紙の本
運命とは地獄の機械である
2004/05/08 21:56
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投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ギリシャ悲劇の大傑作! これほどむごく、痛ましい悲劇を読んだのは、沙翁シェイクスピアの『リア王』以来。地獄の歯車が、かちり、かちりと、悲劇の奈落に向かって時を刻んでいるかの如き趣。
この作品、史上屈指の悲劇的なミステリと読むこともできそう。なんせ、探偵役の人物が××であり、殺人事件の証人であり、加害者でありながらまた被害者でもあったという設定。実に恐るべき心理のドラマが、主人公の胸中で展開されます。最初は小さな疑惑に過ぎなかったものが、みるみる確信へと転じて行きます。
主人公の心中にさざ波が立ち、黒雲むくむくと、するうちに嵐の襲来、そして破局。
スリリングな話の成り行きを見守るうちに、ぞくぞくしてきました。
おしまいに、ジャン・コクトーの言葉から。
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紙の本
知らずにいることの幸福
2003/02/08 22:29
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投稿者:ねんねじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人知の及ばない絶対的な力による悲劇を描いたものでこれ以上のものはないと思う。この悲劇は、「オイディプスはそういう運命だったのだから仕方がない」という一言なんだと思う。
この戯曲を読むと、知るという事がはたして本当に幸せをもたらすのかという疑問が浮かんでくる。自分のルーツや自分自身を知ることが自我の確立には必要なのだという考え方は、はたして幸福を約束するものなのか? 知らずにいたほうが幸せなことだってあるだろう。あれほどの賢人オイディプスでさえ本当の自分というものが耐えられなかったのだ、まして凡人以下の私だったらと思うと怖くなる。
紙の本
オイディプス王
2001/04/19 15:22
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投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オイディプス王は神の予言どうり父であるライオスを殺し、母であるイオカステと寝台を共にする。あまりに悲劇的な現実にオイディプスは盲目になる事を選ぶ。ギリシア悲劇の傑作。
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蜷川幸雄演出、野村萬斎主演でアテネで舞台公演が行われ大成功を収めた古典劇の原作。 運命の大きな力によって、避けられない悲劇の結末へと否応無く導かれて行く王の姿を見事に演じた萬斎の舞台を観て感動。是非読んでみたい一冊。 ちなみにまだ読んでません。
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所謂エディプスコンプレックスの、エディプス。というのはさておき、怒濤のダイナミカルな悲劇でガッと読めます。おすすめ。
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「オイディプス・コンプレックス」の源泉として人口に膾炙する、ソフォクレスによるおそらくは最も有名なギリシア悲劇。
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超しろうとだけど、ギリシャ悲劇の「破滅一直線」感が好き。悲劇の予感に固唾を呑み、「ああ、来た」のカタストロフィーで得られる不思議な安堵感。なりきりギリシャ市民。なかでもオイディプス王は格別だと思う。そしてアンティゴネーを手に取らずにいられない…
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エディプスコンプレックスについて読みましたが、普通に読んじゃいますね、これ。
人間は知りたがりだけれど、知るということは必ずしも良いこととは言えないってことですね。
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エディプス・コンプレックスに関して考えてみたかったから購入したのだけど、普通に読み物として楽しんでしまった。
初めて読んだギリシア悲劇。
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ギリシア三大悲劇詩人の一人ソフォクレスの作品。
オイディプスが真相に辿り着くまでの認知劇はギリシア悲劇の中でも最高傑作だと思う。
この作品を読んで思うことは、悲劇と喜劇は紙一重の差しかない、ということ。
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オイディプスが先王殺害犯人の探索を烈しい呪いの言葉とともに命ずる発端から恐るべき真相発見の破局へとすべてを集中させてゆく緊密な劇的構成。発端の自信に満ちた誇り高い王オイディプスと運命の逆転に打ちひしがれた弱い人間オイディプスとの鮮やかな対比。数多いギリシア悲劇のなかでも、古来傑作の誉れ高い作品である(表紙より)
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ものすごく悲劇。泣きます。
泣かされた感のある話は嫌いですが、これはそうじゃないです。
程度は違えど、誰のなかにもある恐怖と絶望を、理性と感情に乗せて描いています。
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あれ?既にオイディプスが結婚してしばらく経ってからが始まりなんですね、意外。
もーこれ誰も幸せになんないじゃないですか。本当に悲劇。
次々と疑惑が晴れてみんなが顔面蒼白になっていくあたり、「もういいよ、そこまでにしときなよ!!」って止めたくなりました。
09.07.19
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ずっと読もうと思っていた古典名作ものをやっと読めて
個人的に満足。
あ〜神々の呪いオソロシヤ〜
考えたらオイディプス自身に非は全くないのよね。誰も責めることができないところが
そもそも悲劇なのか・・・
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必死に抗おうとし、探求しようとする善意による行為こそが運命に操られている。
ただ、アリストテレスや解説が絶賛するほどに素晴らしいか?
後の人々にも多大な影響を与えている点を考慮するとしても、
シェイクスピア悲劇のが悲劇的だし、ラシーヌのがより形式的古典性でも精度が高い(また内容でも同等以上)と思う。