高倉健は高倉健を演じ切った
2017/09/16 21:30
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hiroyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
高倉健は、若いころは結構やんちゃで後年の人格者然としたところは全然ない。マスコミにも江利チエミと結婚していた時は、出ていたはずである。高倉健を現在の高倉健たらしめたのは、江利チエミとの離婚後か。
しかし、この本を読んでも、晩年に養女とした女性のことは最後まで分からない。何故、こんな変な後妻業の女のような女性に入れ込んでしまったのか。高倉健も自分の死後、こんな形で世間を騒がせることになろうとは、不本意だろう。
興味津々の内容です。
2017/11/14 12:06
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投稿者:C.東木 - この投稿者のレビュー一覧を見る
健さんファンには、実に興味深い内容でした。
一読の価値ありです、
けっきょく、数多くある高倉作品を観返したくなる。
2021/06/06 14:51
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
高倉健はあくまでスクリーンの中の人。と思っても、その人が亡くなってしまえば、ホントはどんな人だったのかなぁと気になってくる。デビューのきっかけなどからはじまって、やはり興味深く読めるのは、参加した映画やドラマ作品の数々とその裏話。亡くなった直後に世間で騒がれたこともあまり興味深く読むこともなく、結局、再度、高倉健作品を観たくなった。
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森功 著「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」、2017.8発行。この本を読了して思ったことは、人の書いた「高倉健」より、高倉健の書いた本を読む方が、心豊かになるといいますか、心が洗われるということでした。「あなたに褒められたくて」「南極のペンギン」「旅の途中で」など、また読み返したいと思います。間もなく命日(2014.11.10 83歳)ですね。3年、早いような・・・、もう随分前のような・・・、そんな気持ちです。
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生きている時から伝説めいていた高倉健。
今までわからなかったこと(江利チエミとの離婚の経緯)がようやくわかった。
異父姉妹として近づいた女に計画的に全部お金を使われて、これ以上迷惑をかけられないというやむにやまれぬ事情が合ったのね。
それにしてもそんな悪魔みたいな最低な人がいたことに驚く。江利チエミこそほんとに波乱万丈な人生だったんだね。
でも根っから明るかった人のようだ。そういえば”サザエさん”も演っていたっけ。
ほんとに愛したのは江利チエミただひとりと思いたい。
児島みゆきのこともほんとっだったんだ。ちょっとがっかり。
とどめはなんといっても小田貴という養女だろう。
胡散臭いったらない。死んですぐ高倉健所有の車も船も家もお墓(江利チエミとの間にできて流産した水子のお墓まで)もすべて解体してしまうなんてありえない。
実の妹や可愛がってもらっていたという甥っ子さんもそりゃ嘆くわ。今もお骨がどこにあるのかわからないらしい。
どうして高倉健ともあろう人がこんな女にすべての遺産をなんて遺言状をのこしたのだろう。ほんとに自分の意志で?
伝説の渋い寡黙な高倉健に最後の最後でケチがついた感じで読後感はよくなかった。
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魅力的な俳優さんと思うが、映画一本も見たことないな。興味があり、手に取る。
ヤクザとも共に生活していた古き良き時代だと思う。必要悪と言うか。一流の人というのは自分にも厳しいと改めて思う。自分を形作るのにストイックと言うのか。一方人情の人というのがわかる。最後、死後の事は残念。芸能人と言うのは、人間関係が想像もできないくらい複雑で大変なのだろう。
ぽっぽやを見てみよう。
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高倉健の生き様に憧れていたが、最後がよくない。真実は何だろう?人生は波乱万丈。自分の人生もそうなんだろうか。後数年で終わりそうだけどね。
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本書の大半は、生きている時から伝説めいていた「高倉健ブランド」の詳説。江利チエミとの悲恋そして彼女の死、ヤクザ映画からの銀幕スターへの道、ミステリアスな私生活、裏社会との交際、郷里・親族を常に思い遣る人柄…、巷間伝わるエピソード・真実を多様な人物証言で浮き彫りにしていく。
第7章 謎の養女ー心に闇を抱えた男ーでは、高倉健を看取った女性に言及。他界後、突如出現した養女「小田 貴」。この章は「The後妻業の女」噺へと大きく変調する。総額40億円と言われる高倉健の遺産を全て相続。世田谷の豪邸を取り壊し、親族には遺骨の一片も渡さず、生前購入していた鎌倉墓地を更地に戻し、高級車を売却し、大型クルーザーも廃船し、高倉健の痕跡をことごとく破壊していく。その一方で、健康家族のCMは死亡発表前日に鹿児島までクライアントをアポ無しで訪ね、死後の継続契約を希望する…。
この不可解極まりない行動の背景には、高倉健が江利チエミを終生愛し忘れていなかったことへの復讐の表れではないかと、著者は推察する。
恩情は忘れず、信義に厚く、祖先を敬い、郷里を愛し、命日の供養には欠かさず線香まで贈る人が「全ての財産を彼女に渡す」と記した遺言を書く。あまりにも整合性が取れていない。負の情念に吸い取られたとしか言えず、ホラー感横溢する読後感。スケールは健さんに遥かに及ばないが、たかじんのケースと重なって見える。
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私の中では「自分、不器用ですから」で有名な高倉健さんの謎に迫るノンフィクション。
いろいろな側面から、彼が、高倉健という役者を守るためにプライベートを隠していた事実が明らかになる。けれども、なぜそこまで高倉健を守ろうとしていたのか、周りの人のインタビューは聞けども、小田剛一の本心にはほとんど近づけていないように思う。
小田剛一は、高倉健を守り抜いたのかもしれない。
そして、芸能界のフィクサーというかタニマチというか、あまり公にしたくない付き合いがたくさんあり、おそらく今もそれは形を変えつつ生き延びているのだろう。芸能界はやはり怖い世界だ。
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勝手に期待していた内容とはかなり隔たりがありました。週刊〇〇の記事を一冊分にとりまとめたという印象を抱きます(実際はそうではないのですが)。さもありなんという高倉健さんの一面が詳しく紹介されていますが、最後の方の章はかなり中途半端な後味の悪さを感じました。
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高倉健関連の本は少しずつ読んでいるが、森 功はノンフィクションライターで、特に高倉健のファンというわけではないので、他の本のようにただ高倉健を讃えるタッチになってないのが好感が持てる。
プライベートにも踏み込んで都合の悪いことも書いている。高校時代から暴れん坊で、明治大学も親の伝で入る。しかし講義には出ずに酒とケンカの放蕩の生活をおくる。「明治の小田(本名)」として有名だったとか。就職先もなくしょうがなく俳優になる。
ヤクザの家に泊まっていたこともあって、以後もヤクザとの付き合いも深い。一般人と別け隔てすることをしなかった。
女性との交際も多く、児島美ゆきとしばらく同棲しているなんて知らなかった。
江利チエミとの破局は有名だが、異父姉が復讐のために二人に近づき、家に入り込み、兄を追い出し二人の仲を裂いていく。そのための「復讐ノート」なるものも作っていた。おなじみの話だが心が痛む。
晩年、高倉健が小田貴という人を養女にしたのだが、この人が高倉健の死後異常な行動に出る話は驚くばかりだ。
勝手に密葬して葬儀は行わず、遺骨を親戚にも渡さない。一般の人が高倉健の墓参りをしたいと思っても墓がない。
ありがちな遺産相続争いかと思ったら、高倉健の住居、車、クルーザー、江利チエミとの水子の墓までも、いっさいを短期間に処分している。いずれも使えるものばかりで、高倉健が使ったものと言えばさらに高く売れるのに解体している。なので金目当てでもない。高倉健という痕跡を消し去ろうというような行動だ。
筆者はそれについて「瞋恚(しんい)の炎」という言葉を使ってる。知らない言葉で辞書をひくと「燃え上がる炎のような激しい怒り・憎しみ、または恨み。」とある。
瞋恚の正体は分からないが、10年以上一緒にいたのに、高倉健の心の中にあるのは江利チエミだけだったというようなことではないかと筆者は推測している。
これだけ多くの人に愛された俳優の一番側にいた人が彼を一番憎んていた人というのはなんという悲劇なんだろう。どこか江利チエミの異父姉とダブルところがある。
人間ってなんと邪悪で残酷な存在だろうかと思う。
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通常の伝記かと思って読んだら、かなりの違和感があった。
江利チエミと結婚していた時期にチエミの異父姉(本当にそうなのかも実ははっきりしない)が家に入り込んで、それまで貧しく過ごしていた恨みを晴らすかのようにマネージャーを務めていたチエミの兄に女をあてがって結婚させ追い出し、高倉・チエミの稼ぎをどんどん使い込んでいくあたりはほとんど楳図かずおかと思うような不気味さ。
週刊誌を騒がせた晩年の養女の騒動も似たところがあって、親戚が誰も知らない間にいつの間にか養女になって遺産を継いだばかりか、遺された車やクルーザーをオークションにかければずっと高く処分できるのをとにかく金に換えるのを優先させたように売り払い、信心深かったという高倉の墓も作っていないというあたり、ひどく気味悪い。
Amazonの星取でひどく不評が目立つのも、そういう違和感のせいだろう。
そして結局使い込んだらしき相手がどうなったのか、どういうつもりだったのかわからないままというのはひどくもやもやした気分になる。
高倉の父親が朝ドラ「花子とアン」で有名になった炭鉱王伊藤伝右衛門の所有する炭鉱で監督を務めていたとは知らなかった。
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俳優になっていなかったら、何をしていたのか。親族、お世話になった人に対して義理人情に厚く、深く人間関係を結ぶものの、ときどき人を見る眼や自身が選択した行動を訝しく思う話も。俳優業という大きな業績を上げていることで相殺されているが、個人が持つ危うい部分を垣間見ることなりました。それも俳優業のイメージに比してという大きな期待値があるので、読者として公平な判断ではないかもしれません。
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高倉健の江利チエミの不本意な離婚はとても気の毒に思えた.お金がありすぎるとそれを悪用する人に付け込まれ,普通の幸せが壊されていくのを地でいく様な話.そして筆者も取材で明らかにできなかった養女の事実が,小説でもなかなか無いような謎に満ちている.本人のインタビューではないので彼自身が何を考えていたかはまるでわからず,ただ,高倉健の人間関係がざっとわかった次第.
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映画俳優高倉健についての本ではなく、小田剛一という特異な人物についてのルポルタージュです。いかにも、週刊新潮、新潮45的な手法と筆致で面白く読ませ、グイグイ惹きつけられます。高倉健の周辺に現れる様々な人物と併せて、人生論のつもりで読めばいいと思います。
個人的には、江利チエミがいとおしくてたまりません!