ドストエフスキーの長編傑作のマンガ版です!
2020/03/16 15:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ロシアの文豪ドストエフスキーの傑作長編『罪と罰』をマンガ化した画期的な一冊です。内容は、頭脳明晰だけれど貧しい元大学生ラスコーリニコフが、「一つの微細な罪悪は百の善行に償われる」、「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」という独自の犯罪理論をもとに、金貸しの強欲狡猾な老婆を殺害し、奪った金で世の中のために善行をしようと企てるも、殺害の現場に偶然居合わせたその妹まで殺害してしまうというストーリーです。この思いがけぬ殺人に、ラスコーリニコフの罪の意識が増長し、苦悩するのですが、彼よりも惨憺たる生活を送る娼婦ソーニャの家族のためにつくす徹底された自己犠牲の生き方に心をうたれ、最後には自首してしまいます。人間回復への強烈な願望を訴えたヒューマニズムが描かれた小説のマンガ化です。ぜひ、小説と一味も、二味も違った印象を読者に提供してくれる同書をお読みください。
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こちらのコメントは「ツァラトゥストラはかく語りき」でご覧ください。
2018/11/01 更新
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ドフトエフスキーの罪と罰を一度は読んでみたいと思ってたが量が多く躊躇っていた所にこの本を見つけた。
漫画だから数時間で読めて大体の内容は把握できた。
とても読みやすく印象的な作品だった。
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原作を読んでいないが、漫画は情景が絵図化されているので理解しやすかった。
物語として普通に楽しめた。
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名作が手軽に読めた。漫画のイラストも綺麗で古臭さがなく一気に読めた。登場人物も最初のページを見ながら読むと忘れても思い出せた。罪、良心、愛、など普遍的なテーマだからか、奇抜な内容ではない。
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罪と罰、小説の方に何回もトライしたが途中で挫折してしまっていた。
呼称が人によって違い、ファーストネーム、ラストネームの他にミドルネーム?あだ名のようなものとその人それぞれが関係性によって呼び方を変えたりしているようで、誰のことを言っているのか複雑だったりで読みすすめられなかった。
漫画は理解しやすくてやっと内容をすべて理解できたことに喜びを感じた。
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とても面白かった。
人間の思想、捉え方によってこうも人生が変わるとは。
いろいろ考えさせられる内容でした。
まんがで読みやすかったので、違うものも読んでみたくなりました。
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文庫版上下巻2冊を四苦八苦しながら読み終えた直後にこのまんがを手に入れ、復習のつもりで読んでみたが、やっぱり難解な文字だけよりも、まんがの方が理解しやすかった。逆にまんがから読んでもよかったかも?
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大いなる目的の為に、利他的な行為が根底にある自己犠牲をする……「乗り越えた」者の末路。
世間には到底認められない自己の理想の追求の先にあるものとは。
「私が酒を飲むのはね……もっと苦しみたいからなんですよ。私は酒の中に哀れみや悲しみを求めているんです……!」
「非凡人とは新しい思想を社会に持ち込むため…結果旧社会の伝統や倫理…そして法を破壊します-しかも彼らは自分の良心に従ってそれをやったのです」
ここでいう良心、とは世界全体に向けたものかな。小数の犠牲は今後救われる多くの命に比べれば安いものだというような。
罪を背負って生きるのではなく、恥を背負って生きることの苦しみだな。恥は罪を犯すことによって生じる社会的な罰。法律上の罰は救済なのか。実際に目に見える罰だけが救いになるのかな。これは自傷行為と似ている。精神的な苦しみを肉体に転嫁させている。
罪か恥か。ある意味では物理的な罰と精神的な罰か。人間は物理的な罰の方が耐えられるってことだな。これは行動経済学でも証明されている。
精神の死、これが自己犠牲。肉体は生きている。肉体の死の方が楽なんだな。
聖女、主人公の両方は他人のため、という動機で自己を殺して行動していた。
聖女は救いを聖書に求めた。ラザロの復活。苦しみを耐え抜けばいつか救いが来ると思っている。
主人公は大義に救いを求めた。だが世間で一般的なものではない、異端な大義。これは救いにならなかった。理想と現実のジレンマに苦しむ。
理想では、他人の為になり、世界の不平等を解決する正義の人。現実では、自分はただの殺人者。
「僕らは卵から生まれた少年と言う名の鳥なんだよ。卵は世界だ、生まれようと欲するものは一つの世界を破壊しなければならない。
鳥は、神に向かって飛ぶ。」
主人公は飛びきれなかったのかな。
夏油傑は飛びきれた。
話のまとめ
ロシアにも産業革命の波が来、農奴解放例が出て、農民が市民となり貧困から逃れることができそうな……という時代背景。
貧困に苦しむ、いちロシア人であり、法律を学ぶ大学生が主人公。金を溜め込んでいる婆さんの話を聞き、そんなに溜め込んでいるなら、どうせだったら世界の為に使いたいと婆さんを殺す計画を立てるが、そんな自分に怯えていた。
だが、妹が貧困に苦しむ兄の為に結婚するという話を聞き、妹の自己犠牲を見るのが辛い主人公は妹の状況をなんとかするために婆さんを殺してしまう。さらに計画にはなかった婆さんの妹まで。
主人公が前に酒屋で会ったおっさんが馬車に轢かれ、善良な主人公はその人を全財産を投げ売って助けた。おっさんには娘がいて、家族の為に娼婦となった、という主人公と同じ他者の為に自己犠牲をする人物であり、二人は交友関係を持つようになる。
主人公は自身と彼女を「乗り越えた者」と言い、自分を殺して世に尽くすことを厭わない高潔な精神の持ち主だと表現する。
主人公は罪を犯したことによって高熱にうなされた。その後に刑事と会い、論争が始まることとなった。
ここで主人公は凡人と非凡人につ��ての話を始める。
「凡人は現在の世界の在り方を保存する保守的な者たちであり、非凡人はその世界を破壊し新たな思想を築く者たちである。故によりよい理想的な世界を築く為には人殺しも許される。」彼は良心による殺人を認めた。
刑事は言う。「非凡人の良心はどうなるのか?人道的に苦しむのではないか」
主人公は言う。「良心に苛まれているならば、それがその人間への罰である」と。
主人公はますます罪の意識に苛まれ、生きることに恥を感じ始め、ふと通りがかった川に身を投げようとする。しかし、生きることによって受ける恥よりも理想という誇りを捨てることによって生じた恥の方が大きかった為、踏みとどまった。(多分)
彼は母親に会いに行き、別れを告げたあとに事を振り返った。
「母親、妹が俺を愛していなかったらこんなことは起こらなかった」と。
そして聖女(おっさんの娘)に会いに行き、罰を受けに行った。十字架を貰い、十字路にキスをして反省した。道徳的なあり方に従って行動するのに彼は充実感を得ていた。
その後出頭し、物語は終わる。
エピローグ
未だに理想を捨てられず、出頭を踏みとどまれなかったことを後悔していたが、理想を持つことによる謎の病によって彼の持つ理想の世界を見たが、他者をくらい合う世界であり、彼は遂に罪を認めてエピローグも終わった。
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『罪と罰』を読まないを読んでから気になり、文庫版を読もうと思ったが、他の本に目移りしてしまい未だに読めずにいる。
今回は、まんが版をサクッと読んでみた。
傑作長編を手軽に読めるのでいい。
かなり省略している感はあるご、これでも流れ的には申し分ないかと思った。
ラスコーリニコフはかなりのイケメンでソーニャは色気もある美人。(まんがならではの良さかな)
ラスコーリニコフの苦悩は、精神を病むほどのもので、これが罪に値する罰である。
ソーニャの存在が大きいのが改めてわかる。
ずっといてくれるという愛の凄さを知る。