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投稿者:Fortheseventhgeneration - この投稿者のレビュー一覧を見る
運動すると脳細胞が活性化して集中力や記憶力、創造力、ストレスに対する抵抗力が高まり、思考の速度が上がり、平常心を取り戻すことができる。
扁桃体は生存に欠かせない警報システム。その反応でコルチゾールの血中濃度が上がると扁桃体がさらに興奮する。ストレスがさらにストレスを呼ぶ悪循環である。体内にはストレス反応を緩和して、興奮やパニックを防ぐブレーキペダルがあり、その一つが海馬だ。扁桃体がアクセルを、海馬がブレーキである。
海馬細胞は過度のコルチゾールにさらされると死んでしまうため、慢性的にコルチゾールが分泌されると海馬は萎縮する。アクセルである扁桃体は海馬が萎縮してブレーキが利かなくなると暴走を始める。ストレスがストレスを生むという悪循環だ。長期的なストレスによって脳が損傷を受けるのは、この悪循環によるものだ。
前頭葉もストレス反応を抑制している。前頭葉もやはりストレスによって萎縮する。極度の心配性に人は前頭葉の各部位が小さい。
定期的に運動を続けているとストレスを抱えていても、コルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていく。ストレスに対する反応は、身体が運動によって鍛えられるにしたがって徐々に抑えられていく。
前頭葉や前頭前皮質など、ストレスを抑える脳の部位は25歳くらいになるまで完成しない。扁桃体は17歳でほぼ完成する。思春期の子供達が感情の起伏が激しく、衝動的で、いつも何かしら悩み事を抱えているのも無理はない。
運動は抗うつ剤よりも強力である。うつ病の症状を最終的に取り除いてくれるものは、主に大脳皮質や海馬で作られるBDNFというタンパク質だ。BDNFは、脳細胞が他の物質によって傷ついたり死んだりしないように保護している。新たに生まれた細胞を助け、初期段階にある細胞の生存や成長を促す。脳細胞間のつながりを強化し、学習や記憶の力を高めている。さらには脳の可塑性を促して細胞の老化を遅らせる働きもしている。この他にも挙げればきりがないほどメリットがある。
うつ病の人はBDNFの分泌量が低い。運動することによってBDNFが生成され、そのBDNFが脳細胞新生を促して数々のメリットがもたらされるのだ。
BDNFの生成量が最も多かったのは、記憶の中枢である海馬である。運動以上に記憶力を高められるものはないといえる。
1秒で約10万個の脳細胞が失われている。脳そのものは毎年0・5〜1%ずつ縮んでいく。海馬は1年で約1%ずつ小さくなっている。
軽い運動のグループの海馬は1年で1・4%縮んでいた。持久系のトレーニングを行ったグループは海馬が成長して1年で2%ほど大きくなっていた。BDNFが海馬の成長を促したと考えられる。
歩きながら単語を暗記すると覚えられる単語が20%増える。
海馬でBDNFが増えることで、短期記憶は長期記憶の貯蔵庫に転送されやすくなる。ピアノを弾くときには、運動してから練習すれば上手に弾けるだろう。学びたいと思うどんな技術でも、事前に運動をすれば、BDNF分泌の恩恵を受けて、学んだことが長期記憶になる段階でしっかり固定される。つまり脳の細胞同士のつながりが強くなって、離れにくくなる。覚えたいことが言葉であれ動作であれ、その恩恵を受ける。
身体を活発に動かせば、脳細胞の新生は2倍に増える。
2万人の70〜80歳の女性を対象に20年以上にわたる調査によると定期的に運動している女性は、座っている時間が長い女性よりも過去の出来事をよく覚えていた。集中力や注意力も運動している人の方が上まわり、知的な能力が生物学的におおむね3年若返っている。
毎日、意図的に歩くと認知症の発症率を40%減らせる。
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P65
ストレスが長引くほど海馬と前頭葉が蝕まれていく。
P90
運動は可塑性を高める
運動は短期記憶が長期記憶に代わる仕組みを助長する。
運動は脳内で情報を伝達する機能を亢進する。
ストレスは上記三つの全て逆の反応を起こす。
P91
ストレスの緩和が目的なら30~45分の有酸素運動が有効。習慣にすれば、海馬と前頭葉のブレーキペダルが強化される。
P117
運動をした直後にドーパミンの分泌量が増える。ドーパミンは注意力と報酬系のシステムを調整してくれる。そしてドーパミン分泌量は運動を終えた数分後に上がり、数時間はその状態が続く。
P134
集中力を高めたければ、ランニング。そして、それを習慣にする。集中力が改善される効果が定着するまでには、しばらくかかる。
P156
運動は抗うつ薬よりもうつ病の治癒に効果がある。さらに、有酸素運動により最強の物質BDNFを増やすこともできる。
P160
週に二度以上の運動を行っている人は、より社交的で、神経質な面が少なかった。
P171
運動の直後だけでなく、丸一日快調に過ごすためには、定期的に数週間続ける必要がある。モチベーションを上げたいなら、初めの1,2週だけで多くの結果を期待してはいけない。
P176
運動以上に記憶力を高められるものはない。
脳の記憶中枢である海馬は、1年で約1%ずつ小さくなっている。しかし、持久力系のトレーニング(週に3回、40分、速足で歩いただけ)を行った被験者たちの海馬は縮まるどころか成長して2%ほど大きくなっていた。これは脳の肥料であるBDNFが海馬の成長を促したと考えられる。
P204
暗記の能力はランニングによって、連想記憶は筋トレによって高まる。カギをどこに置いたのかを思い出すというような記憶は、ランニングと筋トレに両方に影響を受ける。
P206
脳トレでは頭はよくならない。つまり集中力や創造性が改善されたり、あるいは記憶力が向上したりしない。単にそのゲームが上手くなるだけ。
P234
20~30分ランニングをすると、創造性が高まる。主にブレインストーミングの能力。
P255
知能指数の高さと相関性があったのは持久力のみで、筋力とは無関係だった。
P259
脳に効果を及ぼすには何より心拍数を上げることが重要だとされている。脈拍を1分間に150回前後まで上げることを目安にしよう。
P271
毎日意識的に歩くと認知症の発症率を40%減らせる
少なくとも週に5回、20~30分歩く。もしくは週に3回、20分のランニング。
P288
地球上に初めて現れた脳細胞の最も大切な仕事はその生き物を移動させることだった。それが植物と動物の違い。つまり体を動かすことが脳に影響を与えることは至極当然であり、逆に体を動かさなければそのためにできている脳も機能しない。
P297
体を動かすと、脳は食べ物や新しい住みかを探していたのだと解釈し、報酬として多幸感を与えてくれる。
逆に座りがちでいると調子が悪くなる「お仕置き」をされることもそれで納得がいく。
→まるで利己的な遺伝子
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人間の脳は狩猟採集で生計をたてていた時代から変わりがない。狩猟採集は色々な場所に行った方が利益が高い。そのため、人間の脳は体を動かした方が生存確率がよくなる。そのせいか有酸素運動を30分以上した方が、脳が脳由来神経栄養因子を出しやすくなる。そうなると、脳が大きくなり、また脳内の血流が多くなるため、認知能力が高くなる。週3日以上有酸素運動が効果は高い。ただ、筋トレはそれほどまだ効果が実証されていない。また、脳は年齢問わず、成長する。
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脳を鍛えるには運動しかない。がもっとコンパクトにしかも科学に裏付けされわかりやすく書いてあった。説得するための文章としてもよかった。運動しよう。
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運動と脳が深く関係していることがよく理解できた。
日頃からの運動を習慣化するのが大切で、ハードな運動過ぎてもダメだとわかった。心拍数を目安にする。
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莫大なお金をかけて開発されたうつ病の薬よりも、1週間で150分のウォーキングもしくは20分×3のランニングが何よりもボケを防止するための良薬だといことをこの本は教えてくれる!!運動することによって海馬が鍛えられて記憶力も上がっていく。さあ、明日から自分の生活習慣を変えて運動を取り入れていこうと思わせてくれた一冊!!
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運動は、身体のみならず、脳や心にも良い影響を及ぼす。
・最低30分のウォーキング
・ランニングを週に3回、45分以上
・有酸素運動>筋力トレーニング
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ウォーキングか軽いジョギングを150分/W、30分✖️5/W
ランニング20分✖️3/W
有酸素運動
心拍数 最大150
ヒトゲノムには約23,000個の遺伝子
ARHGAP11B 大脳皮質の発達を促す
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<目次>
第1章 自分を変える「ブレイン・シフト」
第2章 脳から「ストレス」を取り払う
第3章 カロリンスカ式「集中力」戦略
第4章 「やる気」の最新科学
第5章 「記憶力」を極限まで高める
第6章 頭の中から「アイデア」を取り出す
第7章 「学力」を伸ばす
第8章 「健康」な頭脳
第9章 超・一流の頭脳
第10章 「一流の頭脳」マニュアル
<内容>
科学的に分析した、人間のパフォーマンスを高める技術を書いた本。最新の「脳科学」を取り入れて書いてあるが、その内容は陳腐というか、今までよく言われていたこと。目新しさはない。歩け(有酸素運動で)。運動しろ(週3回程度。各回45分程度)。この結論であった。
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*より高い効果を望むなら、最低30分のウォーキングをしよう。
脳のために最高のコンディションを保つためには、ランニングを週に3回、45分以上行うことが望ましい。重要なポイントは、心拍数を増やすことだ。
そして、有酸素運動を中心に行おう。
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脳を活性化するには、運動だ!
ということを沢山のエビデンスで示した本。
期待とは違ったけど、読みやすく面白かった。
子供の頭を良くするにも持久系の運動が良く、認知症予防にも鬱病回復にも持久系運動が良い。
あーたしかに、運動部で最後まで部活していた人たちが意外に受験に成功することが多くあったと思い出した。
そして子育て軸のひとつに運動を入れようと改めて決意。
最低30分のウォーキング、理想は週3、45分程度のランニング。
そうすれば半年後には目覚しい効果が現れるとのこと。
さて、この本には関係なく5月から歩く量を増やしてみたのだが、となると11月頃には今までと違う頭になってるのだろうか?
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エジソン「身体の主たる機能は脳を持ち運ぶこと」
大人になっても脳の神経可塑性は失われない=いくつでも脳は変われる。20~30分の運動で変われる。
運動すると、ストレス物質コルチゾールの分泌をコントロールできるようになる。ストレス時にコルチゾール濃度が上がらない。
長時間一回より短時間数回。週2回以上でストレスとは無縁になる。
ある程度負荷がかかる=心拍数が上がるほうがよい。最大心拍数の70~75%程度。
運動によってドーパミンが出る=集中できる。運動後数時間は続く。
インターバルトレーニングでBDNFが増える。
ランナーズハイ=エンドルフィンと内因性カンナビノイド。歩くだけでは出ない。
海馬は年々縮小している。運動で防げる、あるいは大きくできる。
運動と同時に記憶すると記憶力が増す。ただし激しい運動はだめ。走りすぎると忘れっぽくなる。
太ったクリエイターはいない理由=運動が創造力を鍛える。
放っておくと脳は食べたがる
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頭脳を鍛えるには運動です、という話。
昔読んだ「脳を鍛えるには運動しかない」に近い内容ですね。
主にランニングやウォーキングをすすめていますが、もっといろいろな運動の方法はある気はします。
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読んで「運動をしなきゃ」というモチベーションは上がった。
筋トレよりも有酸素運動か。少しプログラムを変えないと。
誰かにオススメしたいが、オススメされた人は読めと言われても読んでくれないだろうなぁ・・・
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運動することで脳は活性化する
脳トレは意味がない
ジョギング程度の負荷の運動を週3回
ストレス耐性、集中力、鬱、記憶力向上
筋肉にもストレス耐性物質あり
不安感を感じ続けていると脳は萎縮する
運動しながら暗記する場合はウォーキング程度の負荷が良い
暗記力はランニング、連想記憶は筋肉トレーニングが良い
刺激的な環境も記憶力には良い影響あり
創造性
発散的思考、指定時間内にレンガの使用方法を列挙
収束的思考、複数の課題の共通点を抜き出す
運動後数時間は創造性が上がる