紙の本
かわいそうなタイトルをもった作品だなあ...
2001/07/26 04:04
9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆたやん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を素晴らしいといったら、あなたって犯罪研究家か何か? って外れた返事が返って来てしまう。可愛そうなタイトルを持つ作品だ。この作品は。変質者列伝を集めた同名の作品があったりするもんだから、ますます可愛そう。
この作品は、ロシアが世界に誇るSFの傑作だって言うのに。映画だって出来てて、素晴らしい評価を得てるのに…。
凄く面白い作品だ。これは。感じる違和感は半端ではない。文化の違いなんだろうか? 違和感の所以は、異質の知性の所産の作品と接しているのだという確信だ。静謐で雑多で深遠で簡潔。相反する説明をしないと説明しきれないだろう。この作品は不可解だ。
本当、こんな名前さえ持ってなければ、勘違いされないで済むのにね。かわいそうな作品。
でも、それを乗り越えてこの作品に出会えたあなたは、この作品をまるで独占するかのように愛することが出来るだろう。
そう、まるで<ストーカー>のように。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
出来ないけれどそこにあるもの、その感覚の美しさに共感の持てる一冊。
何が起こっているのか当事者にも、当然読者にもわかっていない、それがリアリティを生み出し、物語の奥に引き込まれる感覚がある。
理解できないものへの恐怖と畏敬そのバランス、そこにしがみつかなくては生きていけない人間たちの悲しさ、SFが哲学であると思える良い作品でした。
紙の本
気になるモンキーのこれから
2022/09/06 12:35
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アルカジイとボリスのストルガツキー兄弟の作品、お二人ともに故人だ、兄のアルカジイは日本語も堪能で第五福竜丸事件を題材にした「ビキニの涙」という作品も書いているという、また、安部公房氏の「第四間氷期」のロシア語訳を行なっている。「惑星ソラリス」で有名なタルコフスキー監督により映画化されているというが残念ながら未見、ぜひ見てみたい。ストーリーはゾーンという異星の超文明人が地球に残していった正体不明の謎の地帯、そこに残された不思議な物体を金になると考えたストーカーと呼ばれる男たちが不法侵入して命がけで持ちだすというもの、そのストーカーの一人、レドリック・シュハルトを中心に展開していく。私は奇形で生まれたレドリックの子ども「モンキー」のこれからが心配でならない
紙の本
よく分からなかった
2021/07/04 11:48
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投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
具体的に何があったかの言及がなく読者の解釈を自由にしているが、特に終わりをもう少しはっきりした形にしてほしいと感じた。
電子書籍
想像が難しいお話
2020/06/18 20:37
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーカーと言っても、私達が想像しているストーカーではなく、SFの世界でのお仕事の名前。なかなかイメージがしにくく、読むのに時間がかかってしまいました。あとがきを読んだ後ならもう少し理解しながら読めたかも。
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ソ連SF。始まりも終わりもない感じのストーリがいい。(いちおう、ファーストコンタクトものと銘打たれているけど、宇宙人は出てこないっす。)
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タルコフスキーの映画の原作。映画とはほとんど違う(同じなのは願いがかなう、ゾーン、ストーカーぐらい)ため、映画も小説も両方見ておくと、単体では見つからなかった発見があっておもしろい。想像も膨らみます。
内容には、人間の本能的な欲求や異質なものが都市に現れた時の社会問題など現代の社会にも通じる点が多いように思う。そういう目で見ると単なるSFではなくとても示唆的な表現が多い、と思うのは深読み?
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世界観や人物描写の雰囲気が非常に気にいった。ロシア人の飲み方は非常に気持ちが良い。エンディングは悲しさと爽やかさが入り混じるような複雑なものだった。
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正直よく判らなかったんだが、その割に面白く読めた。
作中の状況は(何のメタファーかと云うことは抜きにして)理解はできたが、物語全体のテーマとかがイマイチ把握出来ませんでした。
色々難しい。
あと、DTBの、元ネタの一つなのではないかしら、と訝ってみたり。
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2chの「チェルノブイリって今どうなってんの?」スレで紹介されていた。ちょっと面白そう。
チェルノブイリ原発事故の運転員の名誉回復がされているのかを調べたかったんだけど、されてない、かな?
ソ連崩壊直前に運転員の名誉回復のチャンスがかすかにあったんだけど、名誉を回復すべきソ連政府が無くなって、ロシア政府も、ソ連崩壊後のどたばたでそれどころじゃなくなっちゃったっていう……。
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タルコフスキーが監督をした同名の映画を久しぶり観て素晴らしかったので、原作を読んでみた。
映画はゾーンという不思議な空間と、その空間に侵入するストーカーという設定以外は全くと言っていいほど違う物語になっていてビックリ。しかし、原作もさすがに面白かった。
ゾーンという不思議な空間に存在する不思議な物質を持ち出してお金に代えるのがストーカー。この設定がとにかく魅力的。さらに、このゾーンという謎の空間は誰がなんのために作り出したものなのかは全く謎のままで、主人公たちもそのことにはあまり興味がなくただひたすら生きている。どうやら異星人がフラっと地球に立ち寄ってゾーンを作ってサッサとどっかに行っちゃった。みたいなんだけど、もしかしたらゾーンが世界を変えてしまうかもしれない。人類を変えてしまうかもしれないという示唆もしている。
異常な環境でいかに生きるか?というテーマは同じくタルコフスキーが監督した「惑星ソラリス」に近いものも感じた。
ところで、この本なんで絶版なの?再発希望します。
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ソビエトSFの名作。映画化もされているが、どうやら小説と映画ではかなりストーリーが異なっているようだ(映画は未見)。
ソビエトを始めとする、かつての『東側』の小説には、独特の雰囲気があって、純文学でもジャンル小説でもそれは変わらないように思う。
本作では民間伝承にもありそうなオーソドックスなプロットを基にしながら、独特の雰囲気を持った印象的なハードSFに仕上がっている。『願い事が叶う』というのは如何にも寓話的、神話的なポイントだよね。
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アルカジイ/ボリス・ストルガツキーのストーカーを読みました。
30年前にタルコフスキー監督の映画で観たSFの物語です。
やっと原作を読むことが出来ました。
地球外の高度な知的生命体が地球上に残していった痕跡はゾーンと呼ばれていて、人知の及ばない装置や物体が存在しています。
人間の命を奪うような危険が満ちている世界なのでした。
命をかけてゾーンに潜入し、戦利品を盗んでくるストーカーと呼ばれる人たちが描かれています。
ストーカーであるシュハルトがゾーンに侵入して戦利品を持ち帰る経緯を描写することで人間の理解を超えた存在と人間との接触が描かれています。
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異星文明の痕跡が残る“ゾーン”から、様々な代物を持ち帰る“ストーカー”。
彼らが人間の知識や常識を超越している危険な空間へ、命を掛けて潜入する理由はただ一つ、カネのみ。
レドリック・シュハルトを中心として、個性ある人物がゾーンと関係し、人生を良くし悪くする。
しかし、原題の「路傍のピクニック」が表している通り、宇宙人がピクニックして捨てていったゴミに、人間が虫のように接触しているに過ぎないのでは…と、スケールが大きいのか小さいのか途中からわからなくなる不思議な感覚を途中で感じました。
様々な評価があるに違いない一冊ですが、私は気に入りました。
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2007年に発売されたウクライナ製PCゲーム「S.T.A.L.K.E.R. Shadow of Chernobyl」の大型MOD「Lost Alpha」のプレイをきっかけに本作の存在を知り、読んでみました。
ゲームと本作ではストーリー自体がそもそも異なりますが、本作を元にした要素がそこかしこに見られ、ニヤリとさせられます。
ゲームと切り離し、一つの小説として見ても、月並みな感想ではありますがとても面白い。
派手なアクションはありませんが、「ゾーン」という極限状態の中で、人は何を考えるのか、どんな行動を起こすのかが、「ストーカー」レドリック・シュハルトを始めとした登場人物の口や行動から描写され、読む者を引き込ませます。
機会があれば、映画版『ストーカー』と、同映画のもう一つのシナリオとも言うべき、ストルガツキー著『願望機』も目にしてみたいと思います。