ここは珍しく、客として店に来てゐない漱石が「猫」を書く動機の如き話で終はる。もちろん 本当��ことは「誰も知らない。」従つて、この「未完」は高遠の物語と、中善寺輔の物語もまた未完であることを示してゐるのではないか。最近、単行本で続編が出たらしい。かういふのが入つてゐるのであらうか。その確認は文庫版が出るまで気長に待たう。そんな徒然を慰めてくれさうな古本屋の弔堂が現実にあつた らと思ふ。三階までの棚が和本で占められてゐる壮観を思ふ。
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久々の京極作品。
あぁ、これは面白い。京極節が炸裂している。
江戸の匂いが残る明治で弔堂と言う名の、今で言う古本屋での話。
話の中で有名人登場させ、その有名人のエピソードがまた面白い。
本は読まれなければ死んだと同じと言う弔堂の主人。
成る程、確かにそうだ。
この本を読んで私は再読しないであろう本たち400冊を売ることを決めました。
読書とは本当に底無しだと思う。
面白い作品に出会えば、もっと面白いものがあるだろうと更に読んでしまうし、
余り面白く感じない作品ですら、次こそは!と読んでしまう。
私は自分の人生の一冊となる本に出会える事が出来るでしょうか。
本書は、本がもっと好きになってしまう、そんな一冊だと思います。
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(今風に言えば)「京極堂ロス」な今、それを埋めてくれるような、しかも大好きな本にまつわる話で、と私得なシリーズ第一作。京極堂ほど蘊蓄が語られるわけでもなく、百器ほど軽くもない。でも一人と一冊の本のマッチングが見事。実在の人物の偉業にこれほど影響を与えるなんて、しかも実際にあった出来事であるかのような美しいな流れ。最後の章は京極堂ファンへの贈り物のようなものですね(もう10年以上新作が出てないのか)。「神社」と出てきただけで(わぁ!)となってしまったよ。店主も小僧のしずるも不思議で魅力的。店主は少し出家時代の話が出てきたけどしずるは全く触れられず。今後この二人にまつわる物語もあるんだろうか。店主と顧客を引き合わせる高遠は高等遊民だな。江戸の雰囲気を残しつつ変わっている明治時代の東京の空気感がよかった。
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だいぶ忘れての読み返し。
高遠さんは、どうなったんだろう、どこかでリンクはないのかな。
てゆーか、トリストラムシャンディかよ。たまたま最近読んだのですが、それ勧められちゃったのかよ。ま、人生色々曲がりくねって無駄そうでも、自分の好きなことに注いでいれば良いのですよね。
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やたらと感の鈍い人たちが話をして、むだに文章が長くなっている。他の人が書いたら1ページくらいですむところを、5ページは使っているだろうか。読んでてイライラする。
殺人事件は起こらない。よって犯人はでてこない。推理小説ではない。
歴史上の人物に本を薦める。
登場人物は知らないわ、薦める本のこともわからないわで、「ほう、そうくるか」とは思わない。
知っている登場人物でも、その本はいらないでしょって思ってしまう。
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530頁超なのですから、普通なら「厚っ!」と言いたくなるところ、京極さんならば「わりと薄いやん」と思ってしまう不思議(笑)。
明治20年代半ば、三浦しをんの『月魚』をさらに趣深くしたような古書店“書楼弔堂”。近所に越してきた男・高遠の目を通して、弔堂の主人と客とのやりとりが描かれます。知らずに読むほうが楽しいのでここに書くのは控えますが、客として登場するのは歴史上の有名な絵師や作家などなど。客の話に耳を傾ける主人が「この人のための1冊」を選び取るまで。
原田マハの『暗幕のゲルニカ』のごとく、史実を基にこんな物語を編み出すとは。静謐さの中にもユーモアがあってしばしばニヤリ。日本語の良さを目一杯感じさせてくれます。
世の中に無駄なものは無し。無駄にする者がいるのだというだけ。無駄にするかどうかはその人次第。