紙の本
私はこの療養所に入院するのは嫌だな
2019/01/26 21:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この療養所での主人公・カストロプの生活を描いたこの作品のタイトルが、なぜ「魔の山」なのか。読んでみてわかった。出ようとしても出られない、出ようと思うと主人公のいとこヨーアヒムのように送還されてきて死を待つしかない体になるか、主人このように出兵するしかない。もちろん、無事に退院できた人もいることにはいるのだが、ほとんどの人には死神しか退院を待っている人がいない。会えばいつも論戦するセテムプリーニとナフタ、人間ができているペーペルコルンもこの療養所で体を悪化させている。WW1前の話だから死ぬと決まっているものは必ず死ぬものかもしれないが、何かこの山の療養所は不気味だ
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「風変リナ可愛イ夢想家」(693頁)にして、「上品デ善良ナ坊チャン」(701頁)にして、「小市民」(704頁)の何たる
2024/05/02 23:36
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎月楽しみなNHK「100分de名著」の今月の課題図書。予断を避けるため、カバー裏の梗概も番組テキストの中味も一切読まず、一切の情報を遮断して、まずは上巻を読了。正直云って、なんじゃこれという感じですね。なぜなら、内容そのものは、ただ一文にして要約できるので。(例えば、健康で初心な主人公が療養所にいるいとこを三週間の予定で訪ねたところ、自らも罹患していることを知り、時を同じくして人妻に懸想してしまい、謝肉祭の夜(ワルプルギスの夜)に告白するも、見事に一蹴されてしまう、という感じでしょうか。)ある種、名状しがたい一書ですが、これから下巻と向き合います。
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形容に形容を重ねる描写はヨーロッパ的。論理的過ぎる描写には情緒に欠けるという批評もあるが、このガチャガチャ感に独特の情緒を感じる。
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中学の時、友人から誕生日プレゼントに頂きました。一言で語りつくすことが出来ません…。マンの作品は人物表現も秀逸だが、『ベニスに死す』にしろ情景描写とそこへの投影が素晴らしい。セテムブリーニやらに流されつつ一読しましたが、一冊の本として大きな模様が完成されていて一つ一つの文がこれほどまで完璧に精微に編込まれている作品はこれ以上には存在しないと思います。ただ読んでいると少し息が詰まります。マンなどのドイツ文学を読んでいるとフランス文学のエロティックな抜け落ち感が恋しくなりますよね…。
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上下巻。
ハンス・カストルプとは、真夏のマンションの屋上で邂逅した。うだる熱気に晒されながら魔の山を彷徨したものだった。
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ドイツ文学の三大名作の一つ。他の二つ、『ファウスト』、『ツァラトストラ』はもう読んでいたので、最後の砦です。文庫本でもかなりの重さですww
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思ってたよりガチガチの内容じゃなかったです。上巻は気軽に読めます。でも下巻はちょっとハードだったかな。脳みそが沸騰して何度か挫折しそうになりましたが、不思議と時々読み返したくなります(初めて読んだのは高校生の時。そして一度処分して、やっぱり読みたくなって買い直した)。スケールの大きい討論が繰り返されているのと、「死」が色濃く出ているので、小さなことで悩んでいる時に読むと効きます。でも、あのラストには納得がいかない…。あまりにもあっけなくて…いや、でも、あっけないから「こそ」ってことなのかな。
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10年以上前に読んだのですが、難しいことはわからなくても雰囲気が大好きで、何度も読み返した記憶があります。おそらく私にとって読みやすい文体だったのと、当時自分が療養生活を経験していたので共感する部分も多く、退屈しないで読めたのだと思います。サナトリウムでの療養生活の細かな描写や、そこに集う人々の人物描写が面白いと同時に興味深かったです。今読み返すと全く違った感想を持つかもしれません。ちょっと気力が持たなそうですが…
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ずっと前に購入しながら、数回はチャレンジしましたが途中で挫折しっぱなしでツンドク状態でした。それがふと急に今度こそ読破しようという気になり、ブクログ登録第一号となりました。未だスタートしたばかりです。応援してください。
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第一次世界大戦が勃発する数年前、スイスのダボスという町のサナトリウムにいとこを見舞うために訪れた青年、ハンス・カストルプ。ところが彼も肺を病んでいることがわかり、いとこといっしょにこのアルプス山中の療養所「ベルク・ホーフ」で過ごすこととなります。第一次世界大戦が始まるまでの7年の間、療養所で出会うさまざまな人間、事件、思想に影響を受けながら、ハンスは自己を形成していきます。哲学的でありながらユーモアもある、教養小説の傑作です。
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内容はとても面白い。ただ一度読破しただけでは少し理解に欠けるかもしれない。
言い回しにセンスがあるなぁ とか思いながら読破。純文学好きなら一度は読んでおいても損のない本。
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時間とは何であるか?
生命とは?有機体とは?
人類、人種とは?病、死とは?
愛とは???
人文の総体みたいな本だな。面白い。そして長大!下巻が待ってる…
シリアスがコメディで、コメディがシリアスっていうね、表裏一体。悲劇も遠くから見ると喜劇ってやつですか。
話の舞台が舞台なだけに、ブラックユーモアもちらほら。痛快ですらある。
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大学に入ったばかりの自分の写し絵を見ているようでしんどい、とだけ。
知性に囚われて肥大化した自己? 他者の不在? みたいに読んでしまう。
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全2巻。ドイツ文学・教養小説の傑作。主人公のハンス・カストルプは、いとこを見舞う目的で訪れた結核療養施設で三週間の滞在を予定していたがいつの間にかそこが彼の安住の地となる。下の世界とは隔絶された施設での平穏な、しかし生と死が絡み合った濃密な生活の中で彼は時宜を得た教育者によって哲学的な思索を深化させ、自己形成を図る。そして物語のどんでん返しはまさしく晴天の霹靂のごとく訪れた。この小説の世界にはドイツ的気質が横溢しているように思われる。一言でいえば堅苦しく、展開される思想は難解で読みすすめにくい。だがある場面においては、特に数少ないショーシャ夫人と主人公との間に交わされる会話の場面ではあたかも眼前に無限の時間が流れているかのように没頭してしまう。ラスト数ページで展開されるどんでん返しの場面においても然りである。傍観し続けた主人公の人生は悠久の歴史の中に収められるようでもありまた一瞬の刹那の出来事のようにも錯覚される重厚感にあふれる小説である。
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時々思想部分が難しく読みづらいところもありますが、それでも不思議と話に吸い込まれて夢中になって読めました。
下巻も楽しみ。