泣けてきた。ネガティブ思考の人のための本。
2017/12/25 23:58
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童書コーナーでこの本を見つけ、タイトルと著者名に驚いて
開いてみたら驚愕の内容が書いてありました。
豊島ミホさんが小説家をやめていたなんで知りませんでした。
はたから見れば自分的にはという感じでしょうが、自ら宣言する
ことで心を守っているように思えます。
強すぎるネガティブ思考をもて余し押しつぶされていた高校時代。
大学に入り、作家になり、作家を辞め、現在まで歩んできた
経験をもとに書かれた等身大の本です。
この本を書いた時点では漫画家のロングインタビューなどを
手掛けるフリーライターをしているそうです。
文庫本の新刊などが復刻的に出されていますが、2009年を
最後に新作は書かれていません。才能があるのは明らかなので、
心の許す範囲でゆるゆると新作が出てくるようになれば
嬉しいですね。
小説家時代は7年間しかなく、その間に10数冊が刊行
されています。痛々しいほどの心理描写が印象的な作風です。
この本を読んで、自分を削りながら書いていたことが分かりました。
こんな書き方では苦しいだろうと思っていましたが、
こんな背景があったとは。言葉にならないです。
それでも豊島ミホさんはスタイルを崩さないのでしょうね。
自分の身を削ってまで伝えたいという気持ちが、この一冊にも
色濃く反映されていました。
ここまで書くのは相当の勇気が必要だったでしょう。
一時期、注目作家と言われ地元でも知られていたようですし。
高校時代、学校に行くのが嫌で嫌でしょうがなかった人です。
クラスをスクールカーストと呼び、上中下とレッテル貼りして
自分を最下層と卑下する毎日。保健室生徒となり、
不登校気味の日々を送ります。
明確にいじめられたわけではないのです。
しかし、明るくものおじしない人たちに引け目を感じ、誰とも
しゃべらずに自ら孤独のレールを敷いたいきさつは、
極端な例とはいえ心につまされるものがあります。
頑張れ、気にするななんて言葉こそが、最悪の結果に
引き込むというネガティブ思考の無限ループです。
なんで自分を追い詰めるのと、読んでいてつらくなります。
自分は自分という気持ちを本当の意味で分からなかった日々。
大事なことは、受け流すということです。
スルーしてと書いてあります。
気にするなとは、言われたことを認めたうえで耐えろという
ニュアンスに聞こえるという考察は、その通りかもしれません。
それに対して、スルーすることは相手は相手のルール、
自分は自分のルールという原則を守るやり方です。
この前読んだ、「感情トレーニング」にも同じことが書いてあり、
しっくりきました。もちろん豊島ミホさんの書く文章によって、
こちらのほうが十倍の重さになって響きましたが。
自分ルールとは、真の意味で自分を信じるということで、
そうすると相手だって自分を信じていることが理解できる
ようになり、人と人との距離感の理由が分かるようになります。
ネガティブ思考になっていないか、思い当たる人にお薦めです。
万人向けではありません。
あまりの心の繊細さに、ぐっと詰まるものがありました。
答えは一行で書ける。でもそれはあまりに陳腐だ。
2015/10/01 00:00
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投稿者:HAKO - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずいぶんと遠回りではあるが、作者の経験を通して得られたであろう
タイトルの通りのことが書かれている。
表現も明確でわかりやすく、確かに中高生向け。
必要な人にこの本が届くことを祈る。
最高の「リベンジ」は「幸せになること」
2015/08/29 21:25
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投稿者:うおざ - この投稿者のレビュー一覧を見る
岩波ジュニア新書なので、中高生向け?
大学から就職活動やその後の話もあるから、大学生におすすめ。
そして、子どもがいる親、子どもに関わる大人にも。
高校時代に、
クラスを支配する「上」のグループの女子たちに
理不尽に抑圧され虐げられる「下」の生徒だった著者は、
いつかあいつらに復習してやる、とリベンジを誓う。
高校を卒業して、大学に入って、小説家になって、小説家をやめても、
「復習」の呪いは著者につきまとい、著者を苦しめ、追いつめていくが、
高校卒業から10年、著者に転機がおとずれる。
なるほど、「リベンジマニュアル」かあ。
高校時代に自分をバカにしたあいつらに対する最高の「リベンジ」は
あいつらと関係のないところで、「自分が幸せになること」だよね、確かに。
ということで、
この本は、
今、学校で辛い思いをしている中学生・高校生、
学校に居場所がない人、
自分は価値がないと思っている人、
将来どうすればいいかわからない人に
ぜひ読んでみてほしいです。
それから、
「ひょっとしたらあの子はそう思っているかもしれない」と、
ちょっとでも思った大人も。
個人的には、
「スペック」とか、「勝ち組負け組」とか、90年代っぽい感じがしました。
そこから抜け出せて、良かったね~、ほんとに。(;_;)
『いいから教室に来なさい。
何も考えないで、黙って座っているだけでいいから」』という教師とか、
バカヤローだよね。
何も考えないで、って、ロボットじゃあるまいし。
それって、「教室にいる間は、死んでてね」ということと同じだよ!
でも、わたしもむかーし、同じようなことを思ったことがあります。
学校に行けない我が子のことを
「黙って座っているだけでいいから、学校に行ってくれたらいいのに」って。
バカヤローな親だったよ。とほほ(*_*;
全ての不登校の子や、学校になじめない子に合うとは思いませんが、
この中の著者の言葉が、ぴんとくる子や、励みになる子も、いるかと思います。
とりあえず、中学校・高校・大学にはおすすめです。
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タイトルがどストレートで好き。久しぶりの豊島ミホさんの作品。
読んでてこの人生きづらそうだなと思った。わたしも上手く生きられない人なので良くわかる。傷つきやすくて憎みやすく上手に渡り歩けない。
わたしは幸いいじめや無視にあうことはなく、最近でいうスクールカーストも下位に属したことも下位として扱われることも一切なく、どちらかといえば常に上位にいたのでそこは豊島さんとは違うのですが、スクールカーストの上位も上位なりに大変で、結局は孤立することを選び保健室ではなく学校に通うことを捨て単位ギリギリで卒業した高校時代を思い出した。
嫌なことや憎しみが生まれる気持ちを関係ない、と捨てるのは難しい。それは生きづらい人は感情的な思考を持ってるからだと思う。だからと言って感情に振り回されずに生きる術を得るのはなかなか難しい。それらを得て、初めて今を生きれるのかな。難しいね。
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語り口調だから、すいすい読めて、そのまま流しちゃって、読み終った今はまだ消化出来てない感じ。
自分の実感や、これからにどう活かしていこうとかがまだ見えないという意味で。
「豊島ミホ」の小説もエッセイも大好きだし、どんな形であれこうやってまた本が出たことが私は嬉しい。
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そうなんだよな。結論は簡単で「クソなヤツなんてどうでもいいと思うこと」なんだけど、そこに自分で心から納得してたどり着くまでが簡単じゃない。自分もこの本の著者と同じく10年はかかった気がする。でもこの本を読んだ人なら、もうちょっとその結論にたどり着く時間を短縮できそうだな、と思った。そして自分の子供もこの世に生きている以上、間違いなくクソ人間に会うだろうから、そういうときに親としてどう接していったらいいか、いいヒントになった。
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誰かのルールにのっからないこと。認められるとか認められないとか、そういうことに自分の行動の基礎を置かないこと。
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私も過去の人間関係のあれやこれやから、固定化した思考パターンが身についていることを嫌というほど感じた。
人をスペックで見てしまうこと、仮想敵を作ってしまうこと。
この本を読んで、そうした自分を言語化できたことが収穫。
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小説かと思いきや自叙伝だった。
何とか最後まで読み終えたけど少し重い気分。いろいろ残念な人かな。凄く能力があるのに自分を否定して自滅してしまったようなタイプ。コンプレックスは誰にでもあると思うけど、著者はコンプレックスをコントロールできず押し潰されてしまったと思う。周りは敵ばかりの環境で小動物みたいに逃げ回っているみたい。同意できる部分は少なかった。
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リベンジマニュアル、なんて物騒なタイトルですが、そんなもんじゃない。もっと、ちょっと背中を押してくれるような、あたたかくてやさしい本でした。生きることに傷ついてる子どもたちに、ひとりでも多くの子どもたちに届けばいい。こんな本を出してくれるなら、私のなかの岩波ジュニア新書の株は上がらざるを得ないです。よくやってくれたなぁと思う。
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20151207
読み終わってなんだかため息が出ました。色々感じたことはありましたが、まず私には腸煮え繰り返るくらい嫌いな奴はいないということに気がつきました。大学はそんなに好きではない場所でムカつく子もいるけど、寝たら忘れる程度。高校時代も中間層で平和に過ごしてきたので、高校の思い出はとても良い思い出です。
なるほど、と思う部分もありましたが読んでいてそれはどうなのかな、と思うところもあり…。私は自分が変わることだって必要だと思うのです。それは自分ルールを無くすという事ではなくて…、今の自分をずっと守り続けるだけのことに価値はあまりないと思います。自分に対して理不尽なことをしてきたり、言ってきたり、どう考えてもバカだろ!という相手に対してはバッサリ切り捨てるべきだと思います。が、それを続けていると、自分を否定する人を誰彼構わずバッサリ切り捨ててしまうような気がします。自分を否定する人のことも少し立ち止まって考える必要があるときもあるのではないかと思うのです。
それから、豊島さんの高校時代が彼女にとってほとんどが辛いことであったためか、豊島さんは学校というシステムの在り方をよく思っていらっしゃらないんだなぁ、と最後にひしひしと感じました。ですが幸せな高校時代を過ごしてきた私としては、学校もそんな悪いもんじゃないと思うのです。
この一冊は、『大嫌いなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』なのでそういう意味では辛い誰かの指針になったらいいなと思います。(きっとそういう状況に自分が置かれていたら、自分が否定されたことを立ち止まって考える必要があるだとか、学校だっていい場所だ、なんて言わないと思います。)ですが、私にはそんな人がいなかったので(そのことに序盤で気がついたので)、自分も変わることだって大切だ、などという感想が生まれたのでしょうね。
途中すごくモヤモヤしましたが、多分それは自分が恵まれている証拠です。
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可愛らしい表紙イラストと相反する過激(!?)なタイトルに惹かれて、読んでみた。笑
傷つけられたこちら側が環境への適応を求められる~っていうのが、自分にも身に覚えのあることで…その悔しさに共感した。当時、私も子ども心に全然納得いかなかったから。
一体どうしてそういう結論になっちゃうのかしら。生徒の疑問に答えるのが教師のつとめなんだから、せめて納得できる理由を説明せんかい!まったく!!
もう(自分を傷つけたやつとは)二度と会わないことが復讐~っていうところに、この人の強さと弱さを感じた。
たぶん、どういうかたち(立場とか)で再会したとしても萎縮してしまって…結局、何年経ってもその相手とは当時の関係から抜け出すことはできないんだろうなと思う。
でも、だからってそれを暴力(自傷行為含む)とか第三者への八つ当たりとかで晴らそうとしないあたり、とても忍耐強い人なんだなと思った。
しかし、人生で見ればほんの一部にすぎないのに、その期間にあんなに苦しめられるとは…学校って不思議な所よねー。笑
今は、学校がすべてじゃないから逃げてもいいよね☆って思ってるけど、その世界で(しかも人生の序盤で)受け入れられなかった恐怖は大きいし、抜け出すにも勇気がいるから…辛い状況にある人に、もっと頑張れ!って受け取られるようなことを安易には言っちゃいけないなと思ってる。
ただ相手ルールに流されずに、自分ルールで生きてくこと~に、早い段階で気づければいいんだなと。
負けるが勝ち!とは、大人になったはずの今でも、そうそう素直には受け入れられないんだけどね。笑
まだまだ私も修行が足りんかな?
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中高生をターゲットにした新書は面白い。
岩波ジュニア新書やちくまプリマ—新書は大のお気に入りだ。こんなおっさんでも気楽に楽しめるし、今更ながら気づかされることが多いからだ。
でも本書は「気楽に」というほど楽しめたわけではなかった。作者が高校時代に受けた「いじめ」らしきもので受けた傷を大人になるまで引きずり続けた、苦しみと解放の記録だからだ。
いじめが起きるプロセスが生々しく、先の見えない生き地獄を追体験することになるのだが、作者が地獄から生還するに至った過程は、大人になっても他者を憎んでいる誰かに、強烈なメッセージを送ってくれる。そして彼女のアドバイスは心強い。
人間なら誰しも、なじめない他人はいつの年代にもいると思う。この私もそうだ。
でも、本書を読んで少しは元気になった。
『「誰かのルール」に乗っからないこと。認められるとか認められないとか、そういうことに自分の行動の基礎を置かないこと』
人は誰もが他人の目が気になるところがある。
でも、その他人の目に縛られる限り、自分は自由になれないよ、と作者は教えてくれる。
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】
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スクールカーストに苦しんだ人が大人になってもそれを引きずり、かりそめの成功を掴んでも苦しみ続け、そしてある意味解脱して楽に生きていけるようになった過程を綴ってくれた本。今苦しんでいる人は、少々長いが、是非読んで、生きていく糧としてほしいと思う。「そのままでいんだよ」「悪いのはあなたじゃないよ」の言葉が心にしみる。