分かりやすい入門書
2022/01/09 16:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
思想としてのアナキズムの歴史を、
プルードン、バクーニン、クロポトキン、ルクリュ、マフノという5人の先人の歩みを追いながら、とてもわかりやすく解説してくれている。
「アナキズムは、権力による強制なしに人間がたがいに助けあって生きてゆくことを理想とする思想」(鶴見俊輔)
というように、随所に鶴見さんの言葉が紹介され、昔のフランスやロシアで生まれた思想を、今に近づけて教えてくれる。まさに入門書。
歴史の教科書で名前を知っている程度だった先人についてもとても詳しく書いてあり、勉強になった。
投稿元:
レビューを見る
アナキズムに関する入門書。プルードン、バクーニン、クロポトキンといった有名人だけではなく、ルクリュやマフノといったあまり情報のないアナキストの評伝も含まれている。それぞれのアナキストの思想と生涯について、興味深いエピソードを交えて読みやすい文章で記載されている。アナキズムの入門書としてとっつきやすいけど、系統だったテキストとしてはやや物足りないかな。ローカルではしばしば成功するかに見えるけど国家レベルでは必ず敗退しているアナキズムの限界を解明してくれる本ってないんですかね。
投稿元:
レビューを見る
本書では、アナキズムを生み出していった十九世紀から二十世紀にかけて活躍したヨーロッパの思想家・活動家について論じる。社会思想史の教科書を一瞥すれば、大体のアナキズムの思想家はちょろっと論じられるくらいだ。もちろん、それはそれで良い。教科書だから。しかし本書では、もう少し、アナキズムのエッセンスが汲み取れるように、私の好きなアナキストたちを論じていく。そこから少し、アナキズムの思考法を探っていこう。アナキズムに入門してしまおう。(はじめに)
投稿元:
レビューを見る
小生が読みかけの本を途中で投げ出すことは滅多にない。終盤にかけて面白くなるかもしれないと思うからだ。が、この本に関しては33ページで読むのをやめた。少なくとも小生にとっては、出版物として読めるレベルの日本語ではない。著者が「自分の語りのリズム」に合わせた口語体に挑戦したのだろうか、と好意的に捉えようとしたのだが、無理だった。この本に触れたがためにアナキズムから一生離れてしまう読者がいないことを祈る。
投稿元:
レビューを見る
サクサク読める平易な文体ながら、アナキズムの入口の淵を覗きこむことができるとともに次に読む一冊まで見つかる。
自分の身の回りの社会に疑問を持ち始めた方にオススメ。
投稿元:
レビューを見る
門外漢が興味を持つのにはいいと思う。口語調なので、新書を読むことが苦手な人にも抵抗はないと感じる。
アナーキーというと、パンクだったり暴力的で無秩序というイメージだったが、国家に頼らず合議制で決めていく等と目から鱗が落ちることが多かった。
意外だったのは、登場人物のふたりが地理に通じており、文理が分かれる前には歴史や地学など、総合的な学問で、営業を与えたかもしれないと言うこと。
投稿元:
レビューを見る
著名なアナキストたちがどんな人生を送ったか、どんな思想を持っていたかを残した作品。まさしく入門。左翼の中では本流となれず、インターナショナルでもアナキズムが迫害されているのは心が痛んだ。しかしアナキズムってかなりの部分性善説に依拠していると感じ、実社会では限界もあると感じる。理想は素晴らしいが。
投稿元:
レビューを見る
アナキズムがどのようにして生まれて、どう広がっていったのか、各重要人物の人生を追っていく形で解説されていた。
何を勉強するにも全ては歴史があると最近ようやく理解できてきた気がする。
アナーキーは無秩序主義とされてしまうが、もともとはアナルシーというギリシャ起源の言葉で「無権力」という意味だった。
それが、今になって形が変わっていったそう。
そう考えると、アナキズムと共産主義は似ているなぁと感じたが、
両者の違いは共産主義はどこまでいっても国家という権力が存在しているが、アナキズムは最初から国家という権力は最初からは必要ないという違いなのだろう。
もっと深くは異なるのだろうけど、今の段階ではこのくらいの理解しかできていない。
投稿元:
レビューを見る
色々な意味で息苦しい世の中だなと思っていた時、ふと話に上ったアナキズムについて知るために読みました。紹介されているアナキスト5人は経歴も方法論も異なるけれど、ただ1点、優しい心の持ち主であることは共通していて、単に無政府主義と捉えていた見方が変わりました。
投稿元:
レビューを見る
思っていたのと少し違ったのでクロポトキンの章まで読んで読了とする。論文的なものを期待していたが、軽めの伝記だった。
投稿元:
レビューを見る
アナーキズム、とユートピア思想についての、刺激に満ちた入門書です。参考文献も多く紹介されていて便利です。
投稿元:
レビューを見る
【琉大OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB23240693
投稿元:
レビューを見る
代表的アナキスト5名の生き様が描かれ、アナキズム入門というよりアナキスト列伝というべき本。名前は知ってるけど詳しく知らないアナキストの思想から人柄や生き様まで知ることができ面白かった。
プルードンの「所有とは盗みである」というテーゼは知っていても、彼が「所有」とするのはあくまで相続財産であることは初めて知ったし、他のアナキストも相続財産の廃止を強調しているということを知れた。
マルクスとバクーニンの喧嘩=権力闘争も読んでいて面白いが、とにかくマルクスがイヤな奴として描かれるので、マルクス側からの視点も気になる。
ルクリュをはじめどのアナキストも、ともかくエネルギーに満ち溢れており、歴史に名を残す思想家は知性以前に生命力が並外れているのだなと感じた。
ただ、思想としてのアナキズムを俯瞰できたかというと、いまいち分からない。アナキズムに体系的理解が可能なのか、現代のアナキズムと連続するような思想史的発展があるのか、といったアナキズムの全体像(そんなものがあればだが)を掴めないのが惜しいところ。
投稿元:
レビューを見る
マルクスはマルクスですごい人なんだろうけど、結局共産主義と中央集権国家体制があわさると、資本主義の企業なんか及ばない資本を国そのものが手に入れるということになるわけで、どうしたってそこには権力が生まれてしまう。
ロシアや中国の歴史を見ているとまだアナーキーのほうがマシなのではと思ってしまった。
あとアナキズムの理想「権力による強制なしに人間がたがいに助けあって生きてゆくこと」が美しすぎて、特に『蠅の王』を読んだあとだから、それは人間には無理かもしれないと感じてしまう。
投稿元:
レビューを見る
口調がむかつくせいで言ってることが記憶に残らない。悪いのは全部おまえだ。たぶん。
鶴見の引用「自分を一個の粗大ゴミとして道路の上におくという抗議の形」
これは私も実践している。
ガンディーの不服従。
でも子どもが大事だよ。
侵略されたくないよ。
不自由でも戦争よりは平和を望むよ。
消費社会は嫌いだよ。