紙の本
キャラクターで魅せる
2019/05/20 20:37
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投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリ・心理戦を楽しむ作品としてもう一つという印象。しかし12人の子供たちのキャラクターの書き分けが良い。その点でまさに映像化向きだ。堤幸彦監督ということで大いに信頼できる。キャラクターで魅せるとあらばいかにもお得意だろう。楽しみである。
電子書籍
Cato
2019/03/21 09:46
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投稿者:totocat - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的に病院の中で話が進んでいくので、12人の話し合いを眺めてるような目線で一気に読めました。ハラハラドキドキかと思ってたんですが、気分は自殺志望者の会議の社会科見学感覚で結構冷静に読んでしまった。笑
話自体も1日の中で完結しているので、時間があればじっくり一気読みがおすすめ。
死にたい理由がヘビーだったり軽かったり、はたまた理解できなかったり個人差はあると思いますが、作者が深く掘り下げすぎないので逆にこういう人もいるんだなと説得力があります。
結末に関してはみんな序盤であらかた予想できそうな感じですが、どうやってそこに持って行こうかという感じで描かれている印象。設定と結末が出来上がってから肉づけされているような小説でした。
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いやー、面白かった!平日の夜なのに読了したら午前3時。引き込まれて450ページを一気に読み切ってしまった。
物語のあらすじは、以下の通り。
いわゆる集団自殺のお話。ネットで知り合った12人の自殺希望者が集まるのだけど、会場には既に1人の死体があり、13人目はいったい一体誰なのか...というところから話が進んでいく。
まず12人の書き分けが非常に上手いので、キャラクターの把握は難しくなかった。章毎に主観のキャラクターが変わっていくのも構成としてグッド。だんだんと手の内や考え方が明らかになっていくのが良かった。
そして面白いのは、12人が全会一致のルールを守り抜くところ。13人目の死体を前にしても、このまま自殺を決行するかどうかを話し合う。
議題は徐々に、いったい誰が殺したのか、どのような経緯があったのかと移行していく。と、同時に12人の過去や死にたい理由が明らかになっていく。
複雑な立場や思惑が絡まりつつも、彼らは話し合って決を取っていく。それが物語に緩急をつけて飽きさせない。
全ての真相は終盤で明かされるのだけど、自殺を決行するかどうかは最後まで論議にかけられる。
全てのキャラクターの主観を体験した読者は、その時点で驚くほど没入しているし、物語の決着に向けて最後まで惹きつけられる。
ネタバレ抜きで結末への感想を述べるなら、全員が満足な結末になって良かったし、それが爽やかとも言える読後感に繋がっている。
あと、外の世界から隔絶された廃病院という設定も良い。箱の中に密閉された緊迫感が非常に良かった。
ワケありな子ども達が非日常の世界で救いに出会う様は、辻村深月の「かがみの孤城」ぽくもあった。
個人的には、過激思想家のアンリに完全論破された性悪メイコがわなわな泣き出すシーンが一番熱かったw
映画化が決まっているとのことで、今から楽しみ。単なる新人俳優のお披露目会みたいにならなければ、面白い映画になるかもね
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【子どもたちが選ぶのは死か、それとも】安楽死をするために集まった十二人の少年少女。そこには謎の十三人目の死体があった――。彼らは、このまま安楽死を実行できるのか。
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久しぶりに読んだ冲方丁。考えてみれば、『マルドゥック・スクランブル』シリーズしか読んでいなかったんじゃないだろうか(時代小説の方は読んでいない)。
インパクトのある設定に目を奪われがちだが、謎解き部分は緻密だった。またミステリ書いてくれないかな。
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自殺願望のある子ども達12名が集った。と思ったら13名だった。
13人居るじゃないか!、おいおいどうするよ。
というわけで、謎解きが始まります。
賢しい子どももいるわけですが、頭のわるい子もいます。
さて、彼ら彼女らはどういう結末を出すのでしょう。
そもそもこの集いを計画した子どもの狙いはどこに?
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冲方丁初のミステリってことで、単行本が出たときから気になってた。直木賞候補作ノミネートで尚更。で、文庫化されたから待ってましたとゲット。題名の通り中高生が12人も出てきて、年齢による差別化が出来ない分、キャラの書き分けが大変そうだけど、そこはさすが、見事にそれぞれがしっかり立ってます。物語そのものも、ちょっとややこしいなっていうキライはあるものの、さすがの吸引力。ってここまで良いこと尽くめなんだけど、そもそも何で2人が組むことになったのか、っていう大前提がいまひとつスッキリせず。モヤモヤのまま読了。書いてあったけど読み飛ばしたのかな?
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廃病院に集まった、十二人の子どもたち。
かれらはインターネットのサイトを通じて強い自殺願望を持っていると認められ、その夜集団自殺を決行するために集まったのだ。
しかし、全員が揃ったとき、十二人が眠りにつくはずの地下室のベッドには、既にひとりの少年が横たわっていた。
この少年は誰なのか、なぜ、何のために、ここにいるのか。自殺なのか、それとも…
謎を解き明かしてすっきりした後で自殺したいグループと、とにかく早く自殺したいグループにわかれて、話し合いをはじめ…
それはもう、まさかそんなことはどうでもいいからサッサとやってしまおう、になる訳はないので…
もしやひとりずつ減っていく展開?
…などと思いながら読み進め、誰も自殺を選ぶことなく終章をむかえて、奇妙な爽やかさで読み終えた。
いじめや虐待や病気、死んだ方がマシと思う出来事にあっても、その感情を吐き出すことで、出口を探す力が自分の中にあるのだと気付かされた子どもたちは、きっともう自死を望むことはないだろう。
明日があるとは限らないから、今日を精一杯生きよう!
…なんていう熱い志には、わかっちゃいるけど、どうにもそうなれないフラフラヨロヨロ低温の私には、“死ぬまで生きる”という感覚が、案外しっくりきてしまったせいか。
バッドエンドでもハッピーエンドでもない、モアベターエンドが、思いのほか良かった。
それにしてもシンジロウくん、いい子だなぁ。
クラスにひとり、こんな子がいれば、イジメなんてなくなるんじゃないか…
いや、こんな子が教師になってくれれば…
オマケ。
解説で、『十二人もの』ということでいくつか作品があげられていましたが、私は『11人いる!』の方を思い出しながら読んでました。
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初・冲方丁作品。
12人の自殺志願の子どもたち。ちょっと密室トリック的な?子どもばかりなので、会話が幼稚なので、、。
ちょっと残念に思った作品。気づけばナナメ読み。
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安楽死を望む十二人の少年少女たち。
みんな、いろいろなことを抱えて生きている。
ページをめくる手が止まらない。最後の最後、想像を超える展開。
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集団自殺するために集まった少年少女たち。事前に聞いていた12人ではなく、先にベッドで死んでいた少年もあわせると13人いた。「12人の~」のとタイトルにあったら想像するあれ!解説でも書いてあるが、怒れると優しいの2つの映画を連想する展開。そして名作漫画「11人いる!」のような内容。
話の作りは完全に本格ミステリー。誰が連れてきたのか、その目的は?それがわかるためにはいくつかの謎を解明しないといけない。その話し合いを、語り部を変えながら巧妙に展開していくのは見事だった。
たしかにそんなことあるんかいな?ってこともあるが、大きな問題ではなく、思考の過程を楽しむ小説だった。
それでいて考えさせられる部分もあって、なかなかニクい作りだ。
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タイトルから連想される通りのミステリー展開+思想的なメッセージ性も強い長編小説。
「構想12年」ということらしく、確かに舞台設定や登場人物のキャラクターがかなり細かく練られた上で描かれた作品なのだなと感じた。
捉え方によってはめちゃくちゃ奥が深いなぁと感じられる一方、ミステリーが伏線の長さの割にたいしたことなかったなと感じたので☆4評価です。
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12人の死にたい子供たちが廃病院へ集まるが、、、
そこには13人目の予定外の子がベッドで死んでいる!?
12人はなぜ死にたいのか。13人目は誰なのか。
終わり方が気になりどんどん読んでいけました。
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安楽死を求めて廃病院に集まった12人の少年少女
いざその死の集いを実行しようとしたところ、
本来の参加者ではない13人目の人物が、既に死んでいてーーー
******
珍しく一気読みをした!
謎解き云々も引き込まれたけれどそれよりも、それぞれの人物の心理状態というか、思考がとても面白かった。
実際に死に臨む人間として、やはり一癖も二癖もあり、思考が一方向に凝り固まってもいて、かと思えば散漫になったり、ともすれば病的な心理状態だったりもして
それが各々暴れるようでいてスゥッとまとまっていったりだとか、思わぬところで激しさを増したりだとか。
変な感想だけど、作家の想像力、創造力ってすごいんだなぁと
よくもこんな精神状態が描写できるもんだなぁと感心したり。
予定調和というか、結局救われるんかい!というのでガッカリする読者もいそうだけど
自分は希望のある終わり方で良かったなぁと思う。
こんな綺麗事で現実はうまくいかないけど、それでも、死を選ぶほどに思い詰めた人の1人でも、他者と対話をする、ただそれだけで違う選択も現れるものなんだと、思えたらなぁと。
生まれたことに後悔をしない世界になったらいいな
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それぞれの悩みを抱えた自殺希望の子どもたちが集まる中、アクシデントが起こる。議論と可決を繰り返し意見を交わすうちに、変化していく子どもたちの心境。それぞれの動機が現代の若者の抱える悩みに通ずるものがあった。