おもしろく読める
2017/07/31 22:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の直観についての洞察が、素晴らしかった。経済についての著作ではありますが、心理学的な分析が、興味深いです。
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【「合理的な人間像」を破壊し、経済学を覆した二人の天才】なぜ人の直感は間違うか。『マネー・ボール』で著者が見落としたその問題を解いたカーネマンとトヴェルスキー、二人のユダヤ人の足跡
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現代ビジネス(2017.7.15)
渡会圭子「全米で初版50万部!マイケル・ルイスの新作、主役は二人の心理学者『かくて行動経済学は生まれり』秘話」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52304
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マイケル・ルイスの『マネー・ボール』と、行動経済学の本であるダン・アリエリーの『予想どおりに不合理』が面白かったので読んでみたが、途中で飽きてきて斜め読みしてしまった。
本書の原文のタイトルは"Undoing Project"で、「あのことさえなければ…」と、すでに起きた事実を取り消し、やり直しをしようとする思考を表している。
いろいろと考えながら読んだ箇所は、第8章~第10章くらいでした。以下のような内容のあたり。
勝敗の確率が半々で、15000円勝つか10000円負けるかの賭けを一回だけしようと持ちかけると、たいていの人は断る。
しかし、同じ人に同じ賭けを100回やろうと伝えるとほとんどの人が受け入れる。
なぜか?このあたりの意思決定の人間の性質を考えると、何かリスクのある決定を前にして人がとる行動の予測精度がアップする?
人は、後悔を最小にしようとする。何もしないことで現状維持できると思えば人はリスクを伴う行動をさけようとする。
この本に関しては、じっくり読んでもあまり得るものはないと感じたので、(時間を無駄にしたという)後悔を最小とすべく斜め読みと読み飛ばしをした次第です。
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なぜファクタ阿部がいる…というのは置いておいてもちょっとマイケルルイスにしては散漫な印象。直接の取材が限られるからか、あまり内面に踏み込んでこない。章が変わると主人公をごろっと変えるスタイルも上手くハマってこなかった感。うーん…
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『マネー・ボール』や『世紀の空売り』 『フラッシュ・ボーイズ』などのベストセラーを出してきたマイケル・ルイスが取り上げたのが行動経済学である。現代の必読書『ファースト&スロー』の著者ダニエル・カーネマンとその研究を共同で行ってきたエイモス・トヴェルスキーを追ったものである。ダニエル・カーネマンに彼らについての本を書きたいとマイケル・ルイスがコンタクトしたのは『ファースト&スロー』が出版される前である。マイケル・ルイスの慧眼である。
統計的手法による選手獲得で強豪チームに変わったアスレチックスを描いた『マネー・ボール』を世に出したとき、後にノーベル経済学賞を受賞するリチャード・セイラーとキャス・サンティーンが『マネー・ボール』に書かれているようなことが起きる理由についてはダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーが何年も前に説明している、と書いたことから本書は始まった。
「確証バイアス」「保有効果」「現在バイアス」「後知恵バイアス」など、プロスポーツの世界ではびこるバイアスをうまく避けることで有利な立場を得ようとする流れが『マネーボール』以降ベースボールを超えて広がった。そこで利用されているロジックの多くは行動経済学と呼ばれる新しい一連の学問領域から来ている。そして行動経済学はその多くをカーネマンとトヴェルスキーの二人の天才デュオに負っている。本書は、性格が全く異なるも互いに互いを高めあった二人のデュオを描いたものである。エイモスは陽気で楽観的、ダニエルは堅苦しく悲観的、そしてどちらも才気溢れていた。そしてどちらもイスラエルに住むユダヤ人であった。
マイケル・ルイスはプロスポーツの戦略から行動経済学のことを知ることになった。しかし当然のことながら、行動経済学の射程は当然プロスポーツの世界にとどまっていない。そもそもの経済学における合理的な判断を行う個人という原理的な考えに疑問を突きつけた。大抵の場合人が意思決定を行う場合には効用の最大化を行うのではなく、後悔を最小にしようとすることを明るみに出した。そのために人は往々にして合理性を超えて現状維持を望むものである。このことは、人がプラスよりもマイナスの影響に敏感であることにもつながる。その点を意識すると説明の仕方によって人の判断は大いに影響を与えられることも明らかになった。行動経済学は、政府の各種施策、医療(証拠に基づく医療(EBM))、などにも広く影響を与えている。
ダニエル・カーネマンは「自分自身の記憶」を信じていない。その注意深さが行動経済学の様々な発見につながった。
夭折したエイモスはこういった -「人生は本だ。短い本がよくないということはない。わたしの人生はとてもいい本だった」。その楽観性が研究の幅と深さを拡げ、行動経済学という領域の確立と探索につながった。
エイモスとダニエルの間での特にダニエル側の確執については彼らのような間柄と立場と知性であってさえもそのような感情を起こさせるものかと考えさせる。
『ファースト&スロー』を読んだ人には特におすすめ。各種のバイアスやヒューリスティックスに関しては『��ァースト&スロー』の方で確認するのがよいだろう。リチャード・セイラーやキャス・サンティーン(共著もあり)にも手を広げてもよい。マイケル・ルイスにも、さすがと言いたい。
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■マイケル・ルイス
『世紀の空売り』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4163730907
『フラッシュ・ボーイズ』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4163901418
■ダニエル・カーネマン
『ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152093382
『ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152093390
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ダニエル・カーネマンやエイモス・トヴァルスキーについて、今まで余り語られて来なかったエピソードが豊富。(第二次大戦の少年時代、中東戦争の青年時代など)
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■序 章 見落としていた物語
■第1章 専門家はなぜ判断を誤るのか?
■第2章 ダニエル・カーネマンは信用しない
■第3章 エイモス・トヴェルスキーは発見する
■第4章 無意識の世界を可視化する
■第5章 直感は間違える
■第6章 脳は記憶にだまされる
■第7章 人はストーリーを求める
■第8章 まず医療の現場が注目した
■第9章 そして経済学も
■第10章 説明のしかたで選択は変わる
■第11章 終わりの始まり
■第12章 最後の共同研究
■終 章 そして行動経済学は生まれた
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マイケルルイスのこの最新作が、心理学と経済学が融合した行動経済学の成り立ちを描いたものであることが、既刊作のようにその時の話題から切り出したものではないことに驚いた人は多い。
それでも、そんな驚きは杞憂だった。今まで以上に、対象に興味を抱かせるパワーがあるのだ。それはその対象の魅力によるものだが、それを見出したのは著者の力だろう。といっても、対象者はノーベル賞を受賞しているほどの人だが、それでも業績や内容は一般には知られていない。それを対象者の人物の魅力とともに紹介してくれる。
本書を読んで、心理学に初めて興味をもった。この本の主題であるプロスペクト理論とか、もう少し勉強してみようと思う。本書で紹介された限り、それは自分にもあてはまっていたからだ。
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従来の経済学(人間は合理的な判断・行動をすることが前提になっている)の理論をぶっ壊したのが行動経済学。その行動経済学の父と呼べるのが本書の主役カーネマンとトヴェルスキーの二人。その二人の生い立ちや交流、そして理論が生まれた経緯などが描かれているのが本書である。伝記やノンフィクションものといった感じの内容なので、行動経済学の教科書として考えている人には当然お勧めできない。行動経済学についてある程度知識のある人、特にカーネマンやトヴェルスキーの本や論文を読んで興味を持った人であればある程度は楽しめるだろう。しかし、全体的にまとが絞れていないことや調査不足(トヴェルスキーは故人なので取材できない。また、おそらくカーネマンへの取材もそれほど充実したものではなかったと推測できる)のためか読後の満足度はそれほど高くなかった。読んで損をするわけではないけど、同じように時間とお金をかけるのであれば、カーネマンの「ファスト&スロー」などを読んだ方が良さそうだ。
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行動経済学のリチャード・セイラーがノーベル経済学賞というニュースが飛び込んできた。
オレの本棚を見返してみると、
リチャード・セイラーの『実践行動経済学』も
サンスティーンの『選択しないという選択』も
並んではいるけれど、ぜんぜん内容が理解できてなくて、★か★★の評価になってた。
特にサンスティーンの本は、文章ばかりがダラダラ続き、具体的な指標やデータも殆ど無いので、ワケが分からず、呆れて投げ出した始末だ。
サンスティーンが『サイエンス』に掲載されたセイラーの『消費者の選択の実証的理論を目指して(人がしでかすマヌケなこと)』や、ダニエスとエイモスの論文、プロスペクト理論について読んだ時、理解するのが難しかったp.399と率直に述べているのは、彼が書いた本を読めば、そうだろうなーって実感できる。要するに、弁護士の文系の脳では、理解できないレベルの話だ。
セイラーの『行動経済学の逆襲』を図書館に予約して、今、待ってるとこなんだけど、本が届くまで、すでに借りていたこの本を読んでいる。
マイケル・ルイスはノンフィクション作家で、その作品は映画化もされてる。
リチャード・セイラーが「映画に出演してアカデミー賞は逃したけど、ノーベル経済学賞は取れたよ」みたいな冗談を言ってたけど。
セイラーが本人役で出演した映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』の原作『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を書いたのが、このマイケル・ルイスだ。
398
ダニエルとエイモスの議論は、法律や社会政策の分野に波及し始めた。
心理学が経済学を通して他の領域に入り込んでいく。
リチャード・セイラーがそれを「行動経済学」と名づけた。
プロスペクト理論は発表されてから10年間は引用されることがメッタになかったが、2010年には経済学の論文で2番目に多く引用されていた。
2016年には経済学の論文で10本に1本は、行動経済学の視点が含まれていた。
セイラーが米国経済学会の会長を退いた時期だ。
セイラーが声をあげたとき、キャス・サンスティーンは、シカゴ大学の若い法律学教授だった。
セイラーが『消費者の選択の実証的理論を目指して』を発表したとき、サンスティーンは、『サイエンス』に掲載されたダニエスとエイモンスの判断ついての論文と「プロスペクト理論」について読んだ。
「弁護士にとってはどちらも難しかった。一度読んだだけでは分からなかった」と述べている。だろうな。サンスティーンの書いた本を読んだけど、とても行動経済学を理解できるような理系の脳を持った人とは思えなかったもん。
400
サンスティーンが特に興味を持ったのは「選択アーキテクチャ」と呼ばれるものだ。
サンスティーンがオバマ大統領に招かれてホワイトハウスで働くようになってから、連邦政府は損失回避とフレーミング効果に敏感になっている。
サンスティーンは、政府には経済諮問委員会とともに、心理学諮問委員会が必要だと主張した。
168
その頃、社会科学で一番信じられていた理論は、人間は合理的に行動すると��うことだった。
178
統計学者でさえも、わずかな証拠から一気に結論へと飛びついてしまう
184
人の直感的な予測を支配しているのは、世界についての一貫した間違った見方である
185
脳は記憶に騙される
221
歴史研究家は偶然に過ぎない出来事の数々に、つじつまのあった物語をあてはめてきた。それは、結果を知ってから過去が予測可能だったと思い込む「後知恵バイアス」のせいだ。
239
北米大陸では、自動車事故よりも多くの人が、医療事故で命を落としていた。
医師の直感的判断が医療事故を引き起こす。
247
医師は同じ病気の患者に全く違う診断をくだす
250
人間は命にかかわるリスク判断すらうまくできない
269
人は効用を最大化するように行動する。
この期待効用理論は、経済学の大前提であるが、これでは、人が宝くじを買う理由すら説明できない。
ダニエルとエイモスは、心理学の知見から新たな理論を提唱した。
290
期待効用理論では、人の意思決定を予測できない。
292
ダニエルはエイモスの書いた教科書を、火星語で書かれた料理の本を読むように読んだ。読むというより解読だ。ずっと前から応用数学の才能がないことには気づいていたが、数学の論理を王ことはできた。
・・・・
ダニエルもまた、社会科学における数学の威光の高まりから逃れる事はできなかった。
293
モーリス・アレは、特にフォン・ノイマンとモルゲンシュテルンが独自の理論を構築して以来、人間の行動の数学モデルが、人の選択行動についての正しい説明として扱われることには不満を持っていた。
1953年の経済学者が集まるある会議で、アレは期待効用理論への決定的な反論を行った。
296
人は効用を最大化するのではなく、後悔を最小にしようとする
327
経済学者が連絡をとるのは、常にエイモスだった。
エイモスは経済学者と似た論理的な頭脳の持ち主で、彼らはエイモスが天才であることがすぐに分かった。
一方、ほとんどの経済学者にとってダニエルの頭は不可解だった。
主流派の経済学者は伝統的に
「人間は経済合理性にもとづいて行動する」
という前提のもとに経済理論を組み立ててきた。
でも、現実には、人は様々な非合理な行動をとる。
経済学の、この前提が、どう考えても、怪しいということは、以前から、多くの経済学者も指摘してきたし、素人が普通に考えても、分かることだよね。
プリンストン大学の心理学者ダニエル・カーネマンとスタンフォード大学の故エイモス・トベルスキーによって創始された行動経済学の研究者たちは、人間が経済合理性から逸脱する実例を次々と明らかにした。
消費者はなぜ非合理な行動をとるのか?
日本人の大好きな血液型占いや、毎朝の星座占い、星占い、右脳左脳の話。
あるいは中国人の大好きな風水。
この現代においてさえ、バカげた迷信が山盛りなんだから、そりゃー脳は誤作動するだろうし、消費行動においても様々な不合理なこだわりがあって、消費者は効用最大化する合理的な行動を��らない。
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邦題とは異なり、行動経済学の本ではない。人間の認知のゆがみに光を当てて新世界を作り出した2人のイスラエル人心理学者の評伝だ。
迫害を逃れてフランスからイスラエルにわたったダニエルは、神を信じず、人間を信じず、自分を信じない人間になった。生粋のイスラエル人で天才肌のエイモスと出会い、人間の判断と意思決定のしくみについて二人でアイデアを出し合い、濃密な10年間を過ごし、世界に新しい扉をつくった。ところが共同研究に対する賞賛は、エイモス一人に集中。じょじょに二人の関係はほころびを見せる。学会からの攻撃に立ち向かった共同研究を最後に二人は袂を分かつのだが……。
研究成果はストーリーのなかに組み込まれている。メインとなっているのはあくまでも二人の友情と別れであり、本書の価値もまたその「物語」にある。
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マネー・ボールを書いた著者が、そのとある書評で、なぜ人は非効率な判断をしてしまうのか、すでに2人のイスラエル人心理学者が証明していると書かれていたのを目にし、ダニエル・カーネマン、エイモス・トヴェルスキーについて調べ、本にしたものです。そんな書評をトリガーにしてこれだけの本を書いてしまうなんてマイケル・ルイスという人は本当にすごいとしか言えません。
この本は、行動経済学について解説した本ではなく、ダニエルとエイモスを中心にした評伝で、その中で彼らが展開する行動経済学の本質である、如何に人間は誤った判断をしやすいのかを判りやすく説明してくれます。
人の思考性向を判りやすく説明してなるほどと思ったのは以下の通り。
・人は効用を最大にするのではなく、後悔を最小にしようとする
・それまでの状況を変える行動によってなにかを失った痛みは、それまでの状況を維持する決定によって生じたいたみより、はるかに大きい→だから人は現状維持を望む
・リスク回避はとは、後悔を避けるために、人がすすんで支払おうとする手数料と言え、いわば後悔の保険料である。
可能性が低い方が感情は強くなる。大金が手に入る、あるいは失う確率が10億分の1と言われると、人はそれが10億分の1ではなく、1万分の1であるかのような行動をとる。
・人はものごとの本質で選ぶのではない、ものごとの説明のしかたで選ぶのだ。
これは行動心理学とは関係ないですが、
・エイモスはよく言っていた。「悲観的だと悪いことを2度も経験することになる。一度は心配しているとき、2度目は本当に起こるとき」
2人は、正反対の性格なのに、恋人以上に馬が合っていたからこそ、これほどの偉業を成し遂げたんでしょうね。こう
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タイトルからは行動経済学を学べるのかと思ったが、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーという二人のユダヤ人心理学者に関するノンフィクション小説のような内容であった。
内容自体も訳が自分には合わなかったのか、面白く感じることがなく、途中で読むを止めてしまった。
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著者の本は初めて。行動経済学の本かと思ったらほとんどが心理学の話だった。ダニエルカーネマンの著作にも興味が出た。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou25401.html