紙の本
あなたは私の瞳の林檎
2023/02/11 23:05
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語で「あなたは私の瞳の林檎」って、
そんな意味なんですね!可愛い表現。
イディオムの主格を入れ替えた表題作は、
まっすぐな男の子の気持ちと、
愛されることに素直になれない女の子のお話で、
だから主格が入れ替わっているのか!
とタイトル回収されてすっきりしました。
紙の本
ふぞろいな3つ
2020/06/29 23:29
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生から美大生まで、3組の男女の行く末を見守っています。お互いに仄かな想いを抱きながら、微妙な距離感を保っていて甘酸っぱいです。
電子書籍
久しぶりに読んだ舞城小説
2019/03/26 13:05
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投稿者:hm - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに読んだ舞城王太郎の小説。さらさらさらっと流れ込んでくる言葉は相変わらず。
奇譚や怪談の風情を奥にやって、誰かと誰かの結びつきの物語がくっきり描かれている。それでも、ぼーっと読んでる読み手の方に斬り込んでくる場面やセリフもあった。
あー読みやすかったなぁ、だけで、本を置けないのが舞城作品らしいな、と思った。ふとした折に思い出しては、どういうことだったんだと悩ませてくる物語。
昔読んでいた舞城王太郎の小説をまた読みたくなった。
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久しぶりに刊行された舞城作品。
恋愛をテーマにした短編集で過去作と比較しても読みやすくて普通だった。
面白いかどうかは別にして誰にでも薦められる作品にはなってると思う。
来月には家族をテーマにした作品が刊行されるとか。
舞城王太郎新プロジェクト始動とのことですが、これからはこの路線でいくんですか?
久しぶりに読めたのは嬉しかったけど少々物足りなさを感じたのも事実。
とりあえず来月楽しみにしてます。
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若者たちの恋愛を題材にした連作短編集。
この作家の作品はほとんど読んでいなかったが、手練れの筆致で楽しめた。
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舞城王太郎という作家は、基本的に読者や評論家を煙に巻くような作風なのだが、時々誰が読んでもわかりやすい作品を出す。本作のように。
舞城さんの過去の作品でいえば、『好き好き大好き超愛してる。』や『ビッチマグネット』の流れを汲むだろうか。前者は綺麗な恋愛物、後者は日常の物語。本作が甘酸っぱすぎる作品集と聞いたとき、手を出すのをやめようかと思ったが、結論から言うと読んでよかった。
「私はあなたの瞳の林檎」。語り部の男子と、相手の女子との出会いは、小学校時代までさかのぼる。毎日のように出かけたあの頃。微妙な距離感を保つ中学時代。自分の過去を思い起こせばわかるが、思春期特有の面倒臭さの描写がうまい。気になる部分を明かすのを、敢えて避けているのも効果的だ。時間がかかったねえ。
「ほにゃららサラダ」。恋愛要素は薄めかもしれないが、考えさせられるテーマだ。芸術を志す若者たち。自分の身近に、圧倒的な才能がいたとしたら、どうだろう。そこでどう振る舞えるか。相手の才能と自分を比較し、腐ってしまうか。自分には自分のできることがあると、前向きに進めるか。今輝いている彼が、今後も輝き続けるかはわからない。
「僕が乗るべき遠くの列車」。何となく達観している中学生。こういうある種醒めた心理は、わかる気がする。本作中では珍しく、価値観を巡る哲学的問いかけが多いが、難解ではない。誰もが考えたことではないか。若者というのは、わかっているのにわかっていないふりをするし、それをなかなか認めない。またまた時間がかかったねえ。
読んでみると、ベタベタに甘いわけではなく、むしろこの年代らしい潔癖さを感じた。「性」の話題がないわけではないが、極めてプラトニックであり、アラフィフのおっさんには眩しくて眩しくて困ってしまった。でも、たまにはこういうのもいいかもしれない。
11/28には、『されど私の可愛い檸檬』が刊行予定だ。こちらもチェックしよう。
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思ったり感じたりしてもうまく言い表せないことを本当に言葉を尽くして言ってくれるので、舞城王太郎は大好きだ。
蛇足だが、高橋と棚橋って意外とごっちゃになるので、ちょっと読み辛かった。
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【また明日.それが当たり前だった.】
常に読者の上をいく,舞城王太郎.
「You are the apple of my eye」なんてならば「あなたはわたしの~」になるのだけれど,本書のタイトルは,『わたしはあなたのひとみのりんご』.
リンゴになりたい/なれているのか不安/なることなんて信じられない.
そんな主人公が,独特に,青春の味を噛みしめながら進んでいく.
可愛いタイトルと表紙.
しかし舞城が,こちらの思ったような,欲しているような恋愛物語を書くはずがない.
毒リンゴか,リンゴ飴か.読み手にただリンゴを配る物語じゃ,ない.
※エログロはないのでそこは心配せず.
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恋に似たものが、ちゃんと恋になるのか、歩み始める瞬間。
ややこしさを抱えててタイトルがなんか不穏に響いているけれど
怯え、不安が人を狂わせたりもするけれど
ちゃんと考えると言うその言葉を信じれる。
これからの変化を信じれる。
時間を信じれる。
静かで可愛い甘酸っぱい青春の一節。
平素な文章が少し素っ気なく、でもなんだかとても大事なことが汲み取れそうな雰囲気。
形も答えもないものを信じれる。
人間を信じれる。
何かを信じることは人間を信じることだし自分のことも隣人のことも信じていい。
そういう風に眺めた世界は過ごし易そうで。
愛されている。いいなあ。
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間違いながら生きること、けれど他者と触れ合うことによって、何か正しいものの存在を感じ、どこかのその方向へ向かいたいと思いながら生きること。青春と恋愛を巡る三つの短編を収めた作品集。
文章の熱と技巧はもちろんのこと、『わたしはあなたの瞳の林檎』『僕が乗るべき遠くの列車』といったタイトルもまた秀逸。『ほにゃららサラダ』は、タイトルはちょっと(本質的ながら)気が抜けてるど、内容としては一番好き。
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【私はあなたの瞳の林檎】
『「ホント? 一緒に電車で行ってくれるの?」
「いいよ」
「やった!それ約束ね!明日!」
明日かよ。』
「言葉にすると酷いけど、普通だよ。皆が皆、いちいち大恋愛とかしてるはずないじゃん。適当な大体なとこで決めて、実際の付き合いの中からだんだんと気持ちが育まれてくもんなんだって。思い出も溜まるし気持ちも揺さぶられるしさ。そんでなんとなく『あ〜この人と付き合って良かったな』から『これは運命の出会いだったんだな』に変わってくの。」
『林檎が目に涙をためて言う。
「まだどうしたらこれが上手くいくのかよく判らないけど、一つだけお願いね。私のことを、何しても大丈夫、みたいな可愛がり方はしたいでね。私、君のそういうのが凄く怖いの」
おそらく愛するというのは、そういうやり方では駄目なのだ。』
【ほにゃららサラダ】
「でもあいつのやってることも結局んとこうんこサラダだよな」
「それ具体的にどういう意味?」
「まんまだよ。うんこのくせにサラダ気取りってこと」
「ああ…」
「それっぽいけどうんこ。小綺麗に整えられてるけどうんこ。食べられないどころか、すでに誰かの食べたものだし、栄養も全部抜き取られたカスの集まり。臭いし病気も持ってたり。それに生温い」
『物を作るってのは、作り始めて始って作り終わって完結するものなのだ。作ってることだけが大事で、他のことは本当に意味がない。』
【僕が乗るべき遠くの列車】
『夏央はあの列車に乗ったのだろうか?
怖がらずに乗れただろうか?
誰か、彼女が怖がらずに済むように助けてくれる人がいただろうか?』
「俺、鴨さんのこと好きだよ。鴨さんがいないとダメなふうに、俺はできてるみたい」
「私それ、十二歳の頃から知ってるよ」
「あんた鵜飼さんのこと舐めすぎ。つか人間のこと知らなすぎ。というか、はっきり言って思い込みだけで生きすぎや!」
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タイトルといい装幀といい文章といい
甘酸っぱさといい。とてもとても好きでした。
檸檬の方も買う!
舞城王太郎さん、 初めて読んだけど
好きかも。 大好きかも。
ほかのも読みたいかも。
わくわく
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短編種3編
青春につきものの恋愛をベースにしながら,自分の存在を確立していく心理描写が巧みで引き込まれた.「僕が乗るべき遠くの列車」が良かった.
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う~ん…こちらが年を取っただけなのか、単純に内容がアレなのか、あまりハマらない読書でしたねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
相変わらずの舞城節なのですが…内容が学生の恋愛という感じでして、そこのところもあまりハマらない遠因だったかもしれませんねぇ…他の作家で、学生の恋愛を扱った作品とか手に取らないですから…舞城さんだからこそ、手に取ったのです! 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
そんなわけでまぁ…特に言うことはないですねぇ。内容もなんか今までの純文学系統の作品と似たような感じですし…ストーリーがあるようなないような…主人公が思考を巡らすお話が多いように思いましたね。
あ、でも、タイトルだけは相変わらず素敵だと思いました! 特に「ほにゃららサラダ」なんか読む前にどんな話だか、見当がつかなくてそこも舞城氏の魅力と言えましょう…さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー
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ジェットコースターみたいです。
言葉が頭で考えてるまんま出てきたみたいな、
整えられてない文章が、なんかわからんのに愛おしくなってくる。
学生のかわいい、けれどそれだけじゃあない、
恋について、自分について、世の中について、
キチンと不器用に考えてることが伝わってくる。
わかるなあ、とおもわず微笑みそうになる三遍でした。