紙の本
一晩の話とは思えないくらい濃密
2023/06/27 08:49
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹の他作品よりは読みやすかったように思います。私は今でも深夜にひかれます。幼い頃、終電電車に乗れば別世界へ行けるのではないかと信じていた時と同じように。終わりと始まりを感じられる時間だからでしょうか。
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気張らずに読める作品
2021/03/14 21:48
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は2004年に発表されたもので、「海辺のカフカ(2002年)」「1Q84(2009年)」という彼の代表作と言われている作品に挟まれていて彼の作品としての知名度はそう高くないものかもしれない。「私たち」という謎の一人称複数の視点(村上氏の言葉を借りるとタイムトラベラーのような不可侵で中立な立場)からマリ、エリ、高橋、白川、カオルを観察するというストーリー。高橋に対する作者の表現が面白い。「とくに目立ったところはない。ごく普通の青年だ。道に迷った性格のいい、しかしあまり気の利かない雑種犬のような雰囲気がある」、ほんと作者らしい、なんのこっちゃと思ってしまうが、でもなぜか納得してしまう。長編と言っても文庫で300P足らずのものなので、気張らずに読める
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村上春樹氏の新しい小説の出発点がここにあります!
2016/08/13 10:16
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、村上春樹氏の特徴をよくとらえた長編小説です。時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいました。その彼女にある一人の男が近づいていきます。そして、その同時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえています。新しい小説世界を目指す村上春樹氏の出発点がこの作品にあるように私は感じています。
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「ゆっくり歩け、たくさん水を飲め」 日付が変わる少し前から太陽の陽射しが街をを包み込むまでの間に、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。さらに新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編小説。
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彼女は言う、「それで思うんやけどね、人間ゆのは、記憶を燃料にして生きていくものなんやないのかな。・・・・」-コオロギ
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村上春樹の長編では初めての三人称。昔の作風とは全然変わったけれど、根本は同じなんだなぁと。コオロギさんの台詞がよいのだ。◆深夜、コンビニで朝まで時間を潰す少女と、何日も眠り続けるその姉。そして起こる不思議な出来事。それでも夜明けは必ずやって来る。
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三人称とまるで映画の脚本のような情景描写。やさしい台詞はそのままに、村上春樹は新しい表現方法を作り出そうとしているように思えます。
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闇の深さというのは 連続してあるものなのだ。
そして 光 もまた それに連続してあるものなのだ。
わたしたちは そういう世界で生きている それだけのことがこんなにも 意味 を含んでいるなんて、
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読み終わり、えっもう終わりと感じた。
世界観が独特というけれども、これはちょい気になった。
斬新で画期的な技法なのかもしれないが。
けれども登場人物の会話は結構好き。実際にこんな会話なんてなかなかできない。知的すぎでしょ。
ジョークや例えがうますぎる。どこかアメリカチックな会話。
でも、ここまでの伏線を放置したまま終わりってのは納得がいかない。白川は?結局エリは?
結局一番驚きだったのは、作中のガソリンスタンドshellが家から激近(徒歩1分)だったってこと。
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ブームに乗って村上作品デビュー。流石日本を代表する作家だけあって言語感覚の鋭さがすごいと思った。いつも読む小説とタイプが違って新鮮、かも。
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村上春樹の最近の作品を読んでなかったので読んでみた。
時間軸を明確に区切っていくつかの物語が平行して進む。
夜の世界に蠢くいろいろな世界を描きながら
夜の闇から朝日の祝福への移り変わりが人の心と重ねられていて
始まりの予感を感じさせる作品になっていて
村上春樹の中では分かりやすい作品かなと思う。
けど、なんか物足りない感じ。
長さの割りに密度を感じないし淡々としすぎている気がする。
また時代設定がリアルタイムなんだけど
時代の持つ雰囲気ってその後の世代の評価によるところが大きいから
一部の人が感じている現代性だけしか表してなくて
今後の時代評価によっては風化しちゃうかもって感じもする。
もっともっと時間が過ぎて今が過去になった頃にもう一度読んでみたい。
ちなみにスガシカオのバクダン・ジュースが出てきて
スガシカオがインタビューで喜びを語ってたので
スガシカオファンは必見でしょう(笑)。
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それぞれの幕間にアナログの時計が記されて、時間が進んでゆくのがわかる。
今、どこで、誰が、何を。
アフターダークの世界を自分の中で組み上げて、場面を貼り付けてゆく。
不思議な世界観。テンポが激しいわけではないのに、ドキドキしたり、不安になったりした。そして、じっくりと考えさせられた。
読後、ここで終わりではないという“終わり”に好感を持った。
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んー。途中は読んでて面白かった。けど、思わせぶりすぎでしょ。何かありそう、何があるんだ・・・と散々思わせといて、何にも無い。
ストーリーの流れどうこうよりも、細部にこだわる人なんだろうけど、これはちょっと何にもなさすぎる。読度の感想は、ハウルの動く城といっしょ。なんじゃこりゃー
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死とセックスが出てこない作品としては村上春樹ではかなり珍しいと思いました。。。
だからかなぁ、なんとなくハルキらしくないんですよ。この作品。
違う作家の作品を読んでいるような感じ。
視点も一人称じゃないし。。。
メインが女の子だし。
でも、この作品はこれで成り立っているような気がします。
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一日のなかには昼と夜があり
それと同じように
人の心にも昼の部分と夜の部分がある。
陰と陽、表と裏、男と女
すべてのことは二つで一つだ。
この物語はその夜の部分を指す方
陰であり裏である側(男と女ではどっちなんだろう)
そこをテーマにし
それは確実に存在しているものなんだ
ということをいいたいんじゃないかと僕は思う。
心の表の部分は自分で意識しなくても
それが自分の意識だと認識できるけど
心の裏の部分
心の闇の部分も間違いなく自分自身のものなんだと
そういうことなのだろうか。
さすがにすべてを理解することはできなかったけど
読んでいてついつい引き込まれてしまう
ちょっと不思議な小説でした。