細雪を思い出しつつ
2018/08/18 07:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
何歳のときに読んだかすら思い出せない「細雪」を懐かしく思いながら読んだ。この、特に出来事があるような大してないようなぼんやりした感じ、いいな。一番共感したのは、主人公の「老後の不安がたくさんあるが、しかし自分はきっと長生きするだろうという前提で考えている自分に気恥ずかしさを覚える」という趣旨の独白。その葛藤、本当によく分かる。
数々の話題作で読者の心をつかむ三浦しをん氏の傑作です!
2020/07/20 09:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「まほろ駅前」シリーズや「神去」シリーズ、「白い軽トラ三部作」といったシリーズものや『木暮荘物語』、『舟を編む』、『政と源』などの話題作を次々に発表されている三浦しをん氏の作品です。同書は、杉並の古びた洋館を舞台に繰り広げられる物語です。父の行方を知らない刺繍作家の佐知と気ままな母・鶴代、佐知の友人の雪乃と多恵美の4人が一緒に暮らしています。ストーカー男の闖入に謎の老人・山田が馳せ参じ、今日も笑いと珍事に事欠かない牧田家ですが、そこでは毎日ゆるやかに流れる日々が、心に巣くった孤独をほぐしてくれます。同書は、織田作之助賞を受賞した傑作でもあります。ぜひ、一度、読んでみてください。
投稿元:
レビューを見る
なかなか読書に取りかかれない中でどうにか手に取った一冊。読み始めればとても読みやすい。三浦しをん版平成細雪。
しをんさんの描く登場人物は一見ごくごく普通の人でとても自然にそこで生活しているのにどこか可笑しみのあるところがある。
元々住んでいた母娘の元に事情が重なり同居している4人の女性(プラス1人とアルファ)のお話。淡々とした日常がありながら、妙齢の女性の実感のこもった会話や気持ち、母娘のやりとりに共感を覚えたりする。
そんな生活の中で小さなトラブルと大きな事件が起こる(それがちょっと笑える事態)ファンタジーの要素もある。浮世離れ感とファンタジー要素はありながら描かれている心情はリアルを感じた物語であった。
投稿元:
レビューを見る
癖がある女性たち4人の家を描いた話で表紙に惹かれました。
くすっと笑えて結婚していなくても子供を産んでいなくても生きていていいんだなと思える本でした。
投稿元:
レビューを見る
父を知らない佐知と母の暮らしに友人の雪乃と多恵美が加わり、笑いと珍事に溢れる牧田家。ゆるやかに流れる日々が心の孤独をほぐす。織田作之助賞受賞作。
投稿元:
レビューを見る
笑った笑った。声に出して笑ってすっきりした!さすが三浦しをん先生だわ。愉快でしっとりしてて泣きながら笑える。最高のエンタメ。わたしもここに住みたいわ。あと、山田さんには長生きしてほしい。
投稿元:
レビューを見る
ここは杉並の古びた洋館。父の行方を知らない刺繍作家の佐知と気ままな母・鶴代、佐知の友人の雪乃(毒舌)と多恵美(ダメ男に甘い)の四人が暮らす。ストーカー男の闖入に謎の老人・山田も馳せ参じ、今日も笑いと珍事に事欠かない牧田家。ゆるやかに流れる日々が、心に巣くった孤独をほぐす同居物語。
投稿元:
レビューを見る
表紙の意味は、読んでる途中でわかりましたとさ。
若草物語や細雪・・・四姉妹というのはお話になりやすいのかも知れないけど、この作品は、細雪の本歌取りというか、大胆なアップデイトというか。
ただし、4人の女性は姉妹ではなく、母と娘と娘の友人2人で、古びた洋館でゆるーい共同生活中。
母親が、若い頃、恋愛結婚した配偶者と離別しているほかは、みんな配偶者なし。
主人公と同世代の女性の中には、将来のこと不安といえば不安だけど、だからって、結婚していたら安心かっていうとそんなもんでもないしなぁ・・・という感覚のある人、結構多いのでは。そんな空気の中の、事件があるちゅうたらあるのか、特段、ないってことないといえばないような日々が描かれます。
いざという時、頼りになるかというとならないかも知れないけど、それでも、大事な娘のために一生懸命になれるというのが、現代の父性、というのも、そういうもんかも知れません。
投稿元:
レビューを見る
母と娘、娘の友人、友人の同僚
4人の女が同居する古い洋館。4人4色の個性が絡み合って面白い。言わずに済ませた心の声に共感できることもある。
表紙のカラスは……まぁお楽しみということで
投稿元:
レビューを見る
読みながら声出して笑いました。気心知れた同士のやりとりとか母娘の空気感とかほんとこんな感じ。誰かと暮らすことで家族になっていく様を見て、女同士一緒に生活をするってなんだかいいなぁと羨ましく感じました。
投稿元:
レビューを見る
文庫が発売されて書店で平積みされているのを見て読んでみたくなり、手に取りました。
図書館でハードカバー本を借りましたが、文庫本表紙には善福丸、ハードカバーには羽が描かれていました。
杉並区の古びた洋館に住む母娘の元で、娘のお友だち雪乃と雪乃の会社の後輩で娘佐知が営む刺繍教室の生徒でもある多恵美、4人の女たちの同居生活
離れには血の繋がらないおじいさん、山田さん。
洋館の中にある開かずの間
娘が産まれて直ぐにいなくなった父親
日常的な話しの中に唐突に現れる非日常的なモノ
えっ?!なんだこりゃ?!とあまりにも唐突で驚きましたが、
評価の中で、ファンタジーと書かれている方がいて、
ファンタジーと思えば、面白いっ!!と思えました。
女四人の日常は、今日も豊かでかしましい(帯~)(笑)
三浦しをんさん
『舟を編む』と今作二作目の読了
とても身近、日常の隣で起こっているような印象の描写
また機会があれば他作品も読んでみたい
投稿元:
レビューを見る
平穏な日常に時におこるトラブルが絶妙なスパイスになって、気持ちよく読了。
この本のおかげで、文豪谷崎潤一郎の細雪を手に取ることができた。
感謝。
投稿元:
レビューを見る
大分行きの新幹線乗車用に購入。
初めのほうおもしろかったのだが、カラスが出てきたとこでさーっと冷めた。残念。
解説によると、谷崎潤一郎没後50年にちなみ、第一線の作家により書き下ろされた作品のなかのひとつとのこと。
投稿元:
レビューを見る
こういう風に生活するの、憧れる。
同じものを食べて、同じ空気を吸って、同じ時間を共有して。
もうしっかり家族だなぁ。
刺繍の大変さ、素晴らしさについて誰もわかってくれないという嘆き。
ちょうどその部分を読んだ夜に、オットから仕事について同じような事を言われた日はビックリした!笑
価値をどう伝えるかって大事だよなぁ。わかってもらうって。
父親がカッパとなり助けようとするシーン。
ドタバタなのにジーンときた。
一緒に暮らせなくても、その想いはやっぱり家族。
あぁ。
うちもこの家に住みたいなぁ!!
投稿元:
レビューを見る
細雪読みたくなりました
純文と思いきや、三浦しをんらしい面白さがあって、次世代の純文って感じ
恋愛色が薄いのもいい