紙の本
ゾクゾクする文章
2005/03/04 19:02
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:死せる詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀が誇る偉大な哲学者ウィトゲンシュタインによる生前唯一の著書『Tractatus Logico-Philosophicus』の全訳です。
全ての文に項番が振られ「1.世界は成立していることがらの総体である/The world is everything that is the case.」から始まる論考は、全編を通じて不思議な魅力に満ちています。ウィトゲンシュタインの語る事は難解で、専門家ならざらる僕には半分も理解できません。しかし、余りにもアッサリと「世界」を叙述してしまう、その切れある文章には何故かゾクゾクと興奮させられ、次々とページを捲ってしまうのです。
最終的に「7.語りえぬものについては、沈黙せねばならない/Whereof one cannot speak, thereof one must be silent.」で終わる論考。哲学が分からなくても詩として読む事ができます。それ程までにウィトゲンシュタインの文章は切れ味が鋭いのです。
紙の本
第一次世界大戦の頃のオーストリアの哲学者ウィトゲンシュタインによる哲学書です!
2020/05/02 09:55
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、オーストリアの哲学者(のち、イギリスの国籍を取得)で、言語哲学、分析哲学に大きな影響を与えたルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインによって、1918年に執筆され、ドイツで1921年に出版された哲学書です。当時は、ちょうど第一世界大戦の最中であると同時に、学問の世界では、論理哲学が勃興しつつあった時代でした。そのような状況において、彼は、同書によって哲学が扱うべき領域を明確に定義し、その領域内において完全に明晰な論理哲学体系を構築しようと志した一冊です。実は、この『論理哲学論考』は、彼が生前に出版したただ一つの哲学書であり、かつ前期ウィトゲンシュタインを代表する著作なのです。
投稿元:
レビューを見る
「語りえぬものについては,沈黙せねばならない」というあまりに有名な言葉で幕が閉じられる哲学書です。本書中盤にて繰り広げられる論理学の部分は、あまりに専門的な言葉が多すぎて理解するのが難しいのですけど、純粋な思考の過程に触れられるというそのことだけで、精神の曇りを綺麗に洗浄されるような気になれます。僕の思考の基礎となっている本です。
投稿元:
レビューを見る
「語りえぬものについては,沈黙せねばならない」かっこいい言葉だと思います。
内容は難しいですが読みやすくさっぱりとまとまってます。難しいのでなんともコメントしにくいですね…
投稿元:
レビューを見る
俺ってカッコいいよな。
なんたって、「論考」持ってるんだもん。
これで女にもてなきゃ人間辞めろ、っていうぐらいの本。
俺がこの本の表紙をみせるだけで、たいていの女はウットリ俺をみつめ、「語りえぬものについては,沈黙せねばならない」なんて耳元でささやこうものなら、100%おちる。
そんなもんだよ、この本は。
投稿元:
レビューを見る
「語りえぬことについては沈黙せねばならない」
ウィトゲンシュタイン前期の代表作です。激難解な本です。これを理解するには膨大なバックボーンが必要でしょう。
投稿元:
レビューを見る
烏兎の庭 第一部 書評 6.13.04
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/ronkoy.html
投稿元:
レビューを見る
とってもよい本です。でもこの書き方は気が狂っていらっしゃる。慣れていくと読みやすいと思ってしまう自分が怖い。
野矢さんの解説が非常にわかりやすい。
投稿元:
レビューを見る
いまさら説明するまでもないかもしれない。天才ウィトゲンシュタインが生前刊行した唯一の哲学書。ウィトゲンシュタインについてはいくつもの逸話があり、彼の哲学における『論考』の位置づけも多種多様だが、いかなる立場からであってもじっくり取り組むべきテクストだと思われる。本書は哲学的諸問題を、その思考不可能性を示すことで解決するという構想に基づいているらしい。それについての評価は専門の研究者ではないのでわからないが、議論の形式はカントやヘーゲルの著作より厳密で読みやすい。もっとも、それは「わかりやすさ」を意味しないが。
投稿元:
レビューを見る
物理のアインシュタイン、現代思想のウィトゲンシュタインなどと称されたこともあったほどの天才の著作。のちに著者本人によって本書の内容が否定されるのであるけれど、何を言っているのか少しでも理解できれば、興味深い内容となっているのではないかと思う。野矢茂樹氏の解説が、わかりやすく噛み砕いてくれているので、なんとなく理解できる。理解できた気にはなれる。それでも理解できない場合は、「沈黙せねばならない」。……いや、軽い冗談だが。もしかすると、何言ってんだコイツは?と、開いた口が塞がらなくなって、沈黙しているかもしれないが。これも冗談だ。
投稿元:
レビューを見る
ウィトゲンシュタインが生前刊行した唯一の著作。4.002、4.003(かの7の次に有名な箇所。哲学的命題や問いのほとんどは誤っているのではなくナンセンスなのである)、4.27、5.143、5.61、5.62、6.45(スピノザを念頭に置いた記述)に印がつけてあったが、さすがにもうほとんど内容を忘れてしまっている。ちくまの『青色本』に手をつける前に再読せねば。
投稿元:
レビューを見る
理路整然さが堪りません。
構成もすっきりしていて…すっきりしているが故に、この思考を足がかりに、深く考察することが出来るんだろうなってそう思いました。
投稿元:
レビューを見る
言語の限界、思想の限界、限界の限界に迫る!…本だったような。筆者も語るように、普段、誰もが感じるような感覚を明快に論じてみせた!…んだと思う。
投稿元:
レビューを見る
哲学や論理学のバックグラウンドが無いため難解だったが、訳者の野矢茂樹氏の解説が分かりやすい。同氏による解説本もあるようなので、早速そちらも読んでみよう。また昔読んだ土屋賢二先生の「ツチヤ教授の哲学講義」も改めて読んでみたい。これから一つ一つ理解を積み上げつつ味わいたい。2008/02/11読了
投稿元:
レビューを見る
論理学で有名な野矢茂樹の訳、良訳。
解説もいい。
本文もかなり簡潔に書いてあるんで、大して分かって無くても分かった気にさせてくれると思うwww
論理学で言葉と世界の限界に挑む本、みたいな感じでしょーか。
言葉で表せる以上答えがあり、そこが言語の限界である、とか。
6章の後半からの本気っぷりが異常。
ワタシャ大学で論理学ある程度かじってたから少し取っ付き易かったけど、解説見ながら読めば未経験者でも全然いけるんじゃないか?
繰り返しになるけど、それほど解説が良い。
その訳・解説の秀逸さでAA。
まぁこんなに褒めちぎってるけど、ぼかぁ解説無いと読めませんでしたよっと^^