紙の本
ニンゲンとドーブツ
2020/11/06 22:33
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サブタイトルは「動物のイメージを科学する」。期待して読んでみましたが、あまり内容物は濃くない。結局イメージの話を超えない感じでした。
紙の本
イメージは人間側がつくるものだから。
2020/07/25 18:52
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物に感じる「イメージ」をいろいろと分析してみる、という一冊。古くからあることわざを集めてみたり、動物との関わりの歴史を振り返ってみたり。
ヒトの生物学的な性質から作られてしまったイメージの動物から、「言い伝え」などで分化的に違うイメージを付けられた動物もある。調べられた結果イメージの変わってきた動物もある。
人間が「どう捉えるか」なのでいろいろな偏見があることは納得できるが、タイトルの「動物の言い分」は結局誰にもわからないだろうなというのが率直な感想。「他人の気持ちはわからん」というのと同程度のことなのだろうが。
さまざまな動物の現状紹介などもあり、そういうところを「伝えたい」というのも著者の執筆動機のようだ。いや、それがかなり大きいかもしれない。著者の体験談の部分がかなりあるのがそれを表明している気がする。
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動物の名前や行動などが入っていることわざ,動物をいくつかのグループ(飼育する/しない,品種改良する/しない(野生動物)などに分けて,各グループについての説明など。この分類の図は参考にできるかも。あとは,本などに書かれている(論文というわけではない感じの?)ことも引用しつつ,比較的主観(というか経験者の直感)みたいな話が多いような印象。
これを実証的にも検討する,という形での参考にしかたはできるかな。
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図書館にオススメされたので読んでみました。
客観的事実というよりは著者の主観が多く、どうでもいいことも多かったのですが、著者の生き物に対する尊敬の気持ちは私も共感できました。
歴史的に見て現代ほど自然から離れた都市生活者が多い世の中は未だかつてありません。
そのため、現代人にとって動物といえば身近なペットと映像のみ。なのでその他のよくわからないものや人の害になるものはとにかく排除、という風潮に著者は警鐘を鳴らしています。
確かにね。
ダニや菌の存在を必要以上に悪者にし、除菌を迫るCMにはうんざりしていたし、パンダをアイドル化する一方でオオカミを絶滅に追いやる極端な世の中が良いわけ無いな、と感じてました。
すべての生き物とは対等に共存している、という事実を忘れないようにしたいです。
あ、それと、本題とは逸れますが、知らなかった動物豆知識が面白かったのでメモっておきます☆
・ネコは夜でも目が見えるから、これから起きることが見通せるということで福猫とされ、商売繁盛などにつながって、招き猫が作られた。
・米を食べるネズミは害獣で、だからネズミを食べるキツネはありがたがられ、キツネを祀る神社は「稲荷」つまり稲を運んでくれる神とされた。
・日本人は世界の中でも昆虫好きといえる。昔からホタルや鈴虫を飼育して季節を愛でたり、子供がカブトムシを飼育するのは普通のことで、日本の子供の多くはファーブル昆虫記を読んでいるが、本場フランスでは、ファーブルの名前を知っている人事態が少なく、昆虫に関心を示す人はほとんどいない。
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第1章 たくさんある動物にまつわる言葉
第2章 動物へのイメージはどこからきたのか?
第3章 ペットとしての動物
第4章 家畜としての動物
第5章 代表的な野生動物
第6章 利用される「野生」動物
第7章 動物観の変遷
第8章 私たちは動物とどう向き合うか
著者紹介
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●人間が持っている動物に対してのイメージは文化や時代によって変わっていく。どうしてその動物にこういうイメージを抱くのか化学的にアプローチしている。
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ヒトが独擅場と自負する知能は狩猟する獣に共通する。遊牧は文明の原点で、定住化=農業開始は能力退化。人類は“自己家畜化”することで“繁栄”してきたが、ハンターではなくドンキーになることでもあった。農業はリスク低減に見えたが気候条件などで大きく成果に上下がでるし、水路確保などで広域代表権力の誕生も促した。採集捕食者とのバトル開始でもあった/著者の専門はシカ。遺体の腐敗はヒトに共通する、鎌倉、~桃山時代、江戸時代初期までよほどの貴人でなければ葬儀はせず“河原に置き捨て”だったらしい。葬儀と埋葬をするのはヒトだけ
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教科書を読んでるみたいな感じでした。そんなにかたっ苦しい難しい文章でもないのに、なかなか読み進まず…。都市化が進んだ現代社会と、昔とで日本の生き物とのあり方、考え方が変化してる事はよく分かるが、だからどうしたらいいのかがハッキリされてはなくなんかダラダラとした印象でした。動物のイメージについては、しっかり文章で書かれてるので、へ〜。となります。
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案外、評価の低いレビューが多かったですが、私自身は楽しんで読むことができました。
かつて日本では人々の生活環境と自然の距離が近く、手が届く/目に触れるところに野生動物(タヌキヤキツネなど)がいました。
農耕・畜産などの性産業も身近で、「食べる」という行為は食糧を確保する=採集/収穫するか、獲物を狩猟する→調理する→食べる→片づける、という一連の行動すべてを指していました。
現代では都市化が進み、身近な動物は「ペット」か「動物園のアイドル化された動物」か「TVで見る自然番組」となり、動物に対して抱くイメージも、その実態とはかけ離れたものになっています。
たとえば、「可愛いアイドル」として絶大な人気を誇るパンは熊に近い野生動物ですし、「卑怯者」「悪者」というイメージのあるオオカミはかつては「大神」として敬われる存在でした。「狡猾でずるい」と思われているキツネも、やはり神(=稲荷)だったのです。
これら、今の私たちが動物に対して抱く「誤った(動物生態学的な視点からみると間違いの)イメージ」がどこから来たのか、ということや、人と動物/人と自然の関係がどのように変化してきたのか、という点が丁寧に説明されています。
また、これらの考察を行うにあたって、人が飼育するかどうか/品種改良がなされたかどうかという点から、
・品種改良がされて飼育されるペット(イヌなど)
・品種改良がされて飼育される生産動物(ウシなどの家畜)
・野生動物のまま飼育されるペット(アライグマなど)
・野生動物のまま飼育される生産動物(鹿など)
・飼育されない野生動物で人に利用されるもの(兎など狩猟の対象となるもの等)
・そのほかの野生動物(人が利用しないもの)
の6つのカテゴリに分けるという視点は新鮮でしたし、理論的だったと思います。
人間と動物との関わり方に正解はありませんし、そのことについて筆者は「問題に対する処方箋は書けない」と正直に打ち明けつつも「ささやかな提案はできそうな気がする」と述べています。それは、子どもたちを中心に自然を体験させること。かつて(少なくとも高度成長時代以前には)あった、自然を身近に感じられるような生活を送って動物のありのままの姿を知り、「誤った」イメージを修正すること。
本書の最後の一文、「知りたいものがあれば、勉強は楽しい」は至言です。