0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
本と鍵の季節というタイトルに、えっと思ったのは私だけだろうか。しかし、読んでみて、この題名がまさにぴったりな本だと分かりました。次々に展開される鍵と本の話を一気に読んでしまいました。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が謎を解く一つ一つの話が短編になっているので、読みやすかった。最後は今後の二人の関係が気になる終わり方で、続編が読みたくなった。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
普通の高校生が可能な範囲で謎を解いていく、というには少し無理があるかもれませんが、ほぼ可能な範囲で謎解きをしていくので、現実的で面白かった。
委員で一緒になっただけの同級生
2019/01/26 18:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書委員で一緒になった、そこそこ成績の良い普通の高校二年の男子二人が先輩や後輩の持ち込む謎を解いていきます。
軽い気持ちで持ち込まれる謎の裏に潜んでる闇がなかなか・・・。
最後は当事者の謎解き。さらなる闇がまってます。
一年だと子供っぽい、三年だと受験で忙しい。高校生活の中で二年ってちょっと余裕が感じられますよね。
素晴らしい後味の悪さ
2019/01/02 10:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ユキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全編通してちょっと後味が悪いのですが、個人的にはそこが良かったです。
あと、主人公2人の軽快なやり取りの雰囲気が好きでした。
投稿元:
レビューを見る
この感じ好きだな~。ちょっとダークでニヒルな感じ。どの短編も「その後」は記されていないのが歯がゆい気もするけど、それがまた余韻を残してよい感じとなっている
投稿元:
レビューを見る
高校生主人公だとどうしても古典部と比べてしまう。そして人物の造形がいまいちで明確な像を結ばない本書の登場人物は魅力が薄い。小市民よりも少し上だが古典部からはかなり落ちると感じた。
投稿元:
レビューを見る
著者らしい、ややダークな風味のある青春推理連作。それぞれの作品の質は高く、会話などから導かれる結末も違和感はない。全編を通じて伏線となっている主人公自身の謎も余韻を残しつつ回収されており、綺麗な結末でした。
投稿元:
レビューを見る
引っ越し先の図書館で一番最初に予約して、1年半たって、ようやく手元に。
どのシリーズにも属さない、高校2年生の図書委員・堀川と松倉が本と鍵の謎に迫る6編の短編集。
堀川も松倉も高校2年生とは思えないくらい、とても落ち着いている。基本、二人は図書室で作業をしながら、くだらない話をしている。その内容も何ともほっこりして、和める。
しかし、他者から持ち込まれる小さな事件には鋭い切り口で謎を解いていく。「氷菓」シリーズより、少し謎が深く、「小市民」シリーズほど二人は小市民ではなくて、ちょうど中間あたりの位置づけで楽しめる。
最後の2編は松倉の家族の秘密に迫るもので、読んでいて、少し切なくなった。
投稿元:
レビューを見る
青春ミステリ連作短編集。
主人公は善人寄りの人間だ。でもそれは余裕があるからだといわれてしまえば黙るしかない。やるせない後味の残る作品だった。
・913が一番好みだった。一見穏和な空気のなかにヒヤッとする悪意を差し込むのが上手だなと思った。
松倉はどうやって家に侵入したのだろう。玄関には鍵を掛けられているだろうし、主人公が人目を盗んで解錠しにいけるはずもなく……?
・「名にし負う美女」、こういう学のある例えがさらっと出るところが素晴らしいなと思う。自分は高校生の頃どころか社会人になっても知らなかった。
・岩波文庫の裏表紙にある“壺とも野菜とも知れない謎の”マークには全く同感。本当にあれはなんなんだろう?
・「大人は学生にソバぐらいおごれるよな」には違和感があった。“学生”とは一般的に大学生のこと。高校生なら“生徒”だ。他の作家ならいざ知らず言葉遣いに定評のある米澤氏の文章で見てしまうと切ないものがある。
・教室に入ると“西日が真正面から飛び込んでくる”、“この学校の教室はすべて、黒板に向かって左手が窓”、“どの教室も西日が強烈に射し込んでくる”とあるが、夕日が差し込む教室というのは風情があるけど、あり得ないのではと思う。建築法で学校の窓は東~南向きになるよう方角が決まってるらしいので。
自分の通っていた中学、高校も東か南向きの窓だった。もちろん例外はあるだろうけど、全ての教室というのは……これが自由な私立校か、西向き窓に何か理由があれば差し支えなかったのだけど。
・これは単体で掲載された作品とのことだけど、昔話を聞かせて~を読んだ人は、え?おかしくない?とモヤモヤしたんだろうな……と想像する。そういう意味では書き下ろしと上下セットの作品。
投稿元:
レビューを見る
“僕”=堀川次郎は、同級生の松倉詩門と、週に一度、図書委員の当番をしている。
松倉とは、高二の春に図書委員会で知り合った。背も高く顔もいいスポーツマンタイプの彼が図書委員とは意外だったが、話してみるといいやつだった。
今では当番を勤めながら雑談で時間をつぶせる、気が合うのか合っていないのかわからない、少しふしぎな距離感の友人同士。
ある日、放課後の人気のない図書室のカウンターに座るふたりに、引退した三年生のひとり、浦上先輩から、奇妙なアルバイトを持ちかけられる。
堀川と松倉の男子高校生二人組が、高二の夏から秋にかけて、持ち込まれた謎や巻き込まれた事件、そして最後は松倉が提示した謎を解く連作集。
「古典部」「小市民」シリーズも季節の中で起こる出来事をたどるように物語が進むが、これは一冊の中で描かれる、“春秋”の物語。
ふたりともバカ騒ぎをするタイプでもなく、女子にうつつを抜かすでもなく、淡々と、お互いを認め合っているからこその会話の飛躍が面白い。
秋の物語は、少しひんやりと冷たく、澄んでせつない。
最後の謎のその先にも、変わらないふたりがいるはずだと思う。
…きっと冬の物語も、次の春も、ふたりの組み合わせでしかあり得ない雑談が続くはずだと。
青春に、恋愛は必須じゃないんだ。
投稿元:
レビューを見る
本棚の大きさの関係上
あまり単行本を買う事がないのですが、
図書カードを頂いたのでせっかくなら新しい本を!
と、気になっていたこちらを買いました。
高校時代を図書局員として送っていた私からすると
懐かしい単語が多く、
あぁこんなことあったなぁ、
私の所の学校図書館はこうだったな、という
記憶が蘇りました。
正直図書委員だからと言って
このような謎が持ち込まれることは終ぞありませんでしたが……(笑)
爽やかでほんのりビターとありましたが、
もう少し爽やか要素を想像していたので
個人的にはかなりビターな後味でした。
(少し期待しすぎてしまったのかも)
読み終わった後に古典部を思いだし
古典部を再読したくなっています。
古典部でも思うのですが、
キャラクターが年齢に対して達観しすぎているというか
口調があまり現実的ではない。
漫画やラノベに多い雰囲気に感じます。
現実感を小説にしてそれが成立するかというと
時と場合によるのでしょうが
彼らの口調はあまり現実味がないような
そんな気がしました。
そもそもここまで推理力というか洞察力の高い高校生、
いるのかなぁ……(笑)
スマホもいじっていましたが、
少し前の時代の雰囲気のような。
(現代高校生がすれ違いざまに「やぁ」というのか、
それとも学校の雰囲気にもよるのかしら、など考えてみたり)
やはり何処か作品の中の人間である、感が否めないのです。
リアルな人間臭さというものがあまり感じられない。
淡々としている。のに、その中に悪意や触れて欲しくないような敢えて見せて欲しくないような部分を見せてくる。
男子高校生という、
女子とは異なるいささかさっぱりというか
さっぱりし過ぎている関係性にも不思議な感覚でした。
一つ「そりゃないよー」と思うのは、謎を持ってくる先輩後輩含めて態度が悪すぎるという点。
いくら後輩だから、関係が今しかないかもしれないからとはいえ、謎を解いてもらう気でいるのに何故そこまで態度が大きいのか。
2人が大人びてやたら達観しているところがあるとすると、
他の生徒が子どもなのか同じく大人のいやらしさの象徴なのか。
何となく気になるポイントでした。
投稿元:
レビューを見る
面白い。新しくシリーズ化されると思ったが、まさかの展開に驚いた。一話一話の展開にも驚いたが、最後もすごい。続きが気になるが、まあそこは書かれないと思う。でも良かった。
図書委員の堀川と松倉のW探偵
1.先輩の家の金庫
2.二人で美容院へ
3.後輩の兄のアリバイ
4.先輩の自死した友人の本
5.子どもの頃の話
6.松倉の秘密
投稿元:
レビューを見る
図書委員の堀川と松倉は今日も人が寄り付かない図書室でせっせと仕事に励んでいた。与太話に励んでいたとも言う。そんな二人に元図書委員の浦川先輩がある頼みごとをしてきた。彼女曰く、亡くなった祖父の開かずの金庫を開けられないか、と。二人は先輩の家で金庫開けに挑むことになるが……。他、洒落た美容院の秘密や後輩の兄の濡れ衣を晴らす話、あるいは松倉の父の話。全6篇の連作短編集。
シニカルで地頭と察しの良い図書委員男子二人の日常の謎ミステリー。女っ気ゼロ。古典部よりも根が深く、薄暗く、現実的なネタが多く、その後味は渋くて苦い。でもとこか軽妙でさっぱりとしているのが良い。よねぽはつくづく永遠だったり夢のようだったりする友情や青春を書くつもりがなくどこまでも現実的な距離感の二人。大人びすぎてる二人だけど、変な味のジュースが好きだったり懐中電灯で遊んだりする姿がかわいい。ラストはなかなかに重たい背景だったけど、一冊の流れを汲んだ会話になっていてとてもよかった。そしてこれは続編があるとしても妖精パターンだと思う。
私の妄想だけど、この二人は高校を卒業して進路を違えたら自然と距離が出来ていくと思う。決定的な仲違いもなく、ただタイミングが合えばいつか再会する、そういう普通の男子二人なイメージ。
投稿元:
レビューを見る
謎の後ろに謎が隠されているミステリ。小気味好く一気に読んでしまった。
米澤さんの描く学生は一見、倦んでいるような引っ込んでいるような走り出さないような、冷ややかなタイプが多いけれど、自分を恥じる気持ちがあるということは、理想があるということで、そのバランスに本を読む人はぐっとくるんだと思う。
たとえ、理想というものが到達不可能であり目指すべきとすら言えないイデアだとしても、信じたいと願っているから。
自分にとっては、作家の動きをリアルタイムで追いかけることはほぼなくて──面白い本が世界にはありすぎるので──ハードカバーを購入すること自体少ないのだけれど、米澤さんは雑誌も含めて読んでいるので、氷菓シリーズ、古典部シリーズから少し距離を置いて、インシテミルや追想五断章や折れた竜骨や満願そのほかを経て、この図書室の放課後に辿り着いたのだという感慨が新鮮だった。