明治人の破天荒な生き方を綴った、我が国の首相にまで登り詰めた高橋是清氏の自伝です!
2020/07/18 09:46
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、幕末の武士(仙台藩士)であり、立憲政友会第4代総裁、第20代内閣総理大臣を務めたこともあるが、総理大臣としてよりも大蔵大臣としての評価の方が非常に高い、愛称は「ダルマさん」で親しまれた高橋是清氏の自伝です。同書では、日本財政の守護神と称えられた明治人の破天荒な生き様と足跡が語られています。江戸・芝露月町の幕府御用絵師の家に生まれてから、明治6年(1873)文部省に出仕し、その後、ペルーに渡り鉱山経営に携わるも失敗し、帰国後、日本銀行に入り、日露戦争時は副総裁として英米にて戦時公債の募集に尽力するが、岡田啓介内閣で蔵相の在任中、二・二六事件に倒れるまでが記されています。中公文庫では上下2巻シリーズで刊行されており、同巻上巻は、「1 私の生い立ち時代」、「2 海外流浪時代」、「3 帰朝と青年教師時代」、「4 放蕩時代」、「5 大蔵省出仕‐失職‐文部省‐校長‐浪人」、「6 養牧業‐翻訳稼ぎ‐相場」、「7 再び官途へ―専売特許所長」、「8 欧米視察の旅―米・英・仏・独」、「9 旋風時代の国情」、「10 ペルー銀山の失敗とその後の落魄時代」となっています。
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日本財政の守護神と称えられた明治人の足跡。海外を流浪した青年時代、帰国後大蔵省に出仕するも飽きたらず、銅山経営のため南米に渡るまでを綴る。
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高橋是清は政治家だから当然、脚色もあるのだろうが、次から次へと話が展開していく。事実は小説よりも奇なり。目まぐるしく動く時代の息吹が感じられる話です。
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12歳くらいでアメリカに渡り、知らぬままに契約書にサインさせられ奴隷になったり、その頃から浴びるほど酒を飲んだりと、すごい破天荒な人だと思った笑
是清が農商務省で働いていたときの話も出てきて、前田正名や谷干城など、以前読んだ農業の本で知った名前の人物も出てきた。
最後のペルー銀山事件も、当時の状況を想像するだけで凄まじい。NHKのグレートトラヴァーズに出ても良さそうな感じではなかろうか笑
下巻はいよいよ日露の際の資金調達の話とか出てくると思うので楽しみである。
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津本陽の書いた高橋是清の生涯を描いた作品を読み、興味を持って本書を読んだ。
津本はこの自伝を元に小説を書いた事は明白で、エピソードも全く重なっているが、やはり本人の書いたものの迫力は全然異なる。
是清活躍の背景に傑出した英語の語学力がある。幕府の御用絵師の子に生まれ、仙台藩足軽の家に生後すぐ養子に出されたにもかかわらず、何故に秀でた語学力を身につけたか?
12才で横浜の外資銀行のボーイとして雇われ、14才でアメリカに渡る。コミュニケーションは英語オンリーの環境に置かれ、座学ではない語学力を身に付けたことが大きい様だ。今の日本の座学主流の英語教育を根本的に考え直す必要がある。
アメリカに語学留学したはずが奴隷として売られ、艱難辛苦の末帰国した是清は大学南校(東大)の教官三等手伝いの職を得、英語教師となる。そこでも外国人教員から英語を学び続ける。
その後、放蕩茶屋遊びから退職、芸妓のヒモ、唐津の英語教師、大蔵省、翻訳・通訳業、を経て、語学力を買われ、新設の農商務省に採用される。ここで是清は商標登録と専売特許の法制化に取り組み、欧米4カ国に特許制度調査に向かう。
ここからあっと驚く変身でペルーの銀山経営のためペルーに向かうがヘタを打ち、失敗。全財産を失い途方に暮れる。というところまでが上巻。
笑ってしまうエピソードが満載で読んでいて全く飽きない。
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今もそうなんだろうと思うけど、好奇心とか志とかに素直に従って行動すれば何でも経験できる、どんなものにでもなれるんだなと実感する。幕末、維新、明治の雰囲気が少しわかった。下巻で進む時代を読むのが楽しみ。
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高橋是清といえば、歴史の教科書において総理大臣経験者で二・二六事件の被害者と知るのみだったが、この自伝を読むことで随分と印象が変わった。
ペルー銀山での失敗までが描かれており、随分とヤンチャな少年時代から放蕩時代の話に至るまで、およそ総理大臣になる者の生き様とは思えないようなものばかりだった。
とはいえ、時代の流れを自分なりに見極め、国を良くするためにどうすれば良いかを考えながら生きており、その発露が些か破天荒な結果を招くだけなのだとよく分かった。
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江戸後期、1854年生まれの高橋是清の自伝。若い頃に留学して、語学を学んだ事が本人の強みになっている。
今では考えられないくらい色々な職業についている。
銀山開発に失敗したところで、上巻終了。
読みずらい箇所もあったが、読み流し作戦で突破。
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経歴はそれなりに知っているつもりだったが、ここまで破天荒とは思っておらず、とても面白く読めた。人間としての強さと魅力を感じる。
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自伝なので脚色もあるだろうがちょっとドラマ化したら少し薄めないとドラマにならないだろうくらいの濃ゆい人生