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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性の幸福は、結婚だと植えつけられているフシがあるが、この本は、その目線がなさそうなのが良い。
自分は結婚=幸福ではないので、それで片付けてしまう感じが嫌なので、もっと広く、科学的に幸福論を語っている感じが好きだ。
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話が整理されていて難しい文章もなく、読みやすい。ちくまプリマー新書大好き。
思考実験が練習問題みたいな感じでたくさん出てきて、帯の「考えるのってこんなに楽しい!」を伝えようとする意図は伝わった。
ただ、私はすでに哲学や倫理学の本を読んでて楽しさがわかっているから、高校時代とかだったら影響受けて絶賛してたかも。
本書のタイトルでもありテーマである「幸福とは何か」、壮大すぎてあまり興味持てなかった。たしかに誰もが一度は幸福というものについて考えたことはあるだろう。でもこういうやり方(倫理学)で語っても、うーん、結局議論の根拠は直観であり、良くも悪くも遊戯チック。これも既に哲学、倫理学に接している結果だ。最近それらの方法論に対して疑い深くなってるせいもある。
マイナス評価は良く言えば自分の知識が増えたせい、悪く言えば自分が汚れたせい。笑
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いい本だと思うのだが、テーマ自体にさほど関心がない事に気付いて途中で投げた。法哲学のほうが関心ある。
プリマーなんだけどふつうの高校生とか大学一年生は読めないだろう。
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パーフィット以降の近年英米のウェルビーイングについての議論がよくわかる。何が幸福ではないかはよくわかるが、何が幸福なのかは謎のままの気もする。
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「いや、われわれが『現実』と呼んでいるものも、本当は夢や幻でないと誰が確信をもって言えよう」と反対する人がいるかもしれませんが、ここではそのような極端な懐疑論は放っておきましょう。
と、放っておかれたのは遺憾ではあった。
哲学の話をするのに、そんなに乱暴に放っておく議論があっていいものだろうか。
哲学の話は、そういうある程度極端な話も受け入れるところからしか進展しないのではないだろうか。
ちょっと丁寧に扱ってもらえれば、と思った。
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幸福とは何か。その定義は難しい。幸福はひと時の感情でもあるし、ある程度の時間の積み重ねの中で生まれるものでもある。同じ経験をしてもそれに幸福を感じるかどうかは人によっても、時間によっても、また周囲の環境によっても変わってしまう。だから、科学的に幸福度を定量化することはかなり困難だ。
一方で幸福はしばしば比較される。誰より誰の方が幸福だとか不幸だとかいう表現は日常的に繰り返されている。でもそれが何を基準にしているのかと問われると主観であると答えるしかなくなる。
本書はこの問題に哲学的な思考をもって答えようとする。そしてそこには思考実験が提案されている。これは積極的仮説とでもいうべきもので現実性などは考慮せず、考えてみることで新しいアイディアが生まれるというものである。
本書は幸せになる方法ではない。むしろ幸せを定義するのがこんなにも困難であると思い知らされ少々不快になるかもしれない。哲学的思考とはどのようなものかを体験するにはいい本であることは間違いない。
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快楽説/欲求実現説/客観的リスト説/折衷説から展開される思考実験を通して、哲学的に考えるとはどういうことかを学ぶ。自他の不幸を望まない以上、幸福というテーマは果てしなく長い時間を費やしてでも考える意義があると思う一方、誰かに「あなたが幸福(不幸)とは認められない」と説かれても、心情的には受け入れがたい。誰もが納得できる論拠を示すことは、非常に大がかりな仕事だと痛感しました。
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『自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門』の著者による、タイトルどおり「幸福とはなにか」と問いつつ「倫理学」について学んでいきましょう、という感じです。
まず「幸福は定義できるか」という問いがあり、「どうも定義できなさそうだ」というあたりに落ち着いて、幸福と時間との関係の解説があって終了、という素敵な内容でした。
131ページから始まる直観的判断についての解説、「幸福とはなにか?」という以前にそもそも「快楽や欲求実現はなぜよいものなのか?」という前提への問いがあまりにおもしろすぎる。
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基本手筋集・定跡集っぽいけどえらい。森村先生がまいた種は5〜10年後ぐらいに豊かに実るであろう。もう素地はあるわけだし。
Haybron先生あたりの立場(快楽説)への言及がなかったのがちょっと残念。あとカーネマン以外の心理学者への言及がない。
人名索引にでてくるのは、アリストテレス、エピクロス、エルスター、大河内、カーネマン、カント、キルケゴール、グリフィン、スミス、セン、荘周、ソクラテス、トルストイ、ノージック、パーフィット、フェルドマン、フット、ブラッドリー、プラトン、プルースト、ベンサム、マッキー、ミル、ムア、ロールズ。高校生〜大学初年次ぐらいならこれで充分か。そのかわり思考実験たっぷり。
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快楽説や欲求実現説など、幸福をいかに計るかについてはなんとなく自分でも想像していた部分だったが、そこに「時間」が関係してくるという議論がとても興味深かった。上り坂と下り坂、平均値か最大値か、などなど、今後の人生を見つめる上で度々思い出しそうだと思う。
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森村教授の幸福(Well-Being)論
https://www.shinzansha.co.jp/book/b515843.html
Well-Being
https://www.amazon.co.jp/Well-Being-Foundations-Psychology-Daniel-Kahneman/dp/0871544245/
幸福の指標(矢野和男)
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今まで幸福論にあまり興味がなかったけれど、多分福祉を考える上でも人の生き方という点においても重要なのかもしれないと思った。
2章(p80)
人が最初から欲求を諦めていれば欲求の非実現をなくせるし、欲求の水準を下げておけば欲求を実現しやすくなるが、そのことは当人のウェルビーイングを高めることにはならない
「適応的選好形成adaptive preference formation」
ノルウェー出身の社会学者ヤン・エルスター
単純に幸福度だけでは判断てきないということ。欲求を諦めて選択できる範囲内での実現だけを幸福といっていいのか。
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日頃、幸福について考えることが多いので、題に興味を持ち、読んだ。
比較的最初の方で、自分は幸せを定義することについては興味がないことがわかってしまったが、せっかく途中まで読んだのだからと思い、読み続けた。途中、疲れている時に読んでいたからかもしれないが、言葉が頭をすり抜けてしまい、内容が頭に入ってこない状態が続き、苦痛に感じることもあったが、思考実験を多く用いていたことや、興味を持って読むことができた部分もあり(特に、最終章の幸福と時間についての記述は大変興味深かった)最後まで読めた。
本書を読んで、幸福を定義する様々な考えを知ることができた。また、幸福を正確に定義するのは難しいことなのだとわかった。
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『理由と人格』に挫折していたので、翻訳者が書いたこちらを読んでみた。パーフィットが読める気がしてきたぞ!
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(2024/06/09 4h)
うお〜〜〜哲学(倫理学) で思考しながら読むって想像以上に疲れる!!
ちくまプリマー新書は何冊か読んできましたが、本書は読むのに一番腰が重かったです!開いては閉じてを繰り返すこと1ヶ月。ようやく読み終えました。
わたしの集中力のなさ・思考力のなさが災いして、目が滑ってしまったり思考停止してしまう箇所も多くあり、そのことで内容が掴めず苦しんで読みました。
合間合間に小休止という雰囲気で、日常に即して考えやすい例が挟まるので、これはありがたかったですね。頭がパンクしそうなところに、助け舟のように内容を簡略化もしくは内容に補足して教えてくれるので、なるほどそういうことかと腑落ちするものが多いです。
分類して全体観が育めるように各論をコンパクトにまとめた良書。幸福について哲学することに興味深さを覚えました。
自分は快楽説に近いかな。