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(「BOOK」データベースより)
なぜ聖徳太子に「徳」という称号が贈られたのか?『日本書紀』は天武天皇の正体を隠すために編集された。奈良の大仏は怨霊鎮魂のためのハイテク装置だった…など日本人の「徳」の思想と怨霊信仰のメカニズムを解明する衝撃の推理。
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常識を以って定説を疑う。論証手法に些かの癖と難があるものの、目の付け所は面白い。本巻は建国から奈良時代あたりの、聖徳太子と天智天武天皇がメイン。テーマによって人それぞれ好き嫌いが分かれると思うが、本巻については私自身はあまり興味が持てなかった。この古代日本史に興味がある方にはおすすめだと思う。
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面白い!
高校時代世界史を選択していたこともあり(逃げ)日本史にはとんと疎く、まったくすっからかんだったにもかかわらず、巻を進めるごとに楽しみながらしっかりと日本史の知識が身に付く(正しいかどうかはわかりませんが)これは20年前の本ながら良い本
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この巻では、「聖徳太子」「天智天皇」「天武天皇と持統女帝」「平城京と奈良の大仏」を扱っています。
「聖徳太子」の章では、なぜ「聖徳」なのかを他の天皇と関連付けて説明してますし、太子の御陵などに関して論じています。
「天智天皇」の章では、当時の国際情勢も踏まえています。
「天武天皇と持統女帝」の章では、打って変って天武天皇による天智系の追放対策について解説しています。
「平城京と奈良の大仏」の章では、印象に残ったのは「長屋王の変」について論じています。
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逆説の日本史第2弾。聖徳太子は怨霊だったという説には説得力があり、まさに目から鱗である。また聖徳太子が編纂した17条憲法の第1章が「和」であることの意味も井沢氏の指摘で初めて理解できた。平城京と奈良の大仏の建立もその背景には日本人の怨霊信仰が存在している。
日本の歴史を理解するうえで、最も大切なベースを得ることができる珠玉のシリーズである。
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聖徳太子の謎から、天智天皇と天武天皇の関係、東大寺の大仏建立に至るまでが扱われており、前巻以上に著者の独自の説が次々と展開されています。
聖徳太子については、梅原猛の聖徳太子=怨霊説を踏襲していますが、それだけでなく、著者自身の見解が敷衍されています。著者は、藤ノ木古墳に埋葬されている2人の遺体が崇峻天皇と聖徳太子だと言い、さらに太子が不幸な死、おそらくは自殺を遂げたという説を示しています。
天武天皇については、彼が新羅と密接な関係を持つ人物であること、そして、挑戦を統一した新羅を滅ぼそうとする唐の策略に応じて、唐との国交を開こうとした天智天皇を暗殺し、その事実を隠そうとして『日本書紀』の記述が生まれたとされます。
さらに、怨霊史観に基づいて、奈良の大仏の建造と、それから30年あまりで桓武天皇が平安遷都をおこなった理由が探られます。
前巻以上に大胆な仮説が多く、素人目には推測で補われている箇所が多すぎるようにも思われるのですが、推理小説のようなスリリングな読み物として、楽しんで読むことができました。
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聖徳太子編、天智天皇編、天武天皇編、平城京と奈良の大仏編を収録。日本の古代史を「怨霊」の視点からとらえなおす。子供を殺され滅亡させられた太子の怨霊を鎮める「聖徳」の名前の説明は興味深い。天智系と天武系の天皇の争いから長屋王の怨霊を封じ込めるために建立されたとする奈良の大仏、怨霊に負けた大仏と天智系である桓武が平城京を捨てた理由づけも面白い。
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相変わらず歴史学者に喧嘩を売りまくりで、ここまで言ってしまうと、大丈夫なのか、と心配になるレベル。別に自分は歴史に詳しくもないので、この本を普通にふーんと言って読むわけで。でも、歴史書に書いてあることより、より当たり前と思われる方向、より蓋然性の高い方向に考えていく、というのは好きだし、そういう意味では好感が持てるんだけども、てか結局聖徳太子の謎はなんだったんだか、分かんなかったような気もするけど、結論出たのかな?
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飛鳥時代の日本すっげぇ面白い!偽りの歴史が剥がれ落ち、覆われていた史実が表出する感じがたまらん。嘘ばっかり!
天智天皇とか天武天皇とか持統天皇とか日本史の授業でもしっくりこなくてなかなか覚えられなかったのは、論理的にストーリー性が無かったからだと思っていたんだけれど、ようやっと歴史物語として理解できた感じがある。
やっぱ嘘ついてたんだな。そりゃそうだ。現代だって政治家はいっぱい嘘をついて、ぎりぎりの国際関係を維持したりしているんだ、古代にやってないわけがない。
天智天皇と天武天皇のところがやっぱ面白かったな。天皇の謚号の由来から二人の関係性を明らかにしていくところはシビレタ。
壬申の乱とかこの辺の時代の歴史書はいくつか読んだことがあるが、つまんないなーとしか思えなかったけれど、この本を読んだことでいろんな情報がつながって、最高に知的興奮を覚えている。
この本を読んだら、八木荘司の『遥かなる大和』とか永井路子の『美貌の女帝』とかを読むことをお勧めする。なるほどってなる。知識が深まること間違いない。
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今回は聖徳太子と聖武天皇の時代。
「徳」という称号のついた天皇はいづれも不幸な星の下にあったという説。ほほう、だよ。これまた面白い。
そして天皇が二系統あったという説。天智系と天武系。実は血筋が全く違ったのではないかと。
私はこの人の言うことを考察できるほど知識はないが、この人の言うことは面白い。
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井沢氏の解釈
古代のある時期から「徳」という名は、「ご無念な生涯であらしめられた」天皇に贈られることになった。
天武はなんと「忍者」だった。
持統王朝は、持統系の皇族と藤原氏の「連立内閣」だった。
アマテラスはそもそも卑弥呼であった。
子孫を蘇我氏によって皆殺しにされ、子孫による祭祀をたたれた聖徳太子は怨霊化した。
日本の大魔王「崇徳上皇」は、アマテラスの決めた「日本はアマテラスの子孫が永久に支配する」という根本原則に対して「天皇家を没落させ天皇家以外の人間をこの国の王にする」と、呪いをかけた。
長屋王一族の供養つまり怨霊鎮魂にために東大寺と大仏は建立された。
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オーディオブックで視聴完了。
聖徳太子編めっちゃおもしろかった。
何があれって、うちの地元の太子町が出てくるところが最高(違
井沢さんの面白い所は、色々な資料を引っ張り出してきて、推論を組み立てるところにあり、教科書やこれまで読んだどんな歴史書とも違う世界を見せてくれるところにある。
本当に井沢説が正しいかはわからないけれど、腹に落ちるし胸も躍る。僕は歴史家ではないので、正しい歴史を正しく理解したいわけではない。僕らが点と点で知っている出来事や人名を有機的に結んでくれる本書は実に読んでいて楽しいし、僕が理解する歴史に対して深みや幅を与えてくれる素晴らしい本だと感じる。
続きのオーディオブック化が待ち遠しい。
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相変わらずこれまで習ってきた日本史を覆す理論で面白い。
天地と天武は兄弟じゃないとか、聖徳太子は殺されたとか、そういう学校で習わない事をズバッというのは快感でもある。
昔って天皇という最高位をめぐって殺し合いが起きてたんだなぁとしみじみ感じた。今も昔も地位というものに惹かれてしまい、血が流れたり、足の引っ張り合いが起きるのは変わらないなぁと思う。
人間とは今も昔も変わらないと本当に感じた。
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聖徳太子は天皇になれなかったのになぜ「聖徳」という称号されたのか、天智天皇の死因や年齢が全く日本書紀に書かれなかったのは天武天皇による大本営発表のようなもので実は暗殺ではないか、天武天皇の血統の由来は何か、聖武天皇が奈良の大仏を建立したのは鎮護国家思想ではなく妻の光明皇后の意向を受けて長屋王の怨霊を封じるため。4テーマとも徹頭徹尾、怨霊封じというテーゼで書かれており、トンデモ本としても大胆な展開。古代に関しては資料の関係上、登場人物の題材がもっぱら皇室に限定されているのはやむなしか。
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1巻がおもしろかったので2巻も読みました。怨霊信仰の例がさらに展開された感じで、あまり驚きはなかったです。