紙の本
『ぼくは本を読んでいる。』
2019/02/05 20:22
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
5年生のルカは両親のどちらかが小学生時代に読んでいた本を偶然見つけ、こっそり読み始める
最初に手にしたのは少女小説の定番『小公女』
ルカは読みながら自問自答し
両親にするどい質問をなげかけ
クラスメイトと会話しながら
ひたすら読み進めていく
べつに本好きってわけでもないルカの始業式から1週間を本をモチーフに描いた《ありそうでなかった ひたすら「読書する」物語》
この一冊で『小公女』も『あしながおじさん』も読めてしまう、ひこ・田中の最新作(2019年1月刊)
紙の本
きみはまっ白な紙だ
2019/04/23 15:21
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
白い、何も書かれていない紙があるとしよう。
そこに色とりどりのペンでなんでも描いていく。うずまきだって、ギザギザだって、ただまっすぐな線だって。
もちろん、ひらがなも漢字も、英語だっていい。
子供たちの世界はそんな世界なんだろうな。
書いても描いてもまだまだ描ける。
児童文学者ひこ・田中さんのこの物語を読んで、そんな感想を持った。
小学5年生になったばかりのルカという男の子がこの物語の主人公。
大の親友安田くんとか幼馴染のナナとか転校生のカズサとか友達もたくさんいる。
でも、ルカはこうも思っている。
「幼くはないし、大人でもないってわけ」。
だから、いろんなことが疑問だったりする。
そのたびにインターネットで検索なんかする。
ルカは昔の子供ではない、今の子供。
そんなルカが家にある「本部屋」、そこは壁一面に本が並んでいるところ、でまだカバーがされたままの本を5冊見つける。
どうも昔、お父さんかお母さんが子供の頃に読んだ形跡のある本みたい。
それが『小公女』と『あしながおじさん』。
ルカはこの2冊の本を読むながら、たくさんのことを考えていく。
100年以上前に書かれた本を読むことの不思議、今出版された本ではなくお父さんたちの時代に書かれた本を読む難しさ。
そんなこととか目にするさまざまなこととか、ルカの心の白いページはどんどん埋まっていくのがとってもうらやましい。
きっとこの本は小学5年生の読者と年をとった読者とはちがう感想になるのだろうけれど、本はそんなことで不公平になったりはしない。
いい本はその人にとってのいい本だから。
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書でこんなにいろんなことが引き出せるって素晴らしいなあ。
小公女、あしながおじさんを読む少年ルカの物語。
本の話題は楽しいな。
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子供が読書に目覚める瞬間
それは両親の本だなで始まった
小公女や足長おじさん
子供の不思議
http://muto.doorblog.jp/
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改めて本の素晴らしさを感じられたストーリーでした。
物語の構成も面白くて、読みながらワクワクしました。
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本のお部屋羨ましい。親子の会話も素敵でした。何かに興味をもって本を読んだり、調べ物したりする姿勢って自分を広げるのにすごく大切なこと。それが物語の中で自然に描かれててよかった。学校の図書室に置きたい。
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家の本部屋でカバーのかかった5冊の古い本を見つけたルカ。両親のどちらかが子どもの頃に読んだ本ではと考えたことから興味がわき、読み進めていく。一見関係なさそうなルカの日常と本の内容を絡ませるなど本への考察力は小5なのに半端ない。まさに常に考えてる小5。おかげで小公女をちゃんと読みたくなったよ。
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家の本棚の一番上の段に、カバーのかかった本が4冊あった。なぜここだけカバーがかかっているのかな?不思議に思って1冊中を見ると、『小公女』という本だった。読み始めると、古い本なのに面白い。これはお父さんの本?それともお母さんの?
「本を読む」から始まって、転校生と友だちになったり、スーパーマーケットを探検したり、少しずつ世界が広がっていく。本を読む楽しさが伝わってくる物語です。
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小学5年生のルカ(男子)のクラスに大阪から女の子が転校してきた。本を読むのが好きだからそっとしておいて、とあいさつしたカズサ。ルカの後ろの席に座ったことから言葉を交わす。ルカの幼馴染のナナと仲の良い男子の安田。4人は時々一緒に行動するようになる。
カズサはなかなかの読書家だが、ルカもちょうど両親の本棚で見つけた児童文学の古典「小公女」を読み始めていたところ。父親か母親のどちらかが子どものころ読んでいたもののようだ。ルカは、どちらが読んでいたものなのかを想像しながら、こっそりと読んでいる。そうしてルカは3人の友人と知らず知らずのうちにネット社会についてや「知る」という行為についてを考えるようになる。
おもしろい発想から抽象的になりがちな「情報」というものを具体的に考えていく。出てくる子どもたちや両親が、皆ちょっと理知的(?)過ぎて現実味が薄れる感はある。そして、児童文学の古典とはいえ取り上げる本が古典的すぎないか?
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ぼくの家には「本部屋」と呼んでいる部屋がある。
その部屋で、ルカはカバーのかかった数冊の本を見つける。それは古い児童書だった。
ルカはこっそりとその本を読むことにした。
現代っ子のルカが淡々としながらも、揺れるお年頃を思わせる。
そこに読んでいる本が微妙に絡んで、本を読むこと、考えること、感想を伝えることがジンワリと染み込んでくる。
チビちゃん達に是非読ませたい。
けど、「小公女」「あしながおじさん」は先に読ませてからがいいのかなー。
最後のアンの本は手元にある本の方が古くて、ルカの両親は私より年下なのかも。
この本は何と言っても、会話がいい。
ちょっと、ハルキっぽいけど。
「部屋のあちこちに、ゴキブリがはいって毒の餌を食べるやつを置いた。食べたゴキブリが巣に戻ると、そこにいるゴキブリも死ぬらしい」
「なんか、人間ってすごいことをするね」
「ああ。人間には気をつけろよ」
ぼくは、父親も人間だから気をつけようと思った。
ぼくはネット検索で、大津絵と公衆電話のことをちょっとだけ知ることができた。でも、それは今のぼくには必要なことじゃない。ひょっとしたら、いつか必要なときが来るかもしれないけれど、今はいらない情報だと思う。というか、ネットがなかったら調べてなんかいなかったと思う。ネットがあるから調べたんだと思う。
それって、便利なんだろうか?不便なんだろうか?
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両親の本部屋にある本をこっそり読む少年。物語と並行して、あしながおじさんや小公女といった児童文学の名作への誘いにもなっているのかと思いきや…一番いいところを明かしてしまっているので驚いた。そこは読む人の楽しみにとっておいて欲しかったな。大変残念。
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小学校5年生。
会話は大人っぽいし、こんなことまで話すかってこともあるけど、
全体としてはおもしろい。
本を読みながらその時々の思いを書いていくっておもしろいと思ったし、世代によって、本の訳者によって書き方が全然違うってことに主人公が気づいていくのもよかった。
今の子たちは生まれた時からスマホやパソコンがあるんだということを改めて考えさせられた。
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ドラマチックな事件は起きないが、読んだ本の世界から、または転校生を含む友だちとのやりとりから、主人公ルカの発見や驚きが伝わってきて、本当に楽しかった。
私が子どもの頃読んだ二冊を、ルカがその時その時感じたことを呟きながら、読み進めていく。自分も通った道をルカも通っていく。けれど、大人になってしまったことでそのお話の道を忘れてしまったこともあって、ルカの発見や疑問も新鮮で、不思議でおもしろい感覚だった。
ご両親とルカとの会話もステキだ。
頭をなでられるのを嫌がるところ、我が家もただ今全く同じ。大人になっていくっていうことね〜
そういう細かな所も含めて、楽しかった。
子どもの頃に読んだ本を、再度読んでみたくなった。
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さわやかな風が吹きぬけるオアシスのような作品。
たぶんこんな会話をする小学校5年生はいないだろうと思うけど、それだからこそ、本のなかでであってもそういう世界があるのは貴重。だからオアシス。
本を読むことを含めて、自分の居場所を見つけるというのがテーマのような気がした。体育館の裏の、金網とのあいだ、外の世界でもないし学校本体でもない、そのあわいのような場所。昔からいう「体育館裏」だけど、それをいじめの場所ではなく、ちょっとなじみきれない子たちの語らいの場所にしているのがいいな。
そしてルカは、本のなかにもそういう居場所を見つける。しかも親の本なのに親と感想を話しあうのはいやで、本好きの転校生カズサとまるで読書会のように語らっている。すごく幸せな展開。
いじめがあったり、親が死んだり、事件があったりという、児童書にありがちな展開のない物語。こういう本があってもいい……っていうか大歓迎なのであった。
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小学校5年生のルカくんが、両親の子供の頃に読んでいたであろう「小公女」「あしながおじさん」を「本部屋」から偶然みつけ出して読む話。
まず、家に本の部屋があることが、なんとも羨ましい。
大人になってから読むと「名作」と聞くだけで敷居が高くなりがちだけど、子ども目線からの二つの物語が、とても面白く感じられて良かった。
本作品は児童書なので、子ども達がこれを読んでから「小公女」や「あしながおじさん」へも興味が出て読んでみる、というきっかけ本になっているのかな?という部分に引っ掛かりを感じたが。わざわざカバーをかけてあったという設定まで、両親の策なのでは?とか考えだしちゃって、星4。いや、そんな、斜めな読み方はしない方が楽しめるか。反省。