知っているようで知らないチョコレートの歴史
2018/05/22 09:26
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投稿者:野間丸男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
カカオ豆のこと知ってる?
ココアとチョコレートの違いは ?
チョコレートは好きなのに、どうやって作られるのだろう。
中南米原産のカカオが、大航海時代に植民地化とともに、赤道帯地域に広がり、
権力者の飲み物ココアとして広がり、砂糖の流通により、チョコレートが登場する。
イギリスの産業革命による量産化とコマーシャル化でグローバルへ
ちょっぴりウンチクをスパイスに、もう一口
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読み始めて直ぐに何を主張したいのか焦点の定まらない無いようだなと感じました。
しかし、読み進んでいくと英国のクエーカー教徒のココア、チョコレート製造者が奴隷廃止、週休二日制、年金などの社会福祉、保護貿易廃止などの運動を行って来た歴史が書かれています。
Kit Katの歴史も。
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だれもが甘い思い出を持つチョコレート。そんなチョコレートの歴史は、近代成立の歴史でもある。本書は、大西洋三角貿易、市民革命、重商主義、マニュファクチュア、戦争と歩んできた世界の歴史を、チョコレートとともに追いかけるという精力的な一冊である。
◆本書の目次
序章:スイーツ・ロード 旅支度
1章:カカオ・ロードの拡大
2章:すてきな飲み物ココア
3章:チョコレートの誕生
4章:イギリスのココア・ネットワーク
5章:理想のチョコレート工場
6章:戦争とチョコレート
7章:チョコレートのグローバルマーケット
終章:スイーツと社会
チョコレートの原料であるカカオは神々の食べ物と言われ、世界各地に広がる間に、飲み物になったり、薬品になったり、貨幣として使われることもあったそうである。チョコレートは原料のカカオ栽培から加工食品の製造まで非常に手間のかかる食べ物である。そして、手間がかかるということは、すわなち労働力を必要とすることを意味する。労働力が投入されるプロセスは大きく分けて「原料生産のプロセス」「加工生産のプロセス」の二つ。そして、その二つのプロセスをつなげる役割を果たしたのが「貿易」であった。
◆原料生産のプロセス
アステカ王国の時代、カカオ生産の労働力はインディオであった。やがてアステカ王国が滅びインディオ人口が減少すると、不足した労働力を補うために、大西洋三角貿易を通して黒人奴隷が移入されるようになったと言う。カカオの生産には「褐色の涙」と称される、実に暗い過去があるのだ。のちに、奴隷貿易は廃止され、貿易の仕組も保護貿易から自由貿易へ変わると、カカオの値段は一気に下がり、これが世界中にチョコレートが広まるきっかけとなった。
◆加工生産のプロセス
かつてポルトガルの宮廷には「チョコラテイロ」という担当官がおり、スペシャリストとして加工を行っていたと言う。17~18世紀になるとカトリック諸国でカカオ豆の摩砕を専門にするココア職人のギルドが形成されてきた。さらに19世紀に入ると、イギリスでキャドバリー家、ロウントリー家というクェーカー教徒の一派が良質なココアを販売して名を馳せ、成長していったそうだ。クェーカー教徒はプロテスタントの一派であるが国教徒に属することができず、弾圧を受けていたため、商業に邁進せざるをえなかったようである。このクェーカー集団が、やがて資本主義的生産体制に移行し、大規模化した工場で大量生産されるようになったと言う。
ちなみに、ロウントリー社のヒット商品でもあるのが、赤いラッピングペーパーでおなじみの「キットカット」。そのキットカット、過去に青いパッケージで出された時代があるという。第二次世界大戦中のことだ。そのパッケージには「チョコレート製造に使うミルクを充分に入手できないため、平和な時代に召し上がっていただいていたチョコレート・クリスプを、いまは作ることができません。」と書かれていたと言う。青いパッケージには、平和な時代への願いが込められていたのだ。チョコレートの社会的な味わい���、決して甘さだけではないのである。
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愛媛新聞2011.02.11。一面コラム『地軸』で紹介。
《チョコと社会福祉が切り離せない関係にあると気づかされる。》
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世界史というより、イギリス産業史をチョコレートから垣間見ている感じだ。
クエーカー教徒が築いたロウントリーの会社が非常に厳格、しかしとても魅力的。この会社からキットカットが生まれたというのは不思議な気がする。
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【読みやすい新書】
チョコレートやココアといったスイーツの歴史がたっぷり書かれています。例えば、赤い包装紙でおなじみのキットカットが青の時期があった。その理由は?
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本を開くと、むせかえるようなチョコレートの匂い
などは一切しない。
しかし、内容はチョコレート一色で、非常に濃いものとなっている。
カカオ分78%ほどであろうか。
チョコレートマニアの必読書であろう。
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褐色のダイヤ、カカオ。薬品か食品かでカトリック内で論争も。貨幣価値としては、同時代の砂糖やコーヒーとはどう違うのか。とりあえず第2章まで。
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カカオ発祥の地はメキシコ。
三角貿易を通じて欧州へ。
欧州では薬として、薬剤師たちが存在を広める。
砂糖とカカオが安価で供給されるようになってからは、ココア改良の時代。
オランダ、イギリスで開発が進められる。
イギリスのロウントリー家が頭角を現す。クエーカー教徒。
ロウントリー家による、貧困の研究、社会福祉、産業心理学の研究。
マーティングの一環として、看板を背負って、街を駆け抜けた。
戦時は貴重なカロリー源に。
常にあたらしいことに挑戦することと、クエーカーの教義がロウントリー家の成功の秘訣。
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読み進むうちにキットカットネタに…理由は「あとがき」を読むことで納得。
途中退屈。
今現存するメーカの初期の頃がわかる軽い歴史。
どちらかというと、カカオ自体に興味があったのでちょっと期待した内容ではなかった。
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最初の方はスペイン・中南米、そして後ろはイギリスがメインという構成。カカオ・チョコレートから世界史が読んでいけるのは面白かった。ただ、途中根拠のない主観的な書き方が見られた。ま、文庫本なのでその辺は何とも言えないが、ひっかかる箇所ではあった。けど読みやすいことには間違いない。
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図書館本。
大航海時代に中米からヨーロッパに交易が開始されたカカオから、
製品としてのチョコレートまでの歴史。
後半はキットカットの歴史でしたが
ゴディバってベルギーの一家企業だったのね。
買収されて世界区に。
中米の植民地からの交易から、需要拡大でのアフリカでも栽培・交易されていく観点からすると
チョコレートとは中毒性のある悪魔のスイーツになるわけか?
日本でのキットカットは不二家とネスレの合弁企業。
カカオ → カカオマス →カカオケーキ → ココア
↓
カカオバター
↓
カカオマス+カカオバター → チョコレート
メモ:ホワイトチョコレートはカカオバターのみを使ったもの。
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食いしん坊の私は、食べ物の歴史本が大好き。その中でもこの本は、チョコレートの歴史・豆知識について詳しく語られており、大変役立つ一冊。バレンタインを前に色々なテレビでチョコレートについて取り上げられているが、この本に書かれていることがほとんどということも多い。
あるココアの会社は、当時出たばかりだった「自動車」に大きなココア缶を積んで、広告として街を走り回ったらしい。最近、渋谷辺りでよくレッドブルの缶を積んだ広告車を見かけるが、そういった試みが自動車発売当初から仕掛けられていたという話を聞いて非常に驚いた。
第二次世界大戦中、キットカットのパッケージは青になり、「チョコレート製造に使うミルクを十分に入手できないため、平和な時代に召し上がっていただいていたチョコレート・クリスプを今は作ることができません。キットカットは現在調達できる原材料で作ることができる最も近い味のものです」と書かれていたという話を読み、キットカットがますます大好きになってしまった。
チョコレートに関する歴史からマーケティングまで、様々なことが詰まった良書。
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各時代におけるカカオの貿易・生産・消費について書かれた本。
世界貿易と植民地化、奴隷貿易とともにヨーロッパに広まっていったカカオ。スペイン・ポルトガル・フランス・イタリアなど(カトリック圏)と、オランダ・イタリアなど(産業化・工業化が早かった地域)での広まり方の違いは面白かった。
飲み物だったココアは、宗教的背景もあり、薬として受け入れられていく(薬なら断食の間も許されるから)。様々な効用を持つため医学にも影響を与えた。優れた老舗ココア・チョコレートメーカーは、化学・医学に精通した薬剤師の家系であることが多い。そのうち機械の知識も合わせ持ったものの間から、チョコレート、ミルクチョコレートなどが改良される。
キットカットの青いラッピングペーパーにまつわる話は象徴的。チョコレートの見方が変わるかも。
最後の方に出てきたフェアトレードの話をもっと読みたかった。
一行だけ登場したモディカのチョコレート。行ってみたいと思っていたことをこの本で思い出した。
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中南米原産のカカオ豆から作られるココアとチョコ。西欧は当初いかに受容していったか。どのように変化して世界に広まったか。知るほどにチョコが食べたくなる一冊。
19世紀以降の話が,イギリスの事例(そのなかでもロウントリー社の例)に偏ってるきらいはあるけど,カカオのたどった歴史がざっくりわかる。16-17世紀にスペインから,砂糖を加え熱くして飲む習慣がヨーロッパ中に広まった。当初は宗教的事情から「カカオは薬か食品か」論争が繰り広げられる。
カカオ豆の胚乳部分を炒って,すりつぶしたのがカカオマス。それをプレスすると油が分離して,ココアケーキとココアバターが得られる。現在のココアはこのココアケーキからできる。プレスの技術は,1828年にオランダのヴァン・ホーテンが発明。それ以前は長らく油分の多いチョコレート飲料を飲んでいた。
カカオマスにココアバター・砂糖・ミルクを加えるとチョコレートができる。油分を含むカカオマスにさらに油を加えて,砂糖を溶かし込みやすくしている。ミルクを加える技術は,1876年スイスのネスレらによる。だから固形チョコレートの誕生って,19世紀でだいぶ遅い。
ヴァン・ホーテンやネスレ以外にも,リンツやキャドバリーやキットカットなど,ココア・チョコレートで有名な固有名詞がいろいろ登場。
安定で安価な供給が可能になると,ココアもチョコも大衆化し,広告もいろいろ工夫される。ポスターなどの図も豊富に紹介されていて楽しい。有名なキャッチコピー「Have a break, Have a Kit-Kat」は1962年に始まったらしい。50年とは息が長い。
あと,イギリスのカカオ産業を率いた会社が,いづれもクエーカー教徒の創業者をもつことは興味深い。大衆飲料を酒からココアへ,工場の労働環境を改善,など社会改良を目指す思想が,カカオ産業の成長を後押しした。
本書では詳しく触れられていなかった,ベルギーなどヨーロッパ大陸のチョコレート産業。イギリスで大量生産チョコレートが確立した後,20世紀に消費の多様化が進んでいくにつれて家内工業的だった非規格品のチョコにも注目が集まる。業界再編も経て,今世界には多様なチョコレートが出回っている。ありがたいことです。