紙の本
ある女の証明
2023/05/31 10:15
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
貴和子は、魔性の女なのだろうか。不幸な生い立ちで、ただ幸せを求めているだけの、誤解されやすい女性なのだろうか。
2つの印象を行ったり来たりして、やっぱり幸せな家庭を求めただけの不幸な女性だったんだ、と思った途端、最後の新聞記事で、その考えも揺らいでしまった。
貴和子自身が語らないのも、謎を深めた。
それぞれの章の結末の、2歩位先をいく章冒頭の新聞記事。うーん、と唸るおもしろさだった。
紙の本
貴和子を
2021/05/26 04:54
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼女のことを、とにかく知りたくなる。
壮絶な幼少期を過ごして、それでも家庭を欲した彼女は、結果として幸せを感じることができていたのだろうか。
大龍と過ごした時間、息子と娘と過ごした時間くらいは彼女が心から笑ってくれていたらいいなと思う。
三面記事から想像する物語と違う着地をみせてくれるのがおもしろかった。
不快な人間も多く出てくるが、好きな作品。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編のようになっているのに、ちゃんと繋がっているので、読みやすくて読んでいて疲れにくい。おもしろかった。
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投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔好きな人をとられた過去があったが久しぶりに再会したが、不幸になっていて自分の勝利を見してていたが夫の携帯電話には。
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気の毒なキワコ。
物語が繋がってる短編。
遺産相続、継母、、、屈折した人間達勢揃い。有りそうで有る物語の数々。地味風の女は怖いぞー!(^o^)
人の不幸は蜜の味(*゚∀゚)
完璧な母親、熊〜家の一人娘も読んだけど、この方の作品どんどんレベルアップしてきて面白くなっていってる気がする!!作品もっと読みたいです。
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+++
主婦の小浜芳美は、新宿でかつての同級生、一柳貴和子に再会する。中学時代、憧れの男子を奪われた芳美だったが、今は不幸そうな彼女を前に自分の勝利を嚙み締めずにはいられない。しかし――。二十年後、ふと盗み見た夫の携帯に貴和子の写真が……。「全部私にちょうだいよ」。あの頃、そう言った女の顔が蘇り、芳美は恐怖と怒りに震える。
+++
貴和子というひとりの女を、さまざまな年代に彼女とかかわった人々の目で見せられているような印象の物語である。貴和子が本当はどんな女性だったのか、いい人だったのか、悪女だったのか、幸せだったのか不幸だったのか。貴和子自身の言葉で語られることは全くないので、実際のところは判らないが、わたしには、貴和子自身は、その時その時で、自分に正直に生きているように見受けられる。ただ、どの年代でも、確固とした居場所を見つけることはできなかったように見えるのが、切なすぎる。物語全体を通して、もの悲しさが漂っている気がして、やりきれない気持ちにさせられる一冊である。
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「貴和子」という女性にまつわる連続短編集。
本人視点の章はなく、彼女に関わる周りの人物からの視点でそれぞれ語られていく。
スッキリとしない締め方に、どうなったのかと考えさせられる。
自覚無自覚、意図的なのかそうではないのかはわからないが、一瞬で人を狂わせる程の魅力のある女性が身近にいたとしたら、やっぱり嫌だなぁと正直思う。
人には多面性がある。
対する人によって顔が変わる。
いくつもの自分を持っている。
時にどれが本当の自分なのかわからなくなる程、いくつもの仮面を持っている。
そして他人には言いたくない、負の感情も持ち合わせている。
無意識に他人と比べて、比べる事によって自分という人間を認識する。
狡くて、醜くて、愚かで、浅ましい。
でもそれこそ人間らしいとも言える。
まさきとしか。
女性の内側に潜む嫌らしさを表現するのがとても上手い作家さんだ。
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貴和子との関係性や時系列が分かりづらい。
4章だけ貴和子と関係ない全くの他人。
そこは直接面識のある人物で統一してほしかった。
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貴和子に関係する人たちの人生模様。
「きわこのこと」改題。
第一章 二〇一五年二月 衝突事故男性の死因「窒息死」と判明
第二章 二〇一三年一月 「超熟女専門」売春クラブ摘発
第三章 二〇一〇年七月 他人のベランダで暮らす男逮捕
第四章 二〇一〇年七月 パトカー追跡中電柱に衝突 女性重体
第五章 二〇〇九年十二月 母親に強い恨みか 殺人容疑で長男逮捕
終章
不遇の家庭環境で育った貴和子が、他人の家庭の幸せを侵食する。
貴和子の魔性に溺れる男性、気付けば貴和子の影におびえる女性、貴和子の正体とは?
悪女というわけではなく、人間の醜い部分を、本能的に上手く利用しているかのような貴和子。
人間の本性なんて誰も分からない。だから人を信じたりすることの難しさ、大切さがあるかなと思う。
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同性のウケは悪いのに、異性の心を捉えて離さない女というのが世の中にはいます。彼女とつきあいはじめると、周囲の誰もが「やめておけ」という。どうしてこんな女を住まわせてしまうんだろうと思うけれど、騙されているかもしれないと承知のうえで、明かりの灯った部屋を見て涙が出そうになったという男の気持ちを考えました。幸せかどうかは他人が決めることじゃないもんなぁって。
各章の冒頭に三面記事が掲載されています。その記事中で事故死したりトラブルに巻き込まれたりした人物の視点で語られる章仕立て。「喜和子」という女性についてさまざまな人が語るのかと思いきや、そうではない。ただそこに喜和子を感じる要素が何かしら含まれているだけの章も。数年を遡りつつ最終章まで進んだとき、喜和子は本当はどんな女だったのだろうと、やるせない気持ちに。
類い希なる母性の持ち主だったのかもしれません。先日読んだばかりの原田ひ香の『母親ウエスタン』とかぶる。どちらの話も辛すぎる。でも、幸せじゃなかったと決めつけるのは傲慢なことなのかも。今もぼんやりと喜和子のことを考えています。
このドロドロ感はクセになる。
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なんでこんな展開になってしまうのか。
小さいときから母親に連れられていろいろな義父のところで暮らす。大きくなり友人の夫と。「あなたは全部持っているから、代わって」というのがキーワードに見える。途中にいくつかつながりがわからない章もあった。
そういう運命を追って生まれてきたのなら重すぎる。自分の知らないところでこういう思いで生きている人もいるのだろうか。
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話がつながっているけど、章ごとにシチュエーションが毎回違っているのですごく読みやすかったです。
どことどこがつながってるの?
どういうこと?
とモヤモヤっと疑問が残る感じは、まさきさんらしいなーって思いました。
好きだわー!
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読んでいて、有吉佐和子 『悪女について』がちょっと浮かびました。
キワコについて、いろいろな人が語る話。
とくに、一つ目の話がいい。
ワタシの読解力のせいか、消化不良の部分もあって、そこがもやもやするけれど、
全部クリアにしない方がいいのかもしれない。
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面白いと言ってしまえば、そんな自分が嫌になる作品
まさきとしかさんの描く女性は
女性の本能でしかわからない、女性の美しさと醜さがミックスされたものが入った
開けてはならないパンドラの箱を開けるような感じ
理解したくない、どうしようもない女性がよく出てくるんだけど
批判しつつも、どこか共感してしまう自分がいて
丸裸にされた気になってしまう
そのうえ、小説としてもなかなか読み応えがあるので
今のところ
一番好きな作家様ナンバーワンです
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色々な人の視点を通して、貴和子という人を描いた作品。
結局鍵井は貴和子の交際相手だったのか、夫の交際相手だったのか、はたまた友達だったのか
いろいろとすっきりしないところが多く残る。
貴和子は男を惑わせる魔性の女的に描かれていたけど、貴和子自身は男を信用していないし、むしろ嫌っていたんじゃないかなとも思った。
あと、最近いろいろな作品を読んでいて思うけど、過去の自分の思考に未来の自分が苦しめられることってあるよね。
過去の自分が馬鹿にしていたり、嫌っていたりした対象に、未来の自分がなってしまうみたいな。