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六感を巡り巡るマスカレードは脳を抜け地を駆ける
2001/02/21 17:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:竹井庭水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな設定。河口に浮かんだ廃虚島“ネバーランド”。そこは18歳以下の子供しか住めない島。彼らは腰に接続した“カクテルボード”からドラッグを大量摂取するため、“マウス”と呼ばれていた。常にトリップしている状態では、幻想と現実、主観と客観が入り乱れ、言葉が相手をバッドトリップに「落とす」武器となる。このトリップが最高に刺激的!短編5つを繋げた連作短編。
とにかく何もかもぶっとんじゃっててオモロイのなんの。音は画像になり、言葉は実体になり、意識は共有物となり、それらがテンポ良く絡み付いて読ませる読ませる。まさにイメージの洪水です。視覚的でありながら映像化不可能。こういうのは未知の領域なのでもう新鮮。
しかし溢れるイメージのみに頼るわけではなく、薬漬け少年少女の暮らしぶりや地盤沈下を起こした島の環境、薬の入荷ルート等、「現実」部分もちゃんと触れらるのがミソ。島の内外の視点から“ネバーランド”を書くことで、読者が物語についていけるような「想像力の補完」ができているのでは。ぶっとびすぎてもついていけなきゃしょうがない。
とにもかくにも、異世界を堪能させてもらいました。SFに慣れない人でもこれはいけるのでは。五感が錯綜する描写は一読をオススメ。BGMはUnderworldあたりで。
(初出:いのミス)
叙述のぶれが残念
2001/05/14 13:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:OK - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラッグと幻覚に覆い尽くされた世紀末的な子供の楽園「ネバーランド」を舞台にしたSF連作集。いわれるほど「特異な言語感覚」に目を見張りはしなかったけれど、筋書きだけみるとわりに凡庸とも思える話をあえてこの設定にぶちこんで、物語世界の特異さを際立たせているのがなかなか巧い。「少年/少女」の憎めない理解しがたさを、うまいこと活かした描きかた。
最近作の『スイート・リトル・ベイビー』と共通する物語要素は、
・「モンスター」としての子供
・「感覚」への懐疑/「感覚」を支配される怖さ(と、美しさ)
といったところだろうか。加えて、
・設定の説明が結構くどい(というか、間が悪い)
のも妙に共通している。どうも叙述の話法なんかへの意識がいまいち薄いようで、たとえばドラッグのなか現実と夢の区別がつかなくなるのはいいのだけど、ならばそれを統括的に語る三人称視点は一体どこにあるのか、というあたりが判然としない。そのぶれがせっかくの世界構築を弱めているような気がした。映像作品なら強引に持っていけるところかもしれないけど。
http://members.jcom.home.ne.jp/kogiso/
浅くていいのよ
2016/01/11 18:47
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうしてかなあ。牧野作品には、いまひとつ共感が持てない。
バイオレンスがいけないのか、人物設定が甘いのか、書けない者が偉そうに言えないのだけれど、スピード感がありすぎてついて行けないというか、もう少し読者に親切に書いてくれないかな。
自分の、小説の読み込み方が浅いのか、小説なんて娯楽ものなんだから、あまり深い意義を持たせなくても良いんじゃないか。
内容紹介
2003/06/24 15:59
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネバーランドは子供の島だ。河口に浮かんだ廃墟島に生きる子供たちは、腰に接続したカクテル・ボードから24時間ドラッグを大量に摂取し、主観と客観、夢と現実が交錯する魔法の世界に住んでいた——フリークな少年少女たちの楽園を、SF界の新しい才能が、特異な言語感覚で描いたドラッグ・パンク・ノヴェル!