異性のことをさらに理解が深まる内容
2022/10/03 20:14
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投稿者:ミント - この投稿者のレビュー一覧を見る
数々のスリリングな展開の解説が、今読むとめちゃくちゃ学びが多い。男女関係において異性のことをもっと理解したいと常日頃から悩まれている方には良い本。
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投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
着眼点の面白さだけでほとんど一冊を走り抜けてしまった、批評的文芸エセーの佳編。非常に愛らしいといえば、それはフェミニズム的に糾弾されてしまうのだろうなあ。いま構想中の「妊娠」が冒頭から登場する恋愛小説の参考のため再読。フェミニズム批評はおかしなことにマッチョな作品が多いが、本書もその例に漏れず「使える/使えない」にやけにこだわっていて面白い。もちろん小説の参考として「使える」本であることはいうまでもない。
もっとも著者の最近の活動は停滞気味であって、「文章読本さん江」とか「文壇アイドル論」などは、もう少し工夫が必要なのではないかと思うし、なにより、「新しい<読み>の地平」を提出するように向けて単なる「おじさん」たちのルサンチマンに訴える商売っ気が透けて見えてどうにもまどろっこしい。そういうアホーな読者は無視してしまっていいのではないだろうか。
切り口がおもしろい
2021/01/28 00:13
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代日本の「妊娠」をめぐる物語を小説を題材にまとめた本。とてもおもしろいし、全く知らなかった事実も多くて楽しめました。
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妊娠を小説のなかで、かの文豪、人気作家はどう扱っているのか。妊娠をめぐるステレオタイプな物語をばっさり!面白いです。
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すげー受けまくり。日本には妊娠小説ってジャンルがあったんだね。石原慎太郎も三島由紀夫も村上春樹も、みんな妊娠小説の書き手だったんだねえ。出会いと初性交、受胎告知から中絶までを、行を数えて野球のイニングになぞらえているところが最高。7回の表で中絶、9回裏で別れ、とかね。三島の『美徳のよろめき』は緻密で美しい短編だと思っていたけど、ここまでバラされてしまうといっそ潔いというべきか。
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・すっごく面白い(著者のつっこみが)んだけど、
半分を過ぎるとくどすぎてだんだん疲れてくる
・登場してくる妊娠小説が妊娠小説としか思えなくなる
特に舞姫。
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初めての著作だからか、著者お得意の軽さはあんまりなくて、前半は堅い。けど、最終章の「避妊」では、美奈子炸裂してます。
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あれもこれも、結局はそれかい!と言いたくなるほどに数多の文学作品の以下に多くが妊娠をキーワードにしているか。小説が好きな人はより面白いだろう。
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この著者の本は他のが先になってしまって、デビュー作を今頃読んだ。やっぱり名著ですね。笑えるし。
ぜんぜん関係ないんですが、「僕小説」って言葉、むかーしどこかで見た気がするんですが…もしかしてむちゃくちゃ初期のロマンJUNE? 気のせい? ああ確認したいけどもう手元にはない…というよりここでロマンJUNE読者であったことを告白してどうするよアタシ。
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『紅一点論』よりは固めだけど、笑える論説が備える鋭利さはやっぱり斎藤さん。
三島も森鴎外も村上春樹もばらしてしまえば「妊娠小説」
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この人の文体は、評論家にしては軽くて読みやすいのでありがたい。それに語り口がいさぎよくて気持ちいい。「妊娠」に注目するとこんなにも小説が似たり寄ったりになるんだなと思って、悲しかったり、おかしかったり。読んでいる小説に「妊娠」が出てきたときに、またこの本を手にとってみたい。
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文学関係の学科に行く人が大学に入る前に読んでおくと他の人に差をつけることが出来る本。もっと早く出会ってればよかったなあ。
何でかと言うと基本的な小説の読み方と言うものを教えてくれてるもので。と言うよりは小説家が行っている手練手管をとても簡潔に教えてくれているのだ実は。妊娠のことばかり書いているのではなくてそういう基本的かつ細かいところがしっかりしているからこの本は名著なのである。
具体的にはイメージ操作の話が一番教育的。知らないとどうしようもないんだけれど、これで案外ちゃんと教えてくれている本がないときたもんだ。
妊娠に関してはもちろんメインだからしっかりしてるんですけども、まあ一つの論系の基礎教養だと思ってインストールしておけばよし。実際面白いし、教科書としては白眉ですわ。
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新しい枠組みとして「妊娠小説」を提唱してる本。それぞれの妊娠小説で、登場人物がどの時点で妊娠するのかを野球に例えてしまうところがすごい。
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今まで認識されていなかった「妊娠小説」という分野を徹底分析!
興味深いし、表現もコミカルなものがあって面白い。けど後半失速しちゃうんだよ。なぜだろう。
語りやメタファーについてもチョコチョコ書いてあり、私みたいな小説の読めない子は大変勉強になりました。
快作?問題作?
うーん…力作と呼ぶのが一番しっくり来る。
なんたって著者(わたしたちと書いてあるので手伝った人がいるのだろうけど)は言及した小説すべての行数を数えてるからねぇ。
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斎藤美奈子氏が大好きだ。語り口の意地悪さも好きだし、引用箇所の適切さも好きだ。特に、このデビュー評論『妊娠小説』の面白さといったら……!
正直に告白すると、この本の中で俎上に上げられた小説の半分以上を私は読んでいない。読んでいないんだけど、わかる。『妊娠小説』ジャンルの存在に膝を打って喜び、『舞姫』の「受胎告知」シーン引用に笑い転げ、にやにやしながら最後まで一気に読んでしまう。
読んでしまった後には(まるきり思惑通りに)読む本読む本ほとんどに「妊娠小説」のレッテルを貼りたくなってしまうのだ。困ったことだ。(笑)
今では伝説レベルのデビュー書評だが、切り口、読ませ方など斎藤氏のすべてが詰まっている。ついでに言うと、後々の書評にも、この時登場した作品がかなりの数、流量されている。まあ、なんとなくモデルとして取り上げやすいタイプの作品(典型例というやつ)は決まっているのでしょう。