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文章のリズムが最高。勿論、成功の陰に妬み・裏切りがあり、最後に『人間に出来る事は、自分がやってきたことに満足するだくなのだ』との結論に達する物語も良かった!
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辻静雄の物語。本物を知り、それを広めることのみに情熱を傾けた人物として描かれている。成功譚としても読め、どくごはとても清々しい。作者の淀みなく、簡潔に言い切る文章も内容に一層の魅力を与えてる。海老沢泰久の中で一番すきかも。
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辻静雄(大阪あべの辻料理専門学校)を書いた本
世界中の料理を味わい尽くすには、財力、健康、時間、優れた味覚、理解者が必要とする 私の知らない料理の数々が紹介されている 齢を考えれば、機会はすくない 楽しみにしている
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辻調の社長が、日本一に成長させた軌跡の物語。一つの本物のフランス料理を日本に広めたいという思いのもと、行動することで、多くの人の協力を得て、成功した物語だった。
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日本にホントのフランス料理を 広めたオトコの物語。
なんでも 最初に行うということは、大変なことである。
食べるという行為が
文化まで高めることが 本当にできるのか。
「結局 人間にできることは、
自分にやってきたことに
満足することなのだ」
辻静雄の優れている点は
1 歴史的に物事を追求しようとしていること
なぜか?
2 具体的で 実践的であること。
わかるまで、こだわる。
3 味覚へのあくなき追求。
手間を惜しまない。
常に追求する。
4 本物を追求すること。
本物にあうこと。
「すばらしい人たち」に
あうことと その人たちから学ぶこと。
おなかがすいたから食べる人間と味をかみ締めながら
楽しんで食べる人と厳密に区別する。
人間を見る目が大切。
コックほど 料理を知らない人間はいない。
そこに ガストロノミー という科学が成立する
わずかな余地がある。
一流の味を理解する。
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文句なくおもしろい。 この本に出会えたことに感謝。
へたなベンチャー本よりも熱くて面白い。
フランス料理がこれほどに普及している裏には、 こんなにも熱い思いがあったとは。
料理を食べるときは、もっと真剣に食べなくてはと強く感じた。
料理をつくるのが好きな人。
料理を食べるのが好きな人。
全てに読んでほしい本。
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著者:海老沢泰久(1950-2009、茨城県、小説家)
解説:向井敏(1930-2002、和泉市、エッセイスト)
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「辻調」こと辻調理師専門学校の経営者にして、日本に〝本物のフランス料理〟を広めた伝道者、辻静雄の半生を描いた伝記風味の物語。
プロの料理人でもない男が、なぜ〝フランス料理の最高の理解者〟としてキラ星のごときフランス料理界の重鎮たちから慕われ、信頼されえたのか? それは、稀有な「舌」と「探究心」をもつ辻の存在を、彼らが〝ガストロノーム〟として認めたからにほかならない。そこに、料理人と〝ガストロノーム〟と呼ばれる客とのハイレベルな〝共犯関係〟によって栄華を極めてきた、フランスの食文化の奥深さを垣間見ることができる。
実在の人物を取り上げつつ、おそらくはかなりフィクションの要素も多いと思われるが、まるで運命に導かれるように辻静雄が料理の世界へと引き込まれてゆく様は、読んでいてワクワクする。著者のストーリーテリングの巧みさだろう。
高度経済成長前夜、世界へと飛び出した日本人のサクセスストーリーという意味で、小澤征爾の『ボクの音楽武者修行』にも通じる爽やかさも。子供のころ、テレビで『オーケストラがやってきた』や『料理天国』を観るのを楽しみにしていた世代には絶対に手に取ってほしい一冊。
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宮脇彩さんの好きな本としてあげられていた。
タイトルは同じだけど、この本なのか?
辻静雄さんの人生をモチーフにした小説とのこと。
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「熱意」それこそ全て。開拓者はいつだって辛いのだ。
本当の味を知らなければいけない立場になるべく奮闘したばかりに、自分自身は味わいを理解出来るのに「愉しむ」ことが出来なくなるというパラドックスが実に印象深い。
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辻調理師専門学校の創設者、辻静雄氏の半生を描いた作品。
私たちが日本にいながらおいしいフレンチを国内で食べることができるのは、この人の探究心と研究意欲のおかげだったのかーと思い知ることができる。
フレンチに限らず、国内における料理人のあり方や存在価値を変えてくれたのもこの人かもしれない。
この作者の本は初めて読んだのだけど、全体的に簡潔でクセがなく、スムーズに読めた。反面、辻氏の内面的な部分の描写は少しブレがあるように思えた。辻氏について詳しい知りたいならやはりご本人の著書を読むべきかな。
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これはお得な拾い物。
冷徹な描写は料理というある意味嗜好性の強い題材には相応しいと思う。貧乏舌な当方からすると、フランス料理は美味いとは思えませんが、それでも魅力的に見えるのだから、本作の吸引力が窺い知れる。
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辻静雄がつくった辻調理師学校が舞台。
伝記小説になるのかな?
20年以上前の本だけど、そんなことは感じない。
文章も読みやすい一冊。
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本当のフランス料理を日本に持ち込んだ辻静雄氏の半生。彼以前は、西洋料理だった。
味も想像できないような魅惑的なフランス料理の数々が出てきて、一生のうちに一度は食べてみたいと思った。
ポールボキューズ、マキシム、ジョエルロブション…その世界の巨匠と呼ばれる人々と親しくなって色々助けてもらったのも、彼が真摯に「フランス料理を日本に広めること」に向き合っていたからこそ。会って少し言葉を交わせば、そういったことって伝わるのかも。彼がフランスやアメリカで、行く先々で親切にしてもらったのは、単に運が良かったから、というだけではないはず。
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大学での恩師・海老沢先生の作品。
有名な辻調理学校の創設者としても知られる辻静雄の生きざまに迫ったドキュメンタリー小説。
海老沢作品といえばスポーツ系のノンフィクションが多く、感傷的な言い回しを控えながらも、リズムがあって判りやすい文章と綿密な取材によりキャラクターの感情にぐいぐい引きこまれるような凄みが共通してあると思う。
2009年に先生が亡くなられた時には、親交のあった丸谷才一氏が
「率直かつ簡潔で、まるで“斥候兵の報告文”のような文体に、それまでの日本の娯楽読み物にはない筋の良さ、高級さを感じた」などと語っている記事をみたが、この作品でもそれは変わらない。
温かみを前にだして表現されがちなイメージのあった料理というモチーフに、淡々とした文章から引き込まれるドラマが仕上がっているところにユニークさがあり、夢中になって読めた。
ちなみに、海老沢先生は大学では学生の文芸指導を行っておられた。
講義以外でも学生に積極的に関わってくださり、教え子からはプロ作家も輩出した先生のエピソードを話せばきりがないが、そんな海老沢先生の魅力を堪能する上で外せない名作だと思う。