お守りみたいな美味しい本
2021/01/10 17:10
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投稿者:らいおっと - この投稿者のレビュー一覧を見る
千早さん、とにかくよく食べる。読んでいるこちらがお腹いっぱいになってしまうくらい。そしてどれもとっても美味しそう。一つのエッセイを読み終えたら、テーマになっていたものを食べたくなってしまう。しかし、ただの食エッセイではなく、生きていく上で大切なことを感じさせてくれる一冊。人生に行き詰まった時にページを開きたくなると思う。
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投稿者:july_k - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて千早茜さんの作品を読みました。エッセイはいろいろな人のものを読みますが、この作品には少し衝撃を受けました。作者の意識がズバッと出てくる。思わず笑ってしまうところもあります。なにしろ潔い。次は小説を読みます。楽しみです。
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彼女の色彩が少し見えて
身近になった
小説を読むのに
相手を知らなくてもいいはずなのに
なぜか 興味を持ってしまう
すきだなあと 思いたいのかも
書いている人物さえも
食へのこだわり は色濃く
感じました
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食に纏わるところからの著者自身の思うところへ。
余すところ無く人となりを味わう。
なんとも魅力的な人だ。
美味しいものは体に悪いのだけど、蠱惑的なほどやめられない。
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作者 千早茜氏の食にまつわるエッセイ集である。
作者は、小学生の低学年に父親の仕事で、アフリカで、過ごしたと、書かれていたのだが、、、、
ご両親の教育の仕方が、日本的だったのか?・・・
沢山の本を読んでいらっしゃる。
どのエッセイを読んでいても、本の語り部分や、漫画についても熟知している。
サクマドロップで、節子・・・と、出て来る当たり、映画にも詳しい。
コーヒーが、嫌いで、臭いをかぐのも駄目なのは、コーヒー好きの私には、、、、何故?と、思いながら、人の嗜好は色々ありと、思いながら読み進んだ、、、、
果物は、自分が剥くのが最大の喜びであると、信じて、白桃とナイフを揃えて出した・・・など、豪快な点もある。
甘党で、チョコレート好き、肉食系、、、
毎週、掲載で、10カ月も続いたエッセイ。
本にまとめられているのだが、、、題名「わるい食べもの」って、、、、なんだか、本の内容とちょっと違うのでは・・・と、思いながら、40話近いエッセイを読み終えた。
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図書館の新刊コーナーから、
「わるい食べ物」?、体に悪い食べ物のことかな、、、
なんて、何と無く想像しながら借りたら。
決してそういうわけではなく、
作家千早茜さんが、無類の甘い物好き、
美味しいものに目がないひと、、、ということで、
作家になるために長年フリーターをつづけ、
医療事務,イタリアンレストランの厨房などで
アルバイトをしながら、作品「魚神」で泉鏡花文学賞
新人賞など受賞。作家となり、食べたいものを食べる喜びを知る。
親の海外赴任で,アフリカで小学生時代を過ごす。
今は、惚れ込んだ京都に住まう。北海道出身。
決してダラダラと,金に任せた『食』について
エッセイを書いてるわけではなく、
彼女の中に,食べ物とその生きていた元来の命が
ずっと密接に関わっていて,頭から離れないらしい。
長く卵を食べられなかった。
それは殻の外と中に命の生死が関わっているから。。。
子供時代からそんな命を言葉にできない不安と畏敬に
晒され、食べ物について考えることをやめられない
子供であったらしい。
そんな彼女のエッセイ集,実に面白かった。
装丁も現代アートのよう。
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身体に悪そうな食べ物はどうしてあんなに魅力的に見えるのだろう。頭では十分すぎるほど体への影響はわかっているのに、それでも手を伸ばしてしまうことをやめられない。それでもこの年になると、そんなことはもういいから好きなものを食べさせてくれと言いたい。そんな作者の食への思いがつまったエッセイ集。
この本を読むと、何か食べたいというよりも体に悪そうな甘い食べものかジャンクフードをこれでもかと食べてみたくなる。
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千早茜さんの初エッセイ!食に対する偏屈な自論がつまっていて、とてもおもしろかった。一つのエッセイの内容は軽すぎず重すぎずで、優雅な午後のおやつにちょうどよい口当たりです。
美食家ではなく、好きなものを好きなときに好きなだけ食べることが好き。これまで読んできた食エッセイの中でいちばん共感しながら読めた気がします。
卵からは生命の気配がしてはやく調理したいとか、学校給食の牛乳がどうにも薄気味悪く吐き気がするとか、童話の世界のまだしらないカタカナのお菓子にうっとりするとか、幼少時の食の記憶も重なるところが多い。
身近な人のことや、作家になる前のフリーター時代のエピソードも隠すことなく書かれていて、千早さんがより身近に感じられた。ツイッターで普段たしかに食べ物の写真が多いなぁ!とは思っていたのですが、なんか他者の意見を寄せ付けないような尖った雰囲気のある人だと思ってたので尚更。
エッセイでも偏屈っぷりは健在ですが、その食に対する姿勢が深く知れて良かった。帯に、「気高き毒気冴え渡る異色の食エッセイ」とあってみょうに納得しちゃいました。
何を食べるか、大人になった私たちはもう全て自分で決められる。好きなものも嫌いなものも。千早さんに教えてもらって、そのとてつもない自由に胸が震えた。
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著者にとっての初エッセイだそうです。
いわゆる健啖家であり、甘いものなどはいくらでも
食べることができるそうです。
旅先などで食べる描写は非常にさわやかで、たとえ
B級グルメをワシワシと(失礼)食べるシーンで
さえも、優雅な雰囲気を漂わせます。
「一緒に食事したいなあ」「時々エピソードを
挟む”美味しんぼ”について語り合いたいなあ」と
思ってしまう一冊です。
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千早茜さんの食エッセイ。初エッセイらしい。千早さんの小説は一冊しか読んだことがなかったが、エッセイの方がナチュラルで読み易い。「甘党だがかき氷は苦手」「社食に憧れている」「給食のご飯に牛乳の組み合わせはおかしいと思う」「トットちゃんの海のもの山のもの弁当に感銘を受けた」「バレンタインの祭典サロンドゥショコラには毎年意気込んで参戦する(もちろん自分用)」等、自分との共通点が驚くほどあり、思った以上に楽しんで読めた。しかし私は甘党とはいえ、1日に15個のケーキは絶対ムリ....食の執念は、はるかに私より上だ。
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家にじっとしていたい派と出歩いて面白い物美味しい物に出会いたい派が千早さんの中に矛盾なく同居して,家での普通の食事や気になるお店や食べ歩き,あるいは子どもの頃の思い出など話はめぐる魔しく変わるが,あくまで食べることへの情熱は変わることない.その貪欲さと丈夫な胃袋に脱帽です.
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千早さんの食べる量がすごい
人ってこんなに食べれるんだな〜
今度旅したら行く先々の銘菓を食らいつくしてやろう!って気持ちになった
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“懐かしさとおいしさは完全には一致しない。生涯おいしく感じる食べものはきっとない。生活も体も変わっていく、そのときどきで味覚も変わる。そうやって生を繋ぐうちに、いつか懐かしい食べ物に戻ることもあるかもしれない。”(p.60)
“二十代の頃はO部長に対して「またキレてるわ、あのジジイ」としか思ってなかったが、三十代も終わりにさしかかった今となっては凄いことだと思う。怒るというのは、諦めない、ということだから。”(p.147)
“引っ越しをすると米を炊くまで落ち着かない。米の炊ける匂いがただよいはじめてやっと、これからここに住むのだ、という気持ちになれる。米をといで炊くという行為には、大好きな茶を淹れることよりもっと深く、どしりとその場に腰を落ち着かせるなにかがある。”(p.169)
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図書館で借りたもの。
「いい食べもの」はもうたくさん。自由こそ至高の美味である――。幼少期をアフリカで過ごした小説家による、気高き毒気冴えわたる異色の食エッセイ。
食べ物のエッセイだけど、どこかダークな感じ。
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再読。
前回感想を書いたところが年月が経ち、結婚し家庭をもって、「胃があう」人との暮らしの楽しさを知った。
でもたまに1人、ふらりと自由を謳歌する時間も大切に。2人以上の食事があるからこそ、自由な食事の時間はさらに輝く。
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独身で一人暮らしの社会人。
これまでの人生の中で、今がもっとも自由だな、と感じる。
その理由は、なるほど、食の自由を謳歌しているからだとこの本を読んでしみじみと実感した。
私も生粋の食いしん坊である。
本の中に、物事がうまく進まない時に暴飲暴食に奔るエピソードがあったが、強く共感した。
食いしん坊にとって、食は生活そのものであり、褒美でもあり、戒めでもあると思う。
できるだけ好きな時に好きなものを食べたいから、そこそこ身体に気をつける。食べることを我慢するよりは、運動する方がマシだと感じる。これを食べたいから、頑張ろう、と気を引き締めてさせてくれる。
ちなみに、私は物事がうまく進まないときはとりあえず辛いものを食べます。(できれば、蒙古タンメン中本のラーメン。)
学生の頃に戻りたい、と言う人がよくいるけれど、あまりそうは思わないのはこういうことなんだろう。私は、好きな時に好きなように好きなものを食べたいです。そのためにも毎日きちんと働こうと思える。
ただ不思議なことは、食事を共有できる人がいると何故だかもっと美味しく、幸せに感じるということだ。
一人の方が自由であるはずなのに、とっても不思議。
自由のそのもう一歩先の「美味しい」は、きっとこれから見つかるんだろうな。
あとひとこと言いたいのは、「溶けない氷」のかき氷の話。本当に美味しいかき氷って、水の風味を楽しむことができると思うんですけど、どうですか?