駆という青年が放つ闇
2003/06/28 19:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
駆とナディアのシリーズ第1弾。
私はオディプス症候群から読み始めた にわかフアンなのですが、シリーズものと言っても一つの事件に対して一つの物語を形成しているので、勿論どの巻からでも楽しめます。私は駆という多くの謎をもつ この青年の哲学的思考と言葉がとても好きで 推理モノというより 読み物として純粋に楽しんでいます。
このシリーズは 事件の伏線が少なく、犯人当てを楽しむという読み方はお勧めできませんが、哲学が好き 心理学が好きという方に是非読んでもらいたい作品群です。駆という青年が放つ 闇…彼の目で見た世界にもっと触れてみたい という気分にさせてくれます。
また予想もつかない展開と こちらの推理をことごとく裏切ってくれる ストーリーは読者を決して飽きさせません。
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本格ミステリの名に恥じない王道ぶりと、笠井氏の本領(?)苛烈な思想の爆発。読んでいてぞくぞくさせてくれます。以下続刊『サマー・アポカリプス』『薔薇の女』『哲学者の密室』『オイディプス症候群』『熾天使の夏』雑誌にて連載中『瀕死の王』。カヴァ先生の本業(作家)・副業(評論)ともに注目しております(笑)
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現象学的な思考により事件を解決する謎の日本人・矢吹駆。
レインボーマンに勝るとも劣らぬ経歴を持つ駆の不思議さを感じつつ、重厚な雰囲気の本格ミステリを堪能してください。
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カッコイイです。その一言に尽きます。
続編(というか流れ的に)に、「サマーアポカリプス」「薔薇の女」「熾天使の夏」「哲学者の密室(上)(下)」があります。
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推理に「現象学」を使う探偵(?)矢吹駆シリーズ第一作。
「名探偵がナカナカ犯人を捕まえない理由」として「興味ないから」ていうのを使ったのがすごいんじゃないのか。実は。
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これまた・・・と言葉にならなかった。噂にはず〜っと聞いていたのですが、長い間手に取ったことがありませんでした。どこかで日本人が書いた海外を舞台にした作品を敬遠していたところもあります。でも難しいですね、この作品。現象学に哲学など初めて知ることばかりだし、理解するのに時間がかかりました。
実は2度読みましたもの。(笑) カケルって本当に謎だらけで、またそこが面白さを引き出しているのですが。ラストのカケルのとった行動、これもまた謎。私は反感を持ってしまいますけど。いや〜すごいわ、この作品&この作家。
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ナディア&矢吹駆シリーズミステリーの第一弾。
吉本ばなな氏や森博嗣氏が、このシリーズについてそれぞれの作品で触れていていたので、どうにも興味をそそられ手に取ることとなりました。
読み始めて、すぐに夢中になりました。
舞台となるパリの薄寒い、乾いた冬の感じ、勝ち気なナディアの若さ、駆が背後に抱えている暗い何か。
いろいろなものが、ナディアの身近で起きた殺人事件の中に細かく織り込まれていて、とにかく読んでいることが楽しいのです。
ミステリーとしては、手堅い印象を受けます。
きちんきちんと論理をたてて、謎を解いていってくれるので、びっくりのどんでん返しに驚いた!ということはありませんでした。でも読み終えたあと静かに納得し、彼らの世界の雰囲気がずっと残ります。
読み終えてからすぐに、シリーズの後の作品を買いに出かけました。
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矢吹駆シリーズ1作目。パリ在住のミステリアスな青年・カケルは、パリ警察警視の娘ナディアの日本語教師。2人はラルース家の首なし殺人事件を解決するべく奔走する。カケルは推理ではなく、本質的直観によって真相をつかんでいきます。なんだか雲をつかむようなカケルの科白、振り回されるナディアというパターンです。第5回角川小説賞受賞作品。
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なんだかんだと読了。いろんな意味で「新本格」に影響を与えた作品であるなぁ〜と、実感。出版が79年という四半世紀も前の作品にも拘らず、現在の「探偵不在の推理小説」を書いているのにはちょっと驚き。トリック的には、古き良き的なモノだったけど、解決に至る行程は現行のモノと比べてもなんら遜色ないできばえで、「新本格」から読み始めた世代でも面白く読める。古典といわれてしまうようなところは、あまり無い。
探偵不在の作品の探偵役として、この作品は謎の(笑)日本人(一応、舞台がパリなので登場人物はほとんどフランス人です。)の<矢吹駆>が登場する。彼の語り口調や、事件へのアプローチや人嫌い(笑)や口笛を吹く癖など、現行の作品に非常に強く影響を与えているところが見受けられて、見つける度に、ほくそえんでいた。
まず、口笛を吹く謎の人物から、上遠野浩平「ブギーポップは笑わない」のブギーポップは、登場するシーンで必ず口笛を吹いている。
事件を解決では無く、解体して捕らえ、関係者と対峙した時の語り口調や思想的脅迫の手口は、京極夏彦の京極堂こと中禅寺秋彦の手口と似ている。しかも、描写が「東洋の呪い師のような」と書かれているのも、読んでいて「これか!」と笑ったところ。
日本人の作家が書いた作品ではあるけれど、セリフの書き方などがどうも訳した海外作品っぽく書いているように感じる。まあ、フランス人作家で読んだことがあるのは、モーリス・ルブランの「ルパン」シリーズとボリス・ヴィアン「日々の泡(泡沫の日々?)」だけなのだが、華美に装飾的な言葉を使うフランス気質(パリ気質かな?)が、そういう雰囲気を醸しだしているかな?
読み終わって、巽昌章の解説を読んでみて時事ネタとして影響があった「連合赤軍事件」を取り上げていた。確かに、この作品の初期に非常に印象的に使われたのは「赤」で、この作品を象徴する色となっている。ちょっとこの後、積読本になっている大塚英志「彼女達の連合赤軍」を読み始めようかな…。
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矢吹駆シリーズ一作目。舞台はフランス。全体的に暗く重々しい雰囲気ですが、大好きな作品、大好きなシリーズです。
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とりあえず、私はミステリのなんたるかなど判らないから、単純に、読み物としてのこの本に対して、主観でものをいうことにする。
まず読みにくい。シリーズモノとして読んでいないからなのだろうか、感情移入がまったくできない。読み進めていってものめり込めない。文章にとっつきにくい。設定に無理がある。力技すぎる部分がある。
ようするに、私の好みじゃなかった、ということだけなんですがね。
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アパルトマンの一室で、外出用の服を身に着け、血の池の中央にうつぶせに横たわっていた女の死体には、あるべき場所に首がなかった! ラルース家を巡り連続して起こる殺人事件。警視モガールの娘ナディアは、現象学を駆使する奇妙な日本人矢吹駆とともに事件の謎を追う。日本の推理文壇に新しい一頁を書き加えた笠井潔のデビュー長編。
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自惚れた馬鹿な小娘にまったく魅力を感じないので、読むのがかなり苦痛ですた…
中盤の哲学談義が小難しくて何度も寝そうになっちゃった
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▼きつかった! ドグラ・マグラの方が楽だったくらい。でも面白かった! ちょっと主人公マンセー感が鼻についたけど、それ以外は言うことなし。▼この探偵・矢吹駆の設定がおかしくて。ファーストインプレッションでサンスクリット語出るし、本質直観で推理するし(笑)。▼あー。成程。だから首を……納得。『クビキリサイクル』ってこれのオマージュだったのね。
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駆くんかっこよかった。英語名が一回で覚えられない人なので二回読んでようやく一回。西尾維新好きな人は恐らく好きかと。