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紙の本
万城目氏の文才爆発!
2017/02/15 08:27
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tacque - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの万城目氏の作品とは完全に切り離された読み切りタイプの1冊!
そして別作家の作品の続編などを想像して書いた短編集の文才に感激でした。
彼らの作品の世界観を一切変えず、続編が描かれた作品集に感動も覚えました。
万城目ファンだけでなく、中島敦ファン、李白ファンにも是非読了いただきたい本でした!!
紙の本
渾身の脇役学
2017/04/04 00:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
沙悟浄がクールに眺める猪八戒。ただの怠惰なブタが秘めている生きる哲学。
覇王項羽に寵愛される虞美人。四面楚歌の中、自分が正妃の身代わりとしてあてがわれた女だったと知ったときの矜恃。
記伝体で歴史を著した司馬遷。屈辱に満ちたその人生を激しく再生に導いた娘。
中国古典を素材にしながら、どの短編も粘り強く誇り高く生きる人間の姿を描いていて、胸を打たれる。
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おふざけなし、万城目さん渾身の一作
2017/01/29 00:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:RASCAL - この投稿者のレビュー一覧を見る
「悟浄出立」「趙雲西航」「虞姫寂静」「法家孤墳」「父司馬遷」、中国の故事を題材にした万城目さんの歴史小説。森見さんの「山月記」のような、または「悟空の大冒険」的な二次創作ものを想像していたら違った。
もっと全然シリアスなものでした。失礼ながら、万城目さんの中国の古典に対する意外な博識にびっくり。
表題作の他、「趙雲西航」は、あの三国志の英雄、趙雲が遠征の船上でみせる望郷の念がテーマ。
「虞姫寂静」は、四面楚歌に陥った項羽の愛妾・虞美人のプライドと命を賭けた情念、
「法家孤墳」は、燕の刺客として始皇帝の暗殺を試み、惨殺された若き法家と、その法治国家という理想を受け継ぐ若き官僚の熱い志。
「父司馬遷」は辱めを受けながらも祖父から受け継いだ文献を守った父・司馬遷に対する娘の想い。
私は「虞姫寂静」「法家孤墳」が好き。
紙の本
読了
2019/12/30 00:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中島敦をイメージしたという短編集。勝手な偏見だけど沙悟浄って西遊記の中で1番影が薄いというか…そんな印象があったので、沙悟浄にフォーカスした作品で面白かった。思わず絵が浮かぶようなシーンで、もっと読みたい気持ちにさせられた。他の話も、中国小説だけれども現代人に読みやすい書き方がされているから、中島敦と違って、注を見ながら進む心配がなくてよかった。中島敦は山月記のイメージが強いから、西遊記の話を書いているなんて驚きだった。中島敦の作品も読んでみたくなった。
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なかなかいいんじゃない。
2017/01/13 00:46
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国史に全然馴染みがないながらも、そこそこ楽しめた。ということは、西遊記とか三国志とかちゃーんと読んでいる人にはもっと楽しめる作品なんでしょうね。三国志の話はよく掴めなかったけれど、それ以外の4作品は理解しながら読むことができ満足。一番はタイトルにもなっている『悟浄出立』かな、孫悟空、猪八戒、三蔵法師に沙悟浄、名前を知ってるだけでも強みだ。幼い時のテレビや絵本がここで生きてくるとは思わなんだ。悟浄に光をってふれこみだけれど、猪八戒がメインになっていたような、ないような。孫悟空の最後の台詞はしびれるね。