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ウォーカロンシリーズ
アフリカのとある小さな村に
ウォーカロンたちばかりが集まって住んでいるところがあるという。
秘されたその村の本当の姿は・・・
ハギリ博士たちは、電脳の世界に閉じ込められてしまう。
「生きている」とはどういうことなのか
ラストの、ハギリとデボラの会話が秀逸
最初馴染めなかったこのシリーズ
どんどん面白くなってきたなぁ
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僕は、科学者である前にエンジニアなのだ。理念を打ち立てるほど、言葉だけの理屈を信じていない。ただ、問題を地道に解決し、障害を取り除くことで、少しずつ生きやすくなれば良い、というのが基本にある。正解値が得られないならば、近似値で良い。誤差が小さくなる方向へ進めば、それは進歩なのだ。
(P.107)
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Biofeedbackなのかぁ、ということはそういうことなのかぁ、と思い浮かべながら読みました。
訓練通りのくだりが面白かったです。わざとらしさが素晴らしい。
あと、お世辞を言うところは、映像化したときどう表現するのかなぁなんて考えました。
総じて、止まらず一気に読みました。
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「素晴らしい答だね。君は生きているんじゃないかな?」
「いいえ。私は、それを自分に問うことさえありません」
そうか……。
生きているものだけが、自分が生きているのかと問うのだ。(P. 262)
哲学的でいて、どこか牧歌的、穏やかでいて、アクションシーンが多い、というチグハグなものを内包しているWシリーズ。今回も面白かったです。
「魔がさす」のは人間だけ、という感覚も面白いし、高性能に作られているからミスをしないはずなのに、人間に近づこうとミス(考えている振りだとか)をするウォーカロン。
今回はテルグという村が出てきますが、ここで行われていることって、あれですよね?あの、彼女が随分昔に作ったあのプログラムを…。と、決定的な単語を一つも出さずに読んでいるこちら側を誘導する力が素晴らしいです。
天才に奇人・変人は多いのかもしれませんが、奇人・変人であれば全員天才ではないのと同じで、きっと彼女は天才であるがゆえに、凡人と同じように生きる(見せかける)術を身につけたのだろうなあと思います。孤独な世界は寂しいものだと思うのは、きっと凡人の感性なのでしょう。
少しずつ、少しずつハギリ博士の研究内容がシフトしていくように、読者もフォーカスポイントをシフトしていいっているようで、ここからまた次にたどりつける場所はどこなのか、そこには誰がいて、なにがあるのか。そして、帰着点はどこなのか。それがわからないことが最高に嬉しいです。
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想像以上に怖い内容だった。四季はここまでやるのか。何を考えているのかまったく理解できない。凡人でよかった。
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少しもたついているようにも見える。だが、ウォーカロンの脳だけが「活動」している世界の描写には説得力はある。
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生命工学技術により人の手により生命もどきを産出できるようになった現在から,いち早く生命とは何か,を問う.本質的な生命定義は,英語の副題"Are we under the biofeedback?"に凝縮されている.逆に言えば,それ以外では生命を定義できないことになる.難解な未来が透けて見える.
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非常に面白かった。冒険小説の形をとっているが、人間とは何か、命とは何かということを主題にした文学になっている。特に本書では脳だけになった住民達がバーチャルの世界で幸せに暮らしている描写があったが、いずれ遠くない未来にはそうなっているかもしれないし、自分ももし高齢となり、体の自由が利かなくなった場合、このような未来も実際に悪くないのではないかと真剣に考えてしまった。「生きる」とは何なのかを問い続けるこのシリーズ、本当に面白い。
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「富の谷」土地の人も警察も手を出さない治外法権の地。脱走したウォーカロンが潜んでいる?との情報があり謎の占い師を通じてハギリ博士一行はその地に向かう。そこでは仮想現実に基づいた世界が広がっていた。世界については映画でも描かれているけどそれは外側から見たものが多くて内側は果たして理想郷なのか?を改めて考えさせられる。そして人間とウォーカロン、そしてデボラのような存在との境界がどんどん曖昧になってくるのがじわじわひんやりする。最終的に一つの存在に統合されてしまうのか。先がとても気になる。
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Wシリーズ第五弾。ここまでくるとだいぶ攻殻機動隊的世界に近付いてきた気がする。生きているとはなんなのか、それは生きているものしか問う事はできない。デボラとハギリ博士のやり取りが可愛い。
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ウォーカロンの腦が飼育されている卵。
バーチャルの世界で暮らす人たち。
デボラの活躍。
今までの話と違って世界の広がりというものはあまり感じられないが、ルパンとかに出てきそうなお話だった。
ヴォッシュ博士はエピローグにしか出てこない。
ウグイとハギリ博士の掛け合いは今までで一番笑ったかもしれない。そしてアネバネが喋る。いつもより多めに。
話の内容は今まで一番つまらなかったけど、他の登場人物達のいろんな面が見れて最終的にはとてもよかったと思う。
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バーチャル世界が当たり前にある中での生きていることへの問い,この考察が本当に面白い.デボラにとって価値のある物が博士との友情というのが,なるほどと言うか意外と言うか.次が楽しみ.
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どこからが生きていて、生きていないのか、ここまで未来に存在していたら確かに考えてしまうかもしれない。でもじぶんが生きているのか考えるのは生きているものだけ。なるほど、と思わされました。
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仮想空間に捕らわれてしまうハギリ達だが、トランスファと知り合っているので助けてくれる可能性があるなと思っていたら、登場し助けてくれて無事に抜け出すことに成功し、その存在に安心感がある。羊たちが部屋に入ってくる攻撃は可愛らしい。
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逃亡したウォーカロンが潜んでいるとされる、富の谷。そこでは住人達は肉体を脱し、脳だけになり、電子空間に住んでいた。ハギリは、人間もやがては肉体を脱し、さらには脳すら捨てることになるだろうと予測する。人間はいつか人間という存在と決別する、と。この予測は、生命の本質に触れるものだと感じた。