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曖昧な日本の神々
2021/11/21 13:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
信仰に関する知識が乏しいこともあり、感想と呼べるほどのことが書けない。
本書は土俗の世界を描いている。
魏志倭人伝に鬼道の国として描かられた、日本の土俗世界に、仏教が流入し、漢字が使われるようになり、文明化をはじめた頃の、理屈化された精神世界が描かれている。
日本的な精神の働きにおいて表意文字である漢字よりも、音の響きが重要で、それは紙面では伝わりにくい部分があるのではないだらうか。
響きの似たものが、集合されて、変化していく、そういった多分作者の意図しないもう一つの譜面、言霊の国を、感じてしまう。
ここに語れていくのは密教と混じり合った土俗、インド、中国そしておそらく朝鮮の影響を受けた世界なのだが、今日神道と呼ばれるものに、本体などあったのだろうか?
東アジアの大陸に近い島国には、海渡ってさまざまな物や人や文化が伝わってきて、島の中でも移動が起き、掻き混ぜられ、土俗と習合していく。
ここの土俗は、至って狭い地域のもので、国家の成立とともに、平均化のような力が、国から加えられて、文化の書き換えが行われる。
神話、伝承の世界で、日本の出来事とされるものが、インド神話や仏教、中国などの故事に、起源を持つことは珍しくもなく、神道は、それらの仏教伝来以降の解釈なのではないのだろうか。
漢字が日本人の意識与えた変化は絶大であったと思われる。
話し言葉との兼ね合いもあり、かなを交えることで、本来の中国的表意文字と発音は日本化、習合され尽くしたのだろうが、日本の話し言葉はどのように成立してきたのか?
過去には大陸と繋がってる地域などもあったのだから、オリジナルといったことはない、またそれゆえに、中国朝鮮との言語的交流もおこないやすかったはず。
日本神話の神々が、仏教やインド神話、そのほか渡来の文化で編まれていく。
この本は密教系の神仏混合の儀礼などを主に扱っているから、純然たる神道はまた別の世界があるのかもしれないだが、あいにく本来の土俗は、国家的なものに押しつぶされ、その圧力を束ねた道を歩むのが、神道の実態であり、それはご都合主義でかなり曖昧なものにおもえる。
中世日本における変革(変成)という宗教運動を描いた会心作です!
2019/01/27 17:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国の中世の宗教運動について描いた類書に見ない一冊です。中世を理解するには、その精神性を理解することなしにはなしえないと著者は強調します。例えば、熊野詣、修験神楽、法華経注釈、天皇の即位潅頂など神仏習合が社会の基本となっていたからです。そこで本書は、その神仏習合を様々な文献の分析を通じて、その真実の姿を洗い出し、そこにダイナミックな当時の変革=変成という宗教運動を見出していきます。非常に興味深く、知的な好奇心を震わせてくれる作品です。
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