紙の本
汲めども尽きぬ「ヘンな論文」ワールド
2017/12/31 21:40
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作『ヘンな論文』で学術論文の味わい深さを垣間見せてくれましたが、本作でもパワーダウンすることなく、独特の世界観を展開してくれます。
一本目「プロ野球選手と結婚する方法」から、とても卒業論文とは思えないレベルで研究という人間の営みの「業」の深さを味わわせてくれました。
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研究を世に問うていく力
2017/08/04 23:34
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回のメインである海事研究の著者インタビューにあるように、研究者の役目に自己の研究を世に問うていくことも必要なのだと教えられた。オタクであることが肯定されるようになった現在、もう一歩進んで、ユーチューバーのように、自分の研究成果を気軽に発表することも積極的になされねばならないと思った。
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ヘンでためになる。
2017/07/08 17:03
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二弾ゆえのパワーダウンが少々あるが、やはり研究者の目の付け所の素晴らしさは変わらない。
『「坊ちゃん」と瀬戸内航路』の章はなかなかここまでの考察は難しいと思われるし、船に対する論者の偏愛が伝わってくる。
都市伝説好きには、『「追いかけてくるもの」研究』や『前世の記憶をもつ子ども』がオススメ。地味に真面目に追及されている。
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研究は面白い。
そして、研究機関に所属しなくても続けられる。
一見、どう見ても役に立たなそうな研究も50年後、100年後に日の目を見るかもしれない。
細々と自分の興味があることを調べている私にはとても応援になる一冊でした。
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<目次>
1本目 プロ野球選手と結婚する方法
2本目 「追いかけてくるもの」研究
3本目 徹底調査!縄文時代の栗サイズ
4本目 かぐや姫のおじいさんは何歳か
番外編Ⅰ お色気論文大集合
5本目 大人が本気でカブトムシ観察
6本目 競艇場のユルさについて
7本目 前世の記憶をもつ子ぢも
番外編Ⅱ 偉大な街の研究者
8本目 鍼灸はマンガンどれだけ出てくるか
9本目 花札の図標的考察
10本目 「坊ちゃん」と瀬戸内航路
10本目 「坊ちゃん」と瀬戸内航路その2
<内容>
学者芸人サンキュータツオの『ヘンな論文』第2弾。通常は第1弾は当たっても第2弾は大概レベルダウンするのだが、この本は読み進めるうちに前作を超える内容に。特に10本目の「坊っちゃん」と瀬戸内航路、の記述は泣かせる。そのまとめは、「教養」を身につけるためにもう一度大人も勉強しよう!という話で、興味深い。
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「論文とはエンターテイメントである」ということを10本の論文でもって教えてくれる内容。タツオ氏のツッコミ目線も丁度良い匙加減で、肩肘張らずに楽しく読める。そして最後には「誰しもが自分の好きなことを研究し続けていけば良いんじゃないか?」という鋭いメッセージも込められてたりする。
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どうしたって直接確認しに行くことができない過去、未来、遠い宇宙について研究している人たちの想像力と探究心には、本当に頭がさがる。だって「考えても無駄じゃん」という周囲の声を聞いていながら、それでも考えずにはいられない好奇心をむき出しにしてくれている。率直にいって、カッコいいという言葉しかないのである。(p.47)
考えてみれば、いま現在にもりんごやみかんといった果物には大きさの差はある。だが、特別なときに使うものは、出来が良くて大きなものになるだろう。もし何千年後かに、現代の六別のりんごやみかんが発見されたら、「この時代のみかんはこれくらいの大きさ」と、たまたま見つかった大きいみかんを、現代を代表するみかんだと思われても困るだろう。いやいや、小さくても甘いやつとか、いろいろあるんだよ、と。こう言う想像力が働くところも、学者のすごいところだ。(p.58)
想像してほしい。スマホもネットも存在せず、人口もいまほど多くなく、車や電車もなく、移送は馬、遠出をするなんてかなりの労力であった時代。そんな時代の関心事は、恋愛、家族の成長、そして季節の美しさ。そんなところだ。冷房も暖房もない。テレビもラジオもない。音楽も生演奏しかないし、料理もすべて手作りだ。(p.63)
和歌や日記、そういったものから、当時の人たちがなにを考え、どういう気持ちを込めたのか、それを大の大人たちが、かなり真面目にこうじゃないか、ああじゃないかと考えているのだ。そんなに昔の人のことじゃなくて、いま隣にいる私のことを考えて、と研究者の奥さんたちがいっているかもしれないが、1000年前の人が考えていたことを受け取るのは、1000光年先の宇宙人が考えていることをキャッチすることくらい、ロマンのあることだ。(p.72)
郷土史家ってどの市区町村にもいるものだ。自分の生まれた場所やルーツを徹底的に調べていく人間。そういう人の面倒くささたるやないのだが、しかしそういう人がいないとその土地のことは50年前のことすらまったくわからなくなってしまうのだ。(中略)この本を読んだ人には、ぜひ人生をかけた研究テーマをひとつはもってほしいということだ。「えー、無理無理」と思うかもしれないが、だれでもできるのである。世の中にやっている人がたくさんいることでもいいし、それで一番にならなくてもいい。
「こんなところに片手袋が出てましたよ」という情報提供者になってくれたらいいのだ。それも研究に携わっていることにはちがいないのだ。(p.166)
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前巻の『ヘンな論文』よりも確実に語りが上手くなっている・・・お、面白い…。
どの論文も目の付け所がやっぱり一線を画しているよなあ…。
そしてまさかタツオ氏がまだ「親指からロマンス」を未読だったとは…読んでよタツオ…面白いよ…。
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続編、ということらしいが前編は読んでいない。
大学生の論文も含まれているとは思わなかったが、全般的には、そこそこ面白かった...。
何でも拘って徹底的に調べ・考え・数値化したり一覧化するなりして”見える化”し、考察を加えられると、題材が”バカバカしいな...”と思っていたものでも妙に感心させられる。
最後に紹介されていた論文は、ヘンと言うよりは”素直に凄い”モノだったような気がする。
ただ、在野の(大学とか研究所などに属さない)研究者がここまでやりました!・やってます!ってのは、やっぱり凄いというか、人様々だなあと思う次第。
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2017/08/26読了
論文は、自分が学問の上で主張したいことを、ほかのだれかの邪魔が入ることなく、自由に提唱することができる
いわば自分の王国である。
学生時代に読んでいたならなあ。
いやいや書くのはとってももったいないもの。
それにしても面白かったり、なるほど!それがあったか!と思うものもあったり。
目からうろこ
着目するところで、大いに化けるものもありで
学問の面白さは限りないのだと知らされる。
決められたことではなく、もっと自由に考え、調べてもいいのだ!
論文における「楽しさ」を教えてくれる
面白い本でした。
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素朴な「なぜ?」「どうして?」から研究が始まっているんだということがよくわかる一冊。卒論に悩んでる学生さんがいたら、読んでみたら刺激になって良いんじゃなかろうか。
著者の文章力のおかげもあり、元の論文の面白さがより面白く伝わってくる。紹介されている論文も読んでみたくなった。
十本目その2「『坊ちゃん』と瀬戸内航路 後日譚」で書かれているように、①調べる(調査)、②形にする(論文化)、③発信する、の③までが研究者の仕事だというのは、激しく同意。仕事は違うけど、自分たちのやっていることを社会にどう発信すればいいのか考えさせられた。
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楽しい本だ.論文には査読という過程があることは,あまり知られていないが,それにより内容的にも,価値が出てくる.小生も英文で10本位の論文を発表しているが,それぞれの論文で査読者はどんなコメントをしたのか気になる.一番面白かったのは,今消えつつある昔の町のほっとするような雰囲気が,競艇場に現在残っているのではないかという考察がある「競艇場のユルさについて」だ.このような考察を引き出す努力は大いに評価されるべきだ.漱石の船旅を詳細に調べた山田先生の弁,"東アジアで国立の船の博物館がないのは,北朝鮮と日本だけだ" には考えさせられる.
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前作よりややインパクトに欠けるかな。
でも中学生の論文は良かった。メロスの全力が時速2.7キロとは。かなりのインパクトだった。競艇場と前世の記憶もなかなか。
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今回も「はぇー」と声が出そうな"ヘン"な論文のオンパレード。
ところどころ入るタツオさんのツッコミも、ラジオで聞き慣れてるお馴染みの口調っぽさまんまの描写。
そのせいか文章が終始タツオさんの声とトーンでバッチリ脳内再生されてしまいました。
ラジオで聴いて気になっていた「『竹取の翁』の年齢考察」&「プロ野球選手と結婚する方法」(二つとも大学の卒論なのがビックリ!)がじっくり読めたのもよかったけど、今回は「仰向けになったカブトムシ 」が一番印象に残りました。ただの面白実験かと思ったら、ダーウィンが100年前にとった手法をあえて用いて検証しているとは!
それにしても在野の研究者の皆さん、熱い!
学術を生業にしているわけではないのに興味あることへの探求心の深さ、そしてそこに伴う行動力に感服です。素晴らしい!!
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楽しかった!
自分も含め、大学の卒論は
くだらないものがほとんどだけど、
山田先生の漱石に関する論文や
汽船に関する熱い思いには感動した。
知り合いには理系が多いけど、
彼らの研究も行ってみればすぐに役に立たなかったり
どうでも良い方向に行ってるように見えるのが
大半だけど、
だけどやっぱりだいたいの人は研究が楽しいと
幸せそう。
大御所で引退した先生たちでも、
時間ができたから研究するとか
趣味は研究とか、計り知れない。
そこまでアツくなれる対象が
まだ見つけられないわたしには、
そんな研究者が羨ましい。
そういや前世のやつは最近ムーで読んだぞ!