五条雪彦の新説な美術史 諸説あります。 みんなのレビュー
- 著者:眞村 六郎, イラスト:双葉 はづき
- 税込価格:748円(6pt)
- 出版社:KADOKAWA
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切実に続きが読みたい
2021/06/28 18:42
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
【ネタバレ】
美術史専攻の准教授である幼馴染の雪兄の研究室に助手として配属された院生の雨音。
研究室の数と院生の数のミスマッチから自身の専攻である心理学関連の研究室に配属されなかったために雪兄が引き取ってくれたと感じている雨音は、
恩と恋心と変わらず子供扱いされる距離感に自分の立ち位置を定められずにいる。
門外漢ながら雪兄に行動分析学の見地から名画の解釈を求められ、
二人で論じながら身の周りで起こる小さな事件を片付けていく新説日常系ミステリー?
奇論暴論と呼ばれようとも作中で語られる名画の考察はとても面白かった。
「ダヴィンチ・コード」もそうだったけど、美術史やその解説本を読むのは飽きちゃっても、
こうして小説内でストーリーに絡めて話されると興味深く読めるし、頭に入ってくるから楽しい。
雨音は家族全員亡くした雪兄に寄り添いたいと思いながらも腫れ物に触れるような形でいて、
その時々で離れた方がいいかもと悩んだりする。
正直だいぶ上から目線で哀れんでいるように見えて「ん?」と思うところもあったし、
関係が進展しなかった感じだけど、雪兄は好きで雨音を側に置きたいみたいだし、
ちょっと捻くれててもよさそうだ。
引っ込み思案で慣れた雪兄や友人相手以外では上手く話せなかったりする雨音が、
内心では結構辛辣だったりツッコミ気質なのも面白い。
三大名画四点の説明の時に「ベストスリーのレギュラー争いなんてしないで四天王にすればいいのに」みたいに考えてるの笑った。
二人が進展しなかったことも含めて、名画の新解釈も面白かったし、できれば続きが読みたい作品だった。
読み返すかわからないから好きだったところ書き残しておこう。
雨音が話題を逸らしたい時に名画の解釈の話題を振ると、
すぐに雪兄がそっちに食いついてしまうのチョロいと思ってたけど、
最後で実は好きな美術の話題だから逸らされてたんじゃなくて、
好きな美術の話題に雨音が興味を持ってくれてると感じで嬉しくて付き合ってたのが発覚したの、普通に萌えた。
専門外の分野でも無理やり助手にしたのも側に置いて美術を好きになって欲しかったからだし、
ラストで淡白なのをひっくり返したのはとても良かったね。
中高生の女子が表紙絵に惚れていました笑
2019/07/08 09:07
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投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
美術(有名絵画)を新しい解釈・歴史的背景を織り交ぜながら物語が進んでいく小説で、ちょっとした美術解説書を読むよりも面白く、絵画について学んでいくことができます。
もちろん、美術に疎い人でも楽しめるような内容になっていますし、行動心理学も出てきますので、心理学に興味がある人も飽きずに読めるかも!
恋愛要素もありで、小説としても十分に面白いのですが…ヒロインの女の子が、ちょっと性格に難ありかな…。
主人公なのに、性格がよろしくないとやっぱり入り込みにくいので…もうちょっと、とっつきやすさがほしかった。
せっかくの恋愛要素も、そこで少し薄らいでしまいます。
表紙絵は、中高生の女の子にはウケるみたいで「イケメンだ!」と言って、どんどん触れていました。
美術に興味のない女子が手にとるような装丁イラストはよかったと思います。
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