人間の本質に迫る
2020/05/07 09:30
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
遺伝と環境によって形成されていく、人間の深層心理が興味深いです。意識や心の存在にも懐疑的で、とことん科学的な見地に拘っていました。
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行動主義とは、科学が扱うべき対象を客観的に観察可能な行動に限るべきだと考える立場である。
また、行動は遺伝と環境、および個人の経歴によって決定されると考える。言い換えると、行動主義の考え方では、人間が自分の意志で判断や決定を行うとは考えない。
もちろん批判もあるが、マネイジメントも、人を観察するときも、この基本的な考えをもとにして良いのでは、と思う。
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恐怖は学習により獲得している。白いネズミと遊ぶ赤ちゃん。ネズミに恐怖心はない。白いネズミがあらわれると同時に金づちを叩いて大きな音を出す。不快感を起こさせる。すると、赤ちゃんは白いネズミを見るだけで恐怖を感じるようになる。学習によって獲得できるなら、消すこともできるはず。それが行動療法。
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この初版本が出た時は画期的な内容だったんだろうな、と思う。「サピエンス全史」でも思ったが、人間は他の生物と違い自ら考え自己の言動を決定できるのだ、というある意味思い上がった考えを根本からひっくり返しているようなもの。一方で、行動療法でトラウマや恐怖心も塗り替えられるという期待も生まれるだろう。
……とはいえ、さすがに古いだけあって、そこかしこにナチュラルな差別的表現が転がっていたり、介入研究が今なら倫理的に実施できない内容であったりが豊富に含まれている。とにかくそういう時代的なギャップにも衝撃を受けた。