日下警部補シリーズ
2021/11/03 07:16
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
乱歩賞作家・翔田寛さんの「日下警部補シリーズ」2作目。前作同様に真相を追及していく刑事たちの「いぶし銀」の魅力を味わえました。登場人物の見た目や場面の描写(駅前の様子)が細かいのでテレビドラマを観ているような感覚になります。救いのない結末ですが深い余韻を感じさせます。続編にも期待。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
もっと驚くような展開になっていくのかなと思って期待しながら読んでいましたが、案外あっさりとしたミステリー。
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小学生の誘拐事件。
身代金受け渡しが難しく成功確率が低いと言われる犯罪ではあるが、街の動きを読み、タクシーを駆使して総力挙げて犯人逮捕に臨む警察の裏をかき、まんまと身代金を手にする犯人。
しかも少女は遺体で発見される。
出し抜かれた警察は、事件解決に地道な捜査を続け、徐々に犯人像を絞り込む。
決してやってはならない犯罪ではあるが、そこまで犯人を追い詰める事象があった。
誰もが不幸な非常に物悲しい事件。解決までのステップの描写、展開にどんどん引き込まれるが。
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『冤罪犯』『真犯人』と翔田寛の小説を読んできて、今回の『人さらい』を読んだわけだが、どういうわけか、誘拐に関する事件ばかりを取り扱っている。
実際、現代では、そんなに誘拐事件はあまり聞かない犯罪に思うのだが、なぜそこまで誘拐にこだわるのか。でも、何はともあれ、前作までに比べ、『人さらい』というタイトルは、エンタテインメント性が強く、またおどろおどろしい印象がある。そして、翔田寛は面白いというイメージを獲得したのではないだろうか。
さて、ある資産家の銀行員の娘が誘拐された。身代金は1億円。金を用意し、銀行員の妻が金を抱えて指定された場所に立っていると、タクシーが現れそれに乗せられた。後を追うも見失う警察官たち。やがて金に仕込んだGPSの反応も途絶えた。
娘を生きて取り戻すことができるのか。事件の背景を追っていくうちに、銀行員の強引な融資打ち切りによって一家心中をした家族がいたことが明らかに。怨恨によるものか、それとも金銭目的の犯行か。やがて、真実を知った時には愕然とし、強いやるせなさが残る。
子を持つ親にとって一番辛いことは何か。イジメ、自殺色々あるが、それでは大人による第三者からの犯行にはなり得ない。では、誘拐ならどうだろう。間違いなく身を切るような思いがあることは想像に難くない。
この事件の背景には人の思いがたくさん詰まっている。たくさんの人の思いに馳せると、涙せずにはいられない。きちんと生きよう。きちんと生きたい。
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11月-4。2.5点。
銀行支店長の小学生の娘が誘拐される。
意表を突いた身代金の運搬方法、謎の爆発等々。
犯人は、そして人質の無事は。
登場人物の描写が薄すぎて、特に刑事の見分けがつかない。
真犯人の、真の動機も、取って付けたよう。
ページ数も少なく、必要な描写がなされていない。
まあまあ好きな作家だが、残念。
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銀行支店長の娘が誘拐された。身代金は1億円。要求どおりに金を揃え、母親が受け渡しに向かうが、犯人に翻弄されてしまう。ようやくたどり着いた目的地では、爆発したタクシーの中から娘の死体が発見され…。
とにかく警察側の登場人物が多い。誰に注目すればいいのかわからないまま話が進んでいく。
心中事件の被害者3人の誕生日、近すぎでは?
カネに困っている男・虻川と村木に恨みを持つ男・江口の出会いは偶然、居酒屋で。虻川は事業をしていたわけでもないのに、飲みの席の雑談で「銀行の貸しはがしについて」の話題が出るかな?あんまり親しくもない男に、江口家庭の事情を話し過ぎでは?
さらに村木に恨みを持つ刑事・菊池は虻川の弱みを握っていて…とこれまた偶然がすぎる印象。
江口が出てこず、菊池と虻川のつながりだけだったらおもしろかったのに。
あと会話文が固い。口語ではあまり使われないような言葉が頻出している。
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残忍な誘拐事件の捜査を描いた警察ミステリ。身代金奪取のためのトリック等も読み応えたっぷりなのですが、ここまでの犯行に至った動機の物語にぐいぐい引き付けられました。生半可な気持ちではここまでできるものじゃないので、どちらかといえば犯人に同情してしまう面も。
もちろんこういった犯罪はどんな理由があろうと許されるものじゃないし、子供に罪はないのですが。悲劇の種を自分で蒔いておきながらまったく無自覚で痛痒すら感じないあの人には、因果応報と言いたくもなってしまいます。やったこと自体は犯罪とまで言えないにせよ、何の罰も受けないのは許しがたいなあ。
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WOWOWドラマ「真犯人」を見て、翔田さんの原作をもっと読んでみたくなりましたが
この「人さらい」も静岡が舞台。
しかも今回は浜松や磐田、袋井と馴染み深い地域が舞台で、しかも大半は駅が取り上げられています。
ゴールデンウィークの中田島の凧揚げ祭りも1つのキーポイントになっているだけに
情景がかなり思い浮かびます。
前回の「真犯人」よりもまた展開がかなり早く、事件性も壮絶なだけに
ラストまで一気読みでした。
「恨み骨髄」、壮絶な人の怨念が表された内容でもあり
人の怖さを改めて感じる小説でもあります。
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新刊コーナーで目に付いた2冊が
たまたまどちらも誘拐物で立て続けに読んだ。
奇をてらったもう1つの作品に比べれば
こちらは正統派。
とはいえしょっぱなに大筋は読めてしまったし
謎解きや心理描写で心動かされることもなく。
この作者の本は初めて読んだと思うが
どうやらシリーズ物なのか
人物描写も省略されてキャラが弱く感じた。
[図書館・初読・11月30日読了]
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小学4年生の女の子が誘拐された。
犯人は身代金1億円を母親に持たせることを要求してきた。
静岡県警と所轄の浜松中央署の刑事達が犯人逮捕に奔走する。
…
序盤から、ほんのり怪しい人がいましたが、やはりそうだった…。
登場人物が多く、初めは混乱しましたが、事件の全容がわかり始めてからは混乱もなく、先が気になり面白くなりました。
無残な姿で亡くなった2人の少女を思うと胸が痛いです。
自業自得なのかもしれませんが、清美のその後も気になります。
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誘拐を扱った警察小説。小学生を誘拐し、その顛末をストーリーにしているが、真正面から描いている。これほどシンプルに描かれた誘拐小説(?!)も珍しいかもしれない。
シンプルでありながら、最後まで読者を惹きつける要素を多く盛り込んだ作品だ。
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『真犯人』に続く日下警部補シリーズ。
日下以外の刑事がいまいち判別できませんでしたが、最後まで勢いに乗って読めました。
被害者遺族ではあるけれど、もともとは自分たちのバカな一言が2つの家族をめちゃめちゃにしたんだもんね・・・何とも言えないです。
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推理小説を読みなれている人ならば
かなり早い段階で犯人がわかってしまうのではなかろうか。
それでも、なぜ誘拐が起きたのか
その動機やトリックが知りたくて
ページをめくる手が止められませんでした。
誰も救われない物語だったけれど
充分楽しめるエンターテーメント小説でした。
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小さな不審火事件が続いていた地域に、一件の誘拐事件が発生した。被害者は不審火事件の被害者でもあった一家の娘。両親の協力を得て刑事たちは身代金受け渡しの段取りを組むが、犯人によってその受け渡しは混乱を極める。タクシーを乗り継がされ、どこかへ連れられていく身代金を持った母親がたどり着いた先で、一台のタクシーが爆発し、そのトランクには娘の死体が積まれていた。
非常に丁寧な刑事小説。誘拐殺人事件の捜査の流れや刑事たちの動きが丹念に描かれているので、サスペンスドラマとしてハラハラしながら読めた。なんだけど、メインで捜査する刑事が1組じゃないっていう珍しさなので(多分それもリアリティからだと思うけど)、誰がなんの情報持っててどういう立場でどういう関係でっていうのが混乱してしまったわ。結末は悲しくてしんどい。でも最初に登場した時から違和感はあったのですっきりしたわ
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(図書館本)お勧め度:☆6個(満点10個)。浜松市を舞台にした小学生誘拐殺人事件の捜査の手口と一部始終を警察側の観点から書かれた小説だが、犯人が〇〇だったとは意外な展開。複雑に絡んだ人間模様と心理描写が絡んで、犯人に同情したくもなる。ただ、大筋は復讐劇なので、いかにして、誘拐が行われ身代金をうけとったかの面白さだと思う。昔から誘拐は罪が重い、ましては誘拐殺人となるとなおさらだ。タクシーを数台使い警察を攪乱させ、運転手を爆死させる筋立ては面白かった。蛇足ながら私も以前浜松市に住んでいたので懐かしかった。