石岡和己の旅の終わり、そして新たな旅立ち
2023/03/29 23:47
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
御手洗潔が(ほとんど)出てこない御手洗シリーズ第八長編、後編。
国際電話で、御手洗に「僕は今手が離せない。君が事件を解決するんだ」と言われる石岡。「できるわけないだろう。しばらく会っていないうちに僕が誰だかも忘れてしまったのか」と嘆きますが、犠牲者は増え続け、やむなく石岡は手探りで推理を始めます。密室での銃殺などは上質のアイデアが盛り込まれ、おっかなびっくりながらも謎を解く石岡の姿は感慨深いものがあります。
さらに、すべてが解決した後にもサプライズが。伏線とは言えないほどあからさまに書かれていたのに見事に騙されました。見どころの多い傑作ミステリーです。
同時に本作は、失ったものに思いをはせ、取り戻せるものを取り戻し、決して取り戻せないものに別れを告げる青春小説の側面もあります。クライマックスで命も顧みず奮闘する石岡、そしてエピローグの彼の姿には目が潤みました。『龍臥亭事件』は、長い歳月を経て書かれた、あの作品(微妙にネタバレなのでタイトルは伏せます)の続編でもあるのでしょう。
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻になると岡山で実際に起こった大量殺戮事件(津山事件)と主犯の男について調べた話がかなり長く一体いつになったら現代に話が戻るんだと危惧したが、そこはさすが大御所綺麗にまとめ上げてます。結局御手洗登場なしで、愛憎と因縁にまみれた壮大な物語を石岡氏が解決するという形。
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下巻。陰惨な場面も多いけれど、やっぱり島田荘司の文章は美しくて 冴え冴えとした綺麗さ。すごい本だと思う。
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援助交際が大々的に取り上げられていた矢先に犬坊里美と石岡くんの恋愛要素を描く辺り、何気に時代に迎合している要素も描いている島田荘司の抜け目のなさと、御手洗からの手紙が冴える一作。
歴史モノに逃げると作家は才能の虎穴を囁かれるけれど、私としては、その虎穴の象徴が犬坊里美って気がしないでもない。
ラストシーンの印象も含め、面白かった今作を最後に、ここで私は以降の長編作品には手を伸ばさなくなった。
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御手洗潔・吉敷竹史シリーズ
御手洗からの手紙と電報。「リュウコワセ」の謎。行方不明になった使用人の守屋敬三と藤原。貝原のバス停で発見された守屋の遺体。自分の家族に降りかかる不幸を娘にかかる前に振り払おうと100度参りを行うミチ。何者かに銃撃されているミチ。石岡のガード。中に発見した犬坊一男の遺体。連続殺人事件の遺体の状況に不振を持った石岡の捜査。地元の歴史研究家・上山評人の話を聞く石岡。昭和初期に起きた猟奇殺人事件と今回の殺人事件に隠された秘密。都井陸雄が起こした30人殺しの実際の姿。ミチを狙う謎の人物。
2003年3月8日購入
2003年3月19日読了
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御手洗潔シリーズ。(?)
今回は石岡和己が探偵役です。
御手洗が石岡に優しい手紙を出しています。
そこも結構重要な見所ですヨっ!!
お話し自体は津山三十人殺しが題材になってます。
調べてみるとかなりそのまんまです(笑)
相変わらず上下共分厚いですが、
私は面白くてサクサク読めました。
石岡探偵も結構様になっているのでは??
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あまりに有名な、現実に起こった「あの事件」をモチーフとした作品。これは超大作。なんといっても「龍臥亭」が凄すぎる。これはぜひ、訪れてみたいような館だなあ。
密室?トリックもさながら、動機には唸らされたなあ。ひとつひとつは単純そうに思えても、複雑に絡み合った様がなんともいえず魅力的。後半に入ってからは一気読み間違いなしの作品。しかし御手洗……あの電報だけで解れってのはあまりに酷な話でしょう(笑)。
ちなみに個人的には、見立て殺人?のユーモアがかなり好きだったりも。この解釈にはかなり笑えた。だから鳥の絵だったのか……(爆笑)。
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石岡くんのリハビリ?だけど、最後まで読んでるとなんだか切なくなってしまった。石岡くんなりに一生懸命な解決しようとするその姿に思わず、頑張れと応援しながら読んでいました。
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長かったです。
それにつきますね。
この作品は無理に真相を暴こうとしても
無駄骨になる作品なので
おとなしく読んだ方がいいですよ。
しかし、とある多人数殺人事件は
悪しき習慣の蓄積だったんですね。
確かにあの人は鬼畜だったけれども
よく読むと無関係な人には
鉄槌を落とさなかったのです。
そう、落としたのは
けなしたものだけ。
そして現代の犯人に関しては…
一番悲しい事実が出てきましたね。
そして真相部分にも悲しいものが…
皮肉にも…
御手洗なき事件でしたが
なかなかおもしろかったです。
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通常の御手洗シリーズよりも結末がわかりやすい。(いろんな意味で)石岡くんだけで大丈夫なのかな?と思ったけれど、最後まで一気に読めました。
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長かったなー
読んでる間に間延びしてしまった。
本格は長すぎると謎に対する情熱が薄れていくと感じた。
半分は、津山事件のノンフィクション。犯人の名前とか、事件の経過は事実だと途中で気付いた。
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龍臥亭事件という作品が自分のなかで大好きで、思い入れの深い作品なのは、石岡さんが、事件を解決したいと深く願い、他には誰も頼れないとなんとか自分の頭で必死に、本当に必死に考え、推理し、ボロボロになりながらも、事件の謎を解いていく姿が描かれているから。
御手洗潔という超人の活躍をその傍で振り回されながら見守るしかない石岡さんの姿はそこにはなく、必死な凡人のもがきが私の心を打ちました。
霧のなかの幻想的な舞台にて行われる犯人との格闘、そして終幕、石岡さんの手による真相披露が描かれる第12章からエピローグにかけては、御手洗シリーズ屈指の名シーン名場面の連続でした。
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大傑作。昭和初期の犯罪史に興味がある人に最適。津山事件のくだりはどこかで読んだ覚えがあったが、『津山三十人殺し』のほぼ完全な引用だった。すごく書きたかったことが明確で、トリックとか謎解きは、ただのエッセンスに感じる。
あと、この話の続編が、またさらに感動的でたまらない。途中で気付く人は気付くのだろうけど、気付かずに読めて驚きが押し寄せてきたので幸せだった。
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再読。陰で活躍していたあの人の独白と最後には頭が下がる。こういう気骨はもう過去の物なんだろうなぁ。
真犯人には作者にやられた感…術中に嵌まってた~。 動機には面食らうが、この恐怖は当事者だからこそで止められないのかもしれない。因縁という言葉が作中よく出てきたのも頷けた。
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ネタバレ?→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→石岡さん、津山事件知らないの?びっくりだわ。あんな有名な事件を知らないなんて。だから御手洗登場しなかったんだ。だってさすがに御手洗が津山事件知らないって不自然だし、津山事件を知ってる御手洗ならあっさり看破する事件だったし。石岡さん、昭和の事件、知らなすぎだよ。