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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
公共の場で他人に迷惑をかけないことが過剰な気遣いか?と突っ込みを入れたい箇所もあるが、時代が異なるせいで頑張ってギリギリ生きているという結果を出す者に頑張れない者を理解できない日本の貧困当事者を取り巻く差別と自己責任論を分析・検討した書。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人は、人に迷惑をかけないということをまず親に教えられるので、助けを求めにくいのかもなと感じました。
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鈴木大介さんの直近数作における視野の広がり方、活動範囲の広がり方は正に驚異的であり、心の底から尊敬する人間の一人だ。
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研究者:阿部さんと現場の実践者:鈴木さんの対話は、それぞれがそれぞれの知見・経験を元にして語っていて面白かった。
貧困問題が労働問題と結びつくというところ、「福祉」を対象者の自活の可能性でさらに切り分ける という発想が面白かった。
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学校は学ぶというところから、もう少し生活を支えていく場所というところへと考えを広げてほしい。(阿部 彩:p319)
このコメントは、教員である私自身も納得しているところであるが、現場の教員でこのような感覚を持っている人は、残念ながらごくわずかであるのが悲しい現実かなと。
示唆に富む意見が多く、大変参考になった。
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貧困問題に取り組んできた著者二人による対談本。実際に現場に携わってきた為、出てくる事例が豊富である。特に、貧困が一部地域で連綿と受け継がれてきた、という事例は初見である。そういうことも漠然とあるだろう、と思ってきた所に実例を出されると、改めて考えさせられる。
この本で着目したポイントは三つ。
1.漠然とした世間でのイメージと現場との乖離。
2.税金による再配分の必要性
3.強制出費を強いる産業
1について、現場と世間のイメージ・無理解に苦しめられている業界は多いので、人々の共感を得られると思う。さらに、世間体を気にしがちな日本では、尚更貧困の現場は見え難い。
2について、応分の負担、つまり増税をしないと再分配ができないという趣旨。この時、富裕層から一方的に収奪するのではなく、富裕層も含めた区別なしの給付という考えは面白い。確かに、一方的に取られるだけというのでは、中々賛同は広がらないだろう。
3について、ブライダル産業や教育産業等が挙げられている。これについては、世間の「普通」水準が上がる一方で、実際の生活実態はむしろ下降している事が問題であろう。著者は、全入という全員が全員大学まで行く必要があるのか、と疑問を出している。ただ、これに対しては全員行く必要は無いかもしれないが、おそらく「普通」のイメージが行かなかった人を苦しめると考える。
以上、この本の感想である。しかし、この手の問題を考えるときに、3位に下がったとは言え、それでも世界3位の経済大国がこの体たらくなのかと、忸怩たる思いを禁じ得ない。
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貧困問題のリアルと本質について、異なる立場の二人が語り合う。社会調査とデータのエキスパートと、貧困家庭の現場を徹底して見聞きしてきたライターと。貧困への無理解に対抗するための本音対談。
現場知らずと数字知らず、補完し合えば知恵もでてくると。
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異なる立場にある貧困問題の専門家二人による対談。
お互いに詳しく知らない内容について質問したり、意見が異なる時はハッキリ言ったりするところが良かった。私が知らなかったことを話してくれたり、異論があるところを突いてくれたりして理解が深まりました。
現時点で二人が望む貧困対策については、キチンとしたまとめが欲しかった。
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あれもダメこれもダメでうんざりする部分もないわけではないが
貧困があらゆる方面から語られており、納得度が高かった。
資金や物量ではなく、
解決策が当事者に知らされること(情報)と
行動できる状態になること(精神疾患)の課題が大きいように思った。
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著者、阿部彩さん、鈴木大介さん、ウィキペディアには、次のように書かれています。
---引用開始
阿部 彩(あべ あや、1964年 - )は、日本の経済学者、社会政策学者。東京都立大学教授。
鈴木 大介(すずき だいすけ、1973年 - )は、日本のルポライター。東京都生まれ、千葉県佐倉市育ち。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
日本の相対的貧困率は15.7%(2015年。相対的貧困とは、2015年現在では手取りの年間所得が一人暮らしの世帯で122万円以下、4人世帯で244万円以下の世帯を指す)。人数で言えば1900万人以上にも上るが、日本には本当の貧困なんてないと言う人もいる。そんな人にこそ伝えたい現実がある。一時的にせよ「飢えた」状態に置かれてしまい、万引きをしなければ食べ物にありつけない貧困家庭の子どもは少なくないのだ。
本書では貧困問題のリアルと本質について、社会調査とデータのエキスパートと、貧困家庭の現場を徹底して見聞きしてきたライターが語り合う。貧困への無理解に対抗するための本音対談。
●欧州はなぜ社会福祉が整備されているのか
●新築の家などの『強制出費』は罪が重い
●貧困家庭の冷蔵庫はものでいっぱい。ただし、賞味期限切れの食べ物ばかり
●地方の若者の刹那主義
●なぜ貧困を放置してはいけないのか
●貧困対策を徹底的に考える
●政治家も官僚も、世論を恐れている
---引用終了
もう少し新しい情報では、日本の相対的貧困率は「日本15.4%、米英より格差大きく」(日経新聞2023年11月19日)