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【いちぶん】
嵐が吹き荒れているときに、どうしたらいいのか。ー小舟になればいい、と重吉は言った。
「強い風に身を任せて揺れていればいいのさ。そうすれば、決して沈まない。……だろう?」
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2017.1.2読了
ゴッホ兄弟の、哀しくも愛に溢れた作品。ゴッホが画商の林忠正と交流があったという記録はないが、原田マハの筆致により、実際にあったのではないかと錯覚させる。
ゴッホが苦悩の中で仕上げた数々の作品。この本で背景を知れたことで、実際に目にしたときの感想がまた異なってくる。
原田マハさんの作品は初めてだったが、すんなりと懐に入ってくる、とても好きな文体。絵画が好きな人には特にだが、そこまで興味のない人にもオススメしたい作品。
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ゴッホ展に行く前に読んでおけばよかった。。
ゴッホの日本への憧れや、当時の印象派の位置づけなど、ゴッホ展でも説明はあったけれど、見え方が変わっただろうな。
「たゆたえども沈まず」は、もともと水運の中心地だったパリで、水上商人組合の船乗りの言葉だった。「どんなに強い風が吹いても、揺れるだけで沈みはしない」という意味合いは、戦乱、革命など歴史の荒波を生き抜いてきたパリの標語になっている。
パリに憧れ、パリで日本美術を広めることに奮闘した林忠正を見習い、日本人としての誇りを持って努力していきたい。
きっとゴッホはこの本に出てくるぐらい繊細だったと思われる。弟のテオも。
原田マハのアート小説は本当に魅力的。
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今年の本屋大賞ノミネート作品はどれも面白い本が揃っている感じです。前作「ゲルニカ」のサスペンス性と言うかミステリー性がなくなりましたが、それがタイトルにぴったしの雰囲気の作品になっています。「たゆたえども沈まず」はパリ市の紋章に書かれている「Fluctuat nec mergitur」ってラテン語らしいのですけど、NECに反応してしまうのも自分でも何だかな(笑)。作品はゴッホ兄弟と忠正・重吉の2人の日本人という実在した人物で、その巡りあわせをフィクション化したものです。ゴッホの作品を見る前に読むことをお勧めしますし、読んでいてもゴッホの作品の絵を見ながら読むと楽しさが一層増しますね。
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傑作ですね!ゴッホの名作の背景に、兄弟の強烈なまでの絆があったことやそのゴッホ兄弟を支えたのは2人の日本人画商で、またゴッホやフランス印象派の作品には日本の浮世絵が影響を与えたという物語の設定自体が面白かったですし、どこまでがノンフィクションで、どこがフィクションなのか?と思ってしまうくらい物語に引き込まれました!
昔の有名な画家というのは、亡くなってから名声を得るというイメージがありますが、ゴッホもまたその類で、また人間ゴッホの強烈なまでの孤独な生き方に凄みを感じました!
原田マハの芸術を取り扱った作品は、さすがと唸らさせるほど、どれも面白いですね!
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ゴッホと日本にこんなに深い関係があったなんて
全く知らなかったから、驚いた。
それにしても、哀しい兄弟。せつないわ。
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今回の原田マハさんの本は大好きなゴッホ先生‼︎カバー絵の星月夜もステキですね♡って事で大事に大事に読みました。
ゴッホ先生と弟のテオは映画や漫画や本などなど題材になりやすいから多々触れる機会があるんやけど、作者さんによって描かれ方が全然違ってて面白い。
今回はゴッホ兄弟と関わりのあった日本人画商目線で物語が進んで行くんやけど、テオの兄弟目線もあって兄弟の鬱々とした気持ちや兄弟愛などが読めて面白かったデス!
最期はよく見知ってるし、切なくもあるんやけど、静かに読み終える事が出来ました。
ゴッホ兄弟の苦しく切なく幸せな人生を本を通して感じるのにオススメです。
フィクションですがw
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やっぱり原田マハの芸術系小説はいい!
パリに渡って、美術商になった林忠正、大学時代の後輩、加納重吉、画商テオドロス・ファン・ゴッホ、画家の卵、
フィンセント・ファン・ゴッホ。
フィンセントは生きている間は芽が出なかったが、やはりわかる人にはわかるエネルギーがあるんだろう。
数年前に見た星降る夜は衝撃だった。
この小説は、切ないけど、温かい。
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史実を基にしたフィクションとあるが、ゴッホとテオの部分に関してはほぼこんな感じだったのではないかと想像する。
途中まで淡々と読み進めてきたが…後半、いつのまにか号泣しながら読んでいた。
この二人は本当に、お互いになくてはならない存在…半身だったのだ。これほど辛く苦しい思いをしてなお、報われない悲劇を見て涙が止まらなくなった。
ゴッホの絵が彼が生きているうちに認められていたなら、もっと違った結果になっただろうか…。
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画家ゴッホとその弟テオ、そして日本から渡った2人の日本人との交流を描く。天才画家とその弟の苦悩、そして彼らを支えた人たちの物語。
前半は時間軸や登場人物が入り乱れて少し読みにくいところがあったけれど、徐々に物語が紡がれていく。
時代は1880年代。当時のフランスでもてはやされた日本の様々な浮世絵と、ゴッホの作品が出てくる。マハさんは絵を文章で正確に描写していて、ある程度は伝わってくるのだけど、さすがに実際の絵が見たくなって手持ちのゴッホの画集とスマホを同時に開いて楽しんだ。
当時の時代背景や空気感が小説になって伝わってくるので、ゴッホのことが深く知れたような気になりとても面白かった。クライマックスでは、日本人として本当に心が揺さぶられた。さすがマハさんという感じ。
先日、ゴッホ展を見に行ったけれど、行く前に読んでおきたかった一冊。本に書かれたゴッホの作品や、ゴッホが影響を受けた日本の浮世絵がたくさん並んでいたのを思い出し、改めてその価値を感じた。
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道端に咲く野蛮な雑草とされた印象派と、美術品の包み紙として捨てられる運命だった浮世絵が交わる奇跡。
数百年後に世界中の美術館で堂々たる額縁に飾られるようになるんだよって、テオと、ヴィンセントに教えてあげたい…!
芸術は良くも悪くも移り変わり、繰り返す。
その激動の流れに身を任せ、たゆたいながらも抗った兄弟と日本人の出会いの物語。
読み終わって速攻NYのMOMAに突撃。
何回も何回も来ているはずなのに、こんなにも作品への感情が動くものなのか。
足に根が生えたかのように絵の前から動けなくなって30分ほど立ち尽くした。
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ちょっとまえに「北斎とジャポニズム展」を見に行ったとき、日本の浮世絵がパリでブームになったことがあるという浅い知識はもっていたが、まさかここまで当時の印象派に影響を与えたとは思っておらずひどく驚いた。
その流れもあり、いいタイミングでこの小説。
ゴッホと浮世絵か、面白そうなテーマだなと手に取ることになった。
結論から言ってしまうと、ちょっと中途半端かな??
主人公が架空の人物加納重吉だとしても印象が弱い。
ジャポニズムブームをけん引したとされる林忠正の生きざまを描くだけでも十分読み応えがあっただろうし、いわんやゴッホもしかり。おまけにゴッホを生涯支えた弟のテオもここでは主要登場人物の一人である。
マハさんが一番描きたかったのは誰だったのか、なんだったのか焦点がぼけてしまっているのが残念。
それを抜きにしたとしても、さすがのマハさんなので最後まで面白く読めた。
ゴッホの有名な絵が小説の至るところにちりばめられていて、その描かれた背景を読むのも楽しかったし、ゴーギャンとの交流も興味深い。
なによりの収穫は浮世絵うんぬんより、弟の存在かな。
この弟なくしてはゴッホは画家として大成しなかったんだと思うと感慨深いものがある。良い弟を持って良かったね、ゴッホにいちゃん(笑)
あと、これは私の問題なんですが、ついマハさんのアート小説を読むとき伝記を読んでる気になってしまうのが悪い癖。
あくまでもフィクションですよって、わかっちゃいるんですけどね・・・。自分の知識が乏しく、マハさんの緻密な下調べと相まって勘違いしそうになっちゃうんですよ。鵜呑みにしてしまわないように気をつけます。
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ゴッホ(フィンセント・ファン・ゴッホ)は波乱満ちた人生を送ったという話は聞いたことがありましたが、
弟との関係のこと
描く絵画がどのように変わっていったのか
日本画との関係
などこの本で読んで知ることができました。
日本人画商の二人はフィクション?
それにしても生き生きしてるのは、作家さんの力でしょうか。
一気に読み進むことができ、最後まで読んで、冒頭に一度戻ってという流れを踏みました。
絵画の世界のことは、
全くわかっていない全くのど素人ですが、
この本を読んで「絵画にしっかりと向き合ってみたい」
そう感じました。
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著者のインタビューで以前拝見した5%の真実と95%のフィクションとの混合だと考えて読むと楽しめた。
ゴッホ兄弟と日本は深い結びつきにあることが理解できた。
特に、フランス各地の情景描写が清涼な雰囲気で伝わってきたのが、特にいいと感じた。
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誰も知らない、ゴッホの真実。天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと、商才溢れる日本人画商・林忠正。二人の出会いが、〈世界を変える一枚〉を生んだ。1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出す――。
ゴッホの中でも大好きな星月夜でしたが、この作品でまたさらに好きになったし自然に涙が出てくる。MoMAで実物に出会えて本当に良かったなあ・・・。決してハッピーエンドではないのだけれど、染み渡るような静かな憧憬に似た気持ちになるのはどうしてなんだろう。テオとフィンセントのつながりが悲しくもあり、でも彼らがそうあったことで私たちは今ゴッホという画家の作品たちにまみえることができているわけで、だとしたら喜ぶべきなのか。だけど、ゴッホがもっと長く幸せな気持ちで生き続けてくれたのならもっと違うすごい絵が見られたのかな。生きていてほしかったな。