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さらば愛しい人よ ってこんな話だったかなぁ。最初に読んだのが高校生くらいで30年近く前の話だからすっかり忘れていました。ただ、村上春樹さん訳になって、読みやすさは増したと思います。
でも、大鹿マロイ(ムースマロイ)ってほとんど登場しないのね。これでマーロウがマロイに惹かれてしまう理由を読者に理解させようというのはちょっと難があるかもなぁ。というわけで、ロング・グッドバイに比べると、何故そこまで村上春樹氏が絶賛するのかがちょっとわからない作品でした。
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機知の富んだ言い回し、魅力的な女性、憎めない殺人犯。登場人物が皆魅力的だった。ストーリーも後半にかけてスピード感が増し、一気に読んでしまった。
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二つの事件がどう繋がるのかと思っていたら、そういうことだったのか!夫人がマーロウの部屋に来た時点でやっと分かりました。マーロウ語録をたっぷり堪能できました。いちばん好きだったのは、ペット病院だ。というセリフ。他にもいろいろ。マーロウはタフで、シニカルで、最高!
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読了後に、タイトルの切なさが身に染みます。「ロング・グッドバイ」同様、私立探偵フィリップ・マーロウの人間性を、彼の一人称による描写から臨場感を持って楽しめます。
人の関係性を読み解き、リスクを冒しながらもキーマンに直に会い、真実を追求するという理性的かつ大胆な行動力。「ここで扉の向こうを覗いてしまうのが私だ。」という好奇心。そして、人間性を嗅ぎ分ける勘と、良心ある人物を信じる熱意。
これらのエッセンスが凝縮された男の視点に立った時、自分自身の現実世界を見る目にも、変化がもたらされるかもしれません。
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言葉で全て説明し尽くさない、匂わせるようなところがハードボイルド。でも一方で、情景や登場人物の外見描写はものすごく精密。そのバランスの良さがレイモンド・チャンドラーの凄さなのかな。なにより、村上春樹の翻訳がチャンドラーにぴったりはまっていて、なんの違和感もなく、古臭くもなく読めます。翻訳家の文体の魅力がこんなに発揮された翻訳小説に出会えたのは幸運でした。
タイトルが最後、泣かせます。でもそこはハードボイルド。全編を通じてフィリップ・マーロウのかっこ良さ、シニカルさが光っていました。
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面白かった。以前読んだ「ロング・グッドバイ」「リトル・シスター」よりも、マーロウが酷い目にあっている。マロイやインディアンなど、登場人物たちが一癖あって魅力的。
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初めて読んだチャンドラー
タイトルが改題前の『さらば愛しき女よ』だったら、読後感は全く変わっていたと思う。
誰に共感するかで評価も違ってくるのでしょうなぁ。
ミステリにハードボイルド要素は求めないタイプなので、正直かなり退屈ではあった。渋いと想像してたマーロウ、なんか若いし。アル中かってくらい酒浸りな上、よくわからん比喩連発。
しかし読後がさわやかなのでまぁいいか。
『ロング・グッドバイ』に期待。
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出所したばかりの大男ムース・マロイは、昔愛したウェルマを求めて彼女が働いていた店に来るが、なりゆきから黒人2人を殺害する。偶然その場に居合わせた私立探偵マーロウは興味を抱き、その店の昔の経営者の夫人を訪ねてウェルマのことを問う。その直後に、失われた宝石を買い戻す立会いという変わった依頼がマーロウに入るが、依頼者のマリオットは殺害される。マリオットの死の原因は?ウェルマの正体は?全てがつながってゆく。村上春樹の訳は簡潔。チャンドラーは人物も情景も巧妙に描写。ユーモアにも溢れるが、50年代のユーモアは少し時代遅れ。
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刑務所から出所したばかりの大男マロイは八年前に別れた恋人ヴェルマを探して黒人街へやってきた。しかし、ヴェルマは見つからなく、殺人を犯してしまい、行方をくらます。
偶然、居合わせたマーロウはマロイとヴェルマを命がけで追う。
マロイが可哀想。でも、八年も思い続けられるのは羨ましい。
マーロウは今回もすんごい気障!!男女問わずに瞳の色で人を見る。中でもレッドという小太りで整った顔をした若い男が気になる。本では見たことがあるが実際にはお目にかかれないすみれ色の瞳をしているってどんな人だろう。。
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チャンドラー『さらば愛しい人』読了。ハードボイルドがミステリではないのは、きっとハードボイルドというかたちをとりながらもそれが必ず一貫した情緒においてとりなされているからなんだろうな。これは非常にメリバなお話であり、悲恋であったけど、依頼以上を動かない彼はハードボイルドそのもの
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あらゆる意味でアメリカらしさに溢れた小説だ。マーロウはタフ・ガイなのだが、作中では一度も銃の引き金を引いてはいないし、拳を振るうことさえ稀である。というよりも、むしろ自分自身が痛めつけられっぱなしだ。それも、徹底的にこっぴどく。それでも、諦めることなく、ともかく前に前に進んで行こうとする。そんな姿こそが本当の意味でのタフなのだろう。この小説は、どこまでも通俗に徹することで、逆にその中から通俗を超えて浮かび上がってくるものを描いたのだ。マーロウが時を経てもなお強烈なリアリティを持つ由縁はそこにあるのだろう。
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マーロウのなんだか気障ったらしい台詞回しは、訳者である村上春樹の小説の登場人物に通じるところがあるように思った。
ハードボイルド=やせ我慢、と思ってしまうのは僕だけか?
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『ロング・グッドバイ』に続いて、村上春樹訳の私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ。
原作はこちらのほうが前の作品のようで。
『ロング・グッドバイ』に比べると少々物足りなかったけど、こちらのほうが物語の展開がわかりやすくて読みやすかった。
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まったく洗濯桶みたいにキュートな女だ。
(P47)
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”タフガイ”の私立探偵がフィリップ・マーロウが活躍する
チャンドラーの小説シリーズ。
推理モノ、として楽しむよりは、
ハリウッド界隈の上流階級のスキャンダルを覗き見たり、
警察内部の人間模様を垣間見たり。
そういったいろんな人間の生き様を見ながら、
主人公マーロウをはじめ、
小洒落た台詞の押収を楽しむ、そんな小説な気がします。
基本的には、いろんな人間の横顔や裏側をだんだん解き明かす、
そんな話が好きな人にお勧めかなぁ。
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本作でも相変わらずフィリップ・マーロウはクールでタフでハードボイルドなわけですが、「ロング・グッドバイ」に比べると、やはり少し見劣りします。
「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」のような名言もなく、マーロウさんがぐだぐだ言うセリフが多いです。
また、人生の悲しみに対する描写もイマイチです。
しかし、やはりメタファーは非常に凝って独特であり、村上春樹氏は本当にレイモンド・チャンドラーから多くのものを学んだ(若干パクリぎみの部分も)のだなと思わされます。
ロング・グッドバイに比べると、素晴らしい!ってほどではないですが、中々読めます。
最後の方に出てくるアンの『私はキスされたいのよ、ひどい人ね』というセリフと、最後の最後の「しかしさすがにヴェルマが向かったところまでは見えなかった」という終わり方は割と素敵かな。