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冷静で思慮深い、稀有な政治家だったと知る
2017/07/22 11:55
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日本はミドルパワーとして、東アジア共同体の中心的プレイヤーになるべきだ」という提言。「東アジアに多国間の安全保障の枠組みを作ることで、東アジアの緊張を緩和し、地域覇権国家の行動を慎重にさせ、日本を含む中小国家の自立を確保する道」・「東アジアにおける連携に努め、内にあっては低成長経済の下での新たな分配政策を実現する、成熟国家としての新国家モデル」を世界に向けて提示する。鳩山由紀夫は変人で宇宙人だという印象を、マスコミはこぞって作り上げ、短期間で総理の座から追い落とした。本書を読めばわかるが、この人はそのような人物ではない。むしろ、冷静で思慮深い稀有な政治家であったことがわかる。我々日本社会は、大切なものを見誤ったのだ。今一度、鳩山由紀夫の政治的復活を期待することは困難だが、この理念は次の世代に語り継ぎ、多くの人々に訴え続けなければならないだろう。
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政治家として復活して欲しい。
2021/01/02 18:29
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投稿者:tomcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポスト資本主義の準備を始めた時に辞職していました。ゆっきーは経団連が嫌いで記者クラブも遺憾、いかんと言っていました。それからサプリや指圧のような代替医療を評価していました。コンクリートより人に金をかける政治を目指しまた。凡人は天才が理解できないから〃宇宙人〃と言われたと思えます。鳩山総理が正しかった。今頃気が付きました。著書の中で友愛の意味を語っていますが共感できることばかりです。鳩山総理の言うように、新しい利益分配を考え、社会インフラを構築する必要があると思います。
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これほどに広く世界情勢、未来を見、深く思索できる政治家はそうはいないだろう。「友愛」はちょっと鼻じらむところはあるけれど、大枠、著者の主張に賛成する。民主党内閣は、この人が失脚したのち、首相が代わるごとにダメになっていった。
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先日、デモクラbooks「この本を読め」で紹介されてて興味を持ちました。首相を辞任された頃、自分も御多分に洩れず、ネットやマスコミのバッシングを何の疑問もなく信じていました。今回、氏の穏やかで謙虚な語り口に本物の“知性”を感じ、あぁこんなにも魅力的な方だったのかと…今さらながら思わされました。願わくば、再び鳩山さんに首相になってもらって、広がる格差に疲弊し、傷ついたいく日本の人々の暮らしを救って、周辺国との関係も修復して欲しい…と思った(見果てぬ夢かもしれないけど)。若い政治家さんにもぜひぜひ読んでもらいたい。
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脱大日本主義 鳩山友紀夫 平凡社
政権交代を果たして首相になった鳩山由紀夫こと友紀夫が
その短かった政権におけるアメリカに管理されながらの
腐敗しきった傀儡的官僚支配の実態を語るとともに
政治を離れた視点から今後の日本に対する思いを述べる
成熟時代にある日本が
日米合同委員会による米軍の支配とその地位協定を国民に知らせ
日米政府間の対等な関係へと変更していくことを目指すべきだと言うこと
米軍に押し付けられたままの3S無知政策を破棄して
明治依頼の教育システムを作り成し国民を中心とする
自主的判断による本来の社会を取り戻す必要がある
敗戦依頼隠されてきた日本の政治の裏と表を見直すに
モッテコイの入門書となるだろう
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トランプ政権初期頃(2017年)に刊行された本書。資本主義に劣後していく民主主義、延いてはグローバリズムの終焉を基に骨子を固めている。そうした中で対米追従一辺倒の日本はアメリカの後押しにより政治大国を目指すべきか、或いは自立できるのかということを問うている(訴えている)。東アジア共同体に関する記述はコロナ禍で中国一強が進んだ現在だからこそ考えるべき問題。途中の自民党政権批判は後出しジャンケンだが中々に的確。
個人的に面白いと感じたのは筆者の自民党保守派の行動分析だ。例えば外交において中華脅威論や日米同盟の神格化によって軍拡チキンレースが加速している点。経済政策では成長神話を脱却できずに新自由主義路線から脱することが出来ていない点。その他の細かい論点も悉く鳩山の予想通りの展開になってきている。注目すべきは鳩山の先見の明というよりは自民党の変わらなさだ。例えば、戦後直後の外交でも日本の「自立論」を唱える鳩山一郎や河野一郎に対して、「対米追従論」の吉田茂、岸信介がいる。そしてそれらの政治家の子孫がそれぞれ鳩山由紀夫、河野太郎、麻生太郎、そして安倍晋三だ。世代を跨いでも、世界の情勢が変わってもアメリカを巡る外交方針が変わっていないことには驚きを隠せない。そうした日本の保守派の「家訓」とも言うべき対米追従の仕組みがよくわかる本。