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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
市長さんを応援したい方は一読されるとよいのでは。「司法の闇」というとアレですが、運が悪かった、では済まされない問題ですもの。
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事件のあとの「識者コメント」で出てくる郷原氏の「出世作」とも言える美濃加茂市長の事件の本です。
事件といっても、あまりにも事件にするのがいい加減な事件。
ターゲットにされた市長が、とてもまともな人だったこと、そして、よい弁護士がついたこと、いろんな偶然がないかぎり、「はめられた」結果になっていたことは想像に難くありません。
根っからの詐欺師、根っからの反社会的行動者は、確かに存在します。
まさかと思った瞬間、もうだまされているのかもしれません。それくらい巧妙な作り話を作ることができる人たちがいます。
テレビや週刊誌だけ見て真実を知ったような口をきいてはいけません。
そのことをしっかり気がつかせてくれる一冊になるでしょう。
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【「警察」と「検察」という権力機関が、市民によって選ばれ、市政を担う市長を、その職から引きずりおろそうとしたのが今回の事件であった。そのような権力に、美濃加茂市民は屈することなく、一貫して市長の潔白・無実を信じ、支持・支援を続けた】(文中より引用)
当選当時には最年少市長の誕生として注目を集めながらも、事前収賄などの罪に問われ、2017年には最高裁において有罪と刑が確定した藤井浩人・元美濃加茂市長。同元市長の無実を訴え続けてきた弁護人が、事件の経過について解説を加えるとともに、司法システムの問題点を指摘した作品です。著者は、本事件の弁護人を務め、コンプライアンスに関する第一人者としても知られる郷原信郎。
逮捕が大々的に報じられたにもかかわらず、藤井元市長に対する市民の支持は引き続き強いというニュースを目にしたことがあったのですが、それも宜なるかなと思わせる内容。本書で描かれるのは現実の出来事なんですが、どこかカフカのシュールな小説を思い起こさせるものがありました。
弁護人による手記ということを踏まえても☆5つ
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美濃加茂市長事件の一審と控訴審の経過を読んで思い出すのが、映画「それでもボクはやってない」。
これは一審の途中で裁判官が変わっているので、美濃加茂市長事件での一審と控訴審との対比とはまた異なるのだが、同事件の一審の裁判官は「それボク」で最初に主人公の事件を担当した裁判官のようなタイプであり、控訴審の裁判官は「それボク」の交代後の裁判官のようなタイプだと思う。
詐欺師の話に乗っかって、何のメリットがあるか分からないが(地方自治体の現役首長を挙げると検察庁内でのポイントが上がるのだろうか)、検察官が藤井市長を逮捕して起訴し、控訴審裁判所も無理矢理な認定でこれに追従する。
検察がどうしようもないのは言うまでもないが、裁判所が検察に振り回されすぎなのは、もっと問題だろう。
日頃、裁判所は公正中立という外形を大事にする姿勢を示しているが、本書で描かれているように、実際の裁判では公正中立を疑わせるような判断が目に付く。