私たち日本国民にとって「天皇という存在」とは
2019/01/04 08:18
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投稿者:Hdylw? - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの頃、初めて小学校で「天皇とは国民統合の象徴」と習った時、
「天皇制がある理由がよく分からなかった」という人は多いのではないでしょうか。
池上先生が「天皇の役割」を直感的に認識したのは、東日本大震災の直後のこと。
宮内庁が発表した「東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば」を見た時だったそうです。
日本中の人々が衝撃を受け、大勢の人が嘆き悲しんでいる中で、天皇陛下が国民に「復興への希望」を呼びかけられている。
常に国民の思いに寄り添い、国民と共にあろうとする。
その、全身全霊をかけて「天皇の務め」を果たそうとする姿によって、多くの国民が勇気づけられている。
そういったことの積み重ねの中で、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」というのは、こういう活動をされる人なんだということが分かるようになってきたそうです。
”だんだん年を取るにつれて、天皇という存在があるから、日本はいざというときにまとまることができる、と考えるようになってきました。”
池上彰『池上彰の「天皇とは何ですか?」』株式会社PHP研究所 p119より
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投稿者:朱里 - この投稿者のレビュー一覧を見る
池上彰氏らしい分かりやすさを重視した説明で、天皇や皇室について知らなかったことを知ることができる一冊だと感じた。歴代の歴史などは少し簡潔すぎる感じもしたが、後半の元侍従長の方との対談などは、意外なエピソードなどもあって興味深かった。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
天皇がしている儀式とか、どういった意味があるのかなど、とてもわかりやすく、さすが池上さんだなと感じました。
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そもそも天皇の起源って、みたいな歴史的な話から来年に迫った譲位までって感じかと思ってみたら、ほぼ現代の話だったんだけど、お生まれになってずっと象徴天皇として生きてこられた初めての天皇だった今上天皇の孤独と真摯な生き様、皇后様との夫婦愛など、思わずじんわり涙しそうになってしまった。来年の平成から新元号への継承を心して見ていようと思いました。
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このタイミングで読めて良かったです。陛下のお気持ちを知り、温かさに涙が出ました。退位後は美智子皇后様とお2人の時間をゆっくりと過ごしていただきたいです。
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天皇陛下と皇室についてのわかりやすい解説。象徴天皇を考えた時に、簡単に辞めますと言えない理由があるとは考えてもいなかった。安倍総理も「はい、分かりました」と言えなかったのは憲法の縛りがあったからなのか。でも国民の総意としては良い方向になったと思う。
最後の元侍従長との対談は天皇陛下の人となりが分かり良かった。
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それ程興味は無かったけど、池上さんの本ならと思い手に取った一冊。
結論から言うとものすごく参考になったしかなり感動した。
天皇を悪く言う書籍はまず無いということを前提に、なるべく内容に流されないように疑いの目でもって読み進めたのだけど今上天皇は人として尊敬してしまう。
自分は左翼では決して無くてなるつもりも更々無いけど、一個人として今上天皇はやはり尊敬に値する人物。
もしかしたら自分の中のベスト3に入るかも。
兎にも角にも出会って良かったと思える一冊。
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僕らの世代では、天皇ってどういう存在なのかちゃんと習ってないので「国民統合の象徴」といわれてもよくわからない。おそらく天皇についてを学校で習うにはとてもデリケーな、過去の歴史問題や政治、宗教などの問題が絡むのかなってなんとなく思っている。
この本では、扱いが慎重になるような思想がぶつかりそうな問題については書かれていないが、中立な立場で天皇の歴史や業務などをざっくり読めて、天皇について考えるきっかけになって良かった。
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分かりやすさで定評のあるジャーナリスト池上彰による、天皇についての本。
本書は上皇陛下がまだ生前退位される前に刊行されたものであるが、学ぶところは多いにある。
そもそも日本人として日本に生まれたからには、意識せずとも(どの国でもそうなのであろうが)自身の国について考えさせられることがあるのであろうが、ではその中心ともなるのは、日本では首相ではなく、天皇なのであろう。
それは主役が国民となった今日においても、我々自身の気づかない連綿たる伝統と歴史、そして国民を繋ぎ融和と繁栄の、まさに一個人を脱した結合体かのようである。
日本国の象徴であり日本国民統合の象徴、簡単には言うが、それを日々問い続け、実践されてきた上皇陛下には、並々ならぬ思いがあったのであろう。
果たして一般人がそういった高齢になっても仕事を継続していけるのかさえ疑問であるにも関わらず、多忙でも手を抜かず、生真面目にこなすことには、まさに国民の安寧と幸せを祈り、共に歩んできた証明となり、今後のあるべき天皇の模範ともなろう。
それ故に皇室がどうあるべきかを、しっかりと議論しなければならないのであろう。
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さすが池上彰さんという感じの本です。
天皇家の歴史、呼び名と称号、仕事内容等をわかりやすく説明してくれていると思いました。
天皇陛下という存在を漠然とした認織で持っていなかったが、この本を読んで少し明確になったと思います。
最終章の元侍従長との対談は必読です。
平成天皇陛下(上皇陛下)の性格や普段の報道では見れない裏側を語ってくれています。
人物としての上皇陛下の人物像が見えてきます。
国民統合の象徴とは何かの答えが見えるかも!
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池上彰さんのわかりやすい解説ですっきりと理解できた。天皇の歴史、生活、憲法上の位置付け等について実は今までよく知らなかったという人におすすめ。戦前の権力者としての天皇の立場と戦後の象徴天皇の立場は大きく違う。今上天皇が政治的権限の無い象徴としての役割を考え続けられた結果、被災地や戦没者の慰霊に訪れる姿、国家元首としての振る舞いはまさに日本の発展、国民の幸せを願うものであり、日本国民統合の象徴の意味がわかった気がする。これから皇室の存続や天皇の在り方を議論する上で知っておくべき内容だった。
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平成天皇が生前退位をされたときの経緯をもとに、天皇制を考える上で、歴史を紐解き、皇室とその仕事を紹介しながら、最後に天皇のお側で仕えた元侍従長とのインタビューを通して、わかりやすく考えさせられる構成になっている。
現在の皇位継承者は3人(秋篠宮→悠仁親王殿下→常陸宮)しかいない。常陸宮はご高齢のため、悠仁親王殿下に男性の世継ぎが生まれなければ、天皇の系統がなくなる問題が手付かずで残っている。これは男系男子のみが皇位を継ぐことができる皇室典範に基づくものになる。過去には女性天皇が6人(計8代)いたが、いずれも男系男子の天皇に繋がっていた。今上天皇の長子として愛子様がいるが、前例に基づけば皇位継承できるが、この皇室典範が縛りになっている。天皇制の持続について、政治家が放置してきた不作為は重くのしかかってくるだろう。最後に、元侍従長のお話を通して、天皇の素顔に近づくことができるが、憲法で表現されている象徴天皇という立場を抱え続けた思いに深く頭が下がる。
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天皇や皇室について知る事は、日本がどういう国か考えること
昭和天皇とマッカーサーの会見で話されたこと。
「この戦争については、自分としては極力これを避けたい考えでありましたが、戦争となるの結果を見ました事は、自分の最もいかんとするところであります」
平成天皇の言葉
同時に、ことに当たっては、時として人々の傍に立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えてきました