グローバル社会における人事戦略の教科書です!
2018/07/03 12:12
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、企業の人事こそが最大の経営戦略になるという考え方のもとに、日本の従来の人事を、現代急速に進んでいるグローバル化に合わせて、人材の多様化、人材の流動化、人材需給のグローバル化に対応させて、改革していこうという書です。なかなかチャレンジングな内容ですが、読んでいくと、「なるほど!」と納得できる内容であり、企業経営者や組織で人事に携わる人には有用な教科書的な書だと思います。
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人事こそ最強の経営戦略
2018/6/13 著:南 和気
事業のグローバル化を進めるための重要な差別化要素として価値を高めているのが「人」である。グローバル市場で企業の人材・組織を支える人事のグローバル化、すなわち「グローバル人事」がますます重要となっている。
人事のグローバル化に求められるのは、日本企業で行われてきた人事施策を「人材の多様化」「人材需給のグローバル化」「人材の流動化」という三つの変化に対応したものにいわば、バージョンアップしていく作業であり、なにか新しいことをゼロからスタートするといったことではない。「外国人だから」「海外子会社だから」という違いの前に同じ「人」を扱う仕事であり、「人材の価値を最大化する」という意味では、人事の仕事の本質はなにも変わらない。
本書の構成は以下の6章から成る。
①グローバル人事とはなにか
②人の価値を正しく測る
③人材配置を成功に導く戦略
④グローバル・リーダーをどのように育てるか
⑤自ら成長し変化する最強の組織づくり
⑥テクノロジーがもたらす未来の人事
書名である「人事こそ最強の経営戦略」、全くもってその通りである。ますます「人」の重要性については疑う余地はなく、長いスパンで経営を捉えた際には、「人」「人事」の考え方ひとつで企業のすべてが変わってしまうと言っても過言ではない。
本書では特にグローバル人事に焦点を当てて、著者の経験と知識から体系的に素晴らしくまとめられている。本書を読んで感じたことは、グローバル人事も旧来の日本型人事においてもやはり扱うのは「人」であり、それはこれからも変わることはない。
本質ではすべてがつながっており、グローバル人事の中にこそ、今、日本型人事の本質が隠れているようにも思う。
学びそれを活かすという視点においては、今の自分が行っている「人」関連の業務にも大きな気づきをもたらせてくれた。
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日系企業が真のグローバル企業になるために、いかに人事が大事であるのか?
現在の社内外の要因から説明している内容。
やはり人は勝手に育つものではなく、育てるもの。
それもグローバル化を念頭に置いた上で、戦略的に育てる必要があるのか?
本書を読むことで痛切に感じる。
自社に置き換えてここまでできているのか?と色々と考えさせられる。
会社の事業ステージ・またどうありたいのか?で、目指す方向は当然変わるが、
本書に書かれたポイントは極めて重要であり、仕事にも生かしていきたいと思う。
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実務家の経験に基づく内容だけに、記載も具体的でわかりやすい。これが理論として、あまねく企業にフィットするとは思わないが、「我が社には向いていない」と言われることを恐れることなく、一例として非常に参考になる。
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5に近い4。グローバルと言いつつもそれ以外の企業にも通用するベーシックな考え方がまとめられている。かなり実用的
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経営に合わせて人事戦略を組み立てようという普通の話であるが、まとまっている。
グローバルな経営をするのであれば、客観性、年功序列より適材適所、密室ではなくオープンな人事が重要となる。また、10年くらいの時間軸となるため、中期長期経営計画には必須となる。
経営に合わせてモデルは吟味すべきである。事業部モデルは組織の重複、人事の固定化が難であるが、人を内外で育てるのであれば行き来は容易である。マトリックスは理想的だが、レポーティングラインと責任が複雑になってしまう。中途採用はコストがかかるので、新卒でいく日本式はうまくやればコストを抑制し、優秀な人材を確保できる方法としてグローバルでも通用する。
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2018年10月読了。
「管理部門は事業部門のことをよく分かっていない」(あるいはその逆のものいい)とか、「◯◯部門らしい考え方ですね」と言った物言いはよく耳にするが、そういった部分最適に陥らないように、特に人事部門の理屈だけで押し切ることのないようにということは普段からよく考えていること。
「経営にとって最適な人事部門」たるべく、やらないといけないことは多い気がするし、唯一解はなさそうだ。
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海外で事業展開をする企業の人事制度についての考え方をまとめた教科書的な本。
よくまとまっていて参考になる。手元に置いて参照したい。
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グローバル化に伴ってグローバル人事もと言われるものが必要になるけど、グローバル人事とは何か?
対応しなければならないこと
・人材の多様化(多様な人材を活用し成果に結び付ける)
・人材需給のグローバル化(海外を含めた人材ニーズの把握と供給)
・人材の流動化(主要な人材の退職などのリスク対応)
これらを進めるときの論理的オプションとしてどんなものがあるか?何から始めるか?が説明されている。
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GE
9ブロック 業績とバリューでの評価
セッションC 必要人材と今のギャップをどう埋めるかセッション
スタバ
意欲、能力、エンゲージで評価
ノーレイティング
ランク付けをやめる。ベルカーブによる相対評価ではAよりのBや、となりの部署ならAなど出てしまう。もっと細かく各自の仕事成果を記録として残して評価する仕組み。
どのような目標をどれくらい達成できてるか
どのような成果をあげているか
将来のキャリアに対してどんな考えか
7対2対1の法則
育成で7割は仕事のけいけん、2割は上司や顧客からの学び、1割は研修書籍での学習
研修は何かを教える場ではなく、何を学ばなければいけないか気づかせる場
本人の学ぶ意欲、学ぶ内容、学びを使えるタイミング、の3つがどれだけ意識されているか
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【人事こそ最強の経営戦略】
先輩から人事のことを体系的に学べる本として勧めていただいた本。
グローバル人事に関して体系的に学べたので、
人事初心者やグローバル人事に興味がある人におすすめ。
人事はほんと経営者のパートナーだし、
より組織(会社)が良くなるためにも人が重要。
人に関するエキスパートになる必要性を感じ、
企業の発展のために欠かせないグローバル化に対する取り組みが記載されてました。
印象的な箇所は以下の通り。
経営者×人事の知見、経験を身につけていこう。
余談やけど、
人事は理論的には分かることが多いけど、
実際に取り組む際に障害が多いなと思う日々です。
1.
成果につながる要因で大きいのは、
経験とモチベーション。
海外ではスキルよりも経験を問う。
2.
人事パーソンに求められる仕事
・育成を担う管理職やリーダーを支援する仕事
・組織全体を広く見渡して、問題解決を行うような仕事
3.
グローバル人事パーソンに求められる能力
・人の価値を客観的に見定める力
・本音を引き出す力
・組織の課題を見抜く力
4.
多様化そのものは目的ではなく、
多様化を事業に活かす戦略実行が目的。
5.
ノーレイティングという評価制度を海外企業が積極的に行うのは、2000年以降に大人になった優秀なミレニアム世代を囲い込ため。
この世代は、「個性や、この考えを大切にしたい」というニーズが強いと言われていて、一人ひとりをきちんと認め、より能力を高めることに寄与する人事施策が求められているから。
6.
研修は、何かを教える場というよりも、今、何を学ばなければならないかを本人に気づかせる場であり、何を学ぶかは本来個人によって異なります。
7.
組織開発とは、社員が理念、価値観、文化など形のないものへの共感を促す取り組みです。
8.
グローバル人事において対応しなければならないこと
・人材の多様化(多様な人材を活用し成果に結びつける)
・人材需給のグローバル化(海外を含めた人材ニーズの把握と供給)
・人材の流動化(主要な人材の退職などのリスク対応)
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国内マーケット縮小による経営のグローバル化の必要性、事業環境がスピーディーに変化する時代にあってイノベーションを支える「人」の重要性の高まりを前提として、日本企業の成長に欠かせない「グローバル人事」のあり方が描かれる
筆者によると、「グローバル人事」とて「人を育て、組織として機能させる」という人事の基本は変わらず、ゼロから新しいものを作り上げたり、海外企業の人事施策を盲目的に導入することではない。
むしろ旧来の日本の人事をベースとしながら、事業のグローバル化に伴う「人材の多様化」「人材の需給のグローバル化」「人材の流動化」に対応していくことが「グローバル人事」であると述べられる。
また、事業のグローバル化にも類型があり、それに応じて人事の方向性が変わることが強調され、人事の領域でトレンドとなっている制度や施策にどのような背景や目的があるかについての説明は非常にわかりやすい。
「グローバル人事とは、人事のための取り組みではない」「グローバル人事とはあくまでも経営のための改革の一つ」。終章で筆者が強調するこのスタンスが、最も重要性を再認識した点である。人事はあくまで経営の目的を達成するための手段の一つであり、人事業務に携わる者としては、経営に対する深い理解や素養を持つこと、あるいは自身が経営に関与することが必要と感じた。人事の制度や施策を身のあるものにすることは、それ自体に価値があるわけではないが、経営の目線を持って考えられたものであるか? この視点は自戒の意味も込めて常に心掛けるようにしたい。
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本書のメッセージは、次のようなものでした。
"人事のための人事をしてはいけない、経営戦略の実現のための手段として「人、組織」を成長させるのが人事である"
そのために企業の成熟度や戦略に応じて、いくつかの考え方が示されており、グローバルで活躍している企業の簡単なCaseStudyも示されている。
経営に近い人事担当の方に読んでほしい良書でした。
しかしながら、あとがきにもあるとおり「経営戦略」を掲げない日本企業CEOの元では、人事の礎が不明瞭になるので難しいと気づくはずです。
CEOを如何に見つけ、選び、育てるのか?が日本企業の根本的な競争力源泉の強化になる気がしました。
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この間に続いて人事ものです。
あれ、こないだの本にも書いてあったことが。。。
リーダー育成に必要なことを全部で10とすると、
仕事の経験…7
上司や顧客からの学び…2
研修や書籍での学び…1
なのに、日本の会社はすぐにリーダー研修をやりたがる。むむ。激しく同意。
どういう経験を積ませて経営層まで持って行くかが大事、と。
あと、印象に残ったのは。。。
日本で●人抜きで社長に昇格は海外ではあり得ない。経営の経験が無い人を抜擢するのはとんでもないリスクだから。ふむふむ、なるほど。納得です。
ちなみに、●人抜きとなるのは、
社長の下の役員がずーっと変わらずにみんな年取っていって、いざ社長が引退するとなったときにはみんな年寄りになってるからだと。これも見覚えがある光景。。
仮に55歳の社長をつくろうとすると、
40代前半で部長
40代後半で本部長、役員
50歳ころに取締役
になってないと十分な経験を積めないのではないかといってます。当たり前ですけど、これも納得。
どれもこれも納得の内容ですが、企業の中では上手く進められないのは何故なのでしょうか。何かが邪魔しているんですね、きっと。
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著者・南和気さんには、パナソニック時代に一度、大阪の自社までお越しいただいて、直接お話を聞く機会があった。末席だったので覚えていただいてはいないだろうが、議論が盛り上がって延長した上に、その日のうちに帰られるか何かで、タクシーもご一緒したような。。
たまたま、SAPを辞められて、江崎グリコへ人事執行役員として移られたと聞いて、どんな思想の方だったかなと、今更ながら手に取った本。
タイトル通り、日本型・グローバル人事の教科書。よくまとまっていると思う。今の会社は日本にしか拠点がないので残念。