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承認欲求の功罪両面が書いてあってよかった。
そしてSNSのいいねにとどまらず、組織内のいいねにしがみつく中年にまで話を振ることで「最近の若者は」の議論にとどめなかったのは素晴らしい。
ぜひおじさんたちに読んでもらいたい。
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なんともしんどい話。承認が欲しいから無理する、不祥事の自殺は、組織内での承認を失うから、というのは非常に説得力がある。相対化するのって難しいが、必要なんだな。
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評価されたいという気持ち、承認欲求は自分にもかなり思い当たった。海外だったら部下を褒めたらすぐに昇給を要求される、ある意味ドライで相手からの承認欲求だけで満足しない。ただ褒めて働かせるのは承認欲求の搾取。活躍した社員を表彰し報酬金を与えると、そのプレッシャーで表彰者が翌年には辞める会社。。子供が自殺するのは家庭では元気なお兄ちゃん、お姉ちゃんが学校でいじめられているという自分の評価が180度変わることに耐えられないから、など承認欲求というテーマでいろいろ考えるのが新発見で納得。しかし、高橋まつりさんの自殺まで承認欲求でくくるのはさすがに疑問。明らかに過労だったし、鬱状態だったので承認欲求のプレッシャーと結論づけるのは彼女の思考回路に問題があったかのようでおかしい。
いじめについて改めて考えさせられた。いじめという言葉が自分を「いじめられっ子」と定義することになりそれが受け入れられず大人に相談できない。嫌がらせ、校内暴力など別な言葉はないだろうか。
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読みやすいので、隙間時間にサラサラ読める。企業不祥事やハラスメント、マネジメントにおいての承認欲求との関係性を整理した内容。エリートの話が多かった。認知的不協和理論を狭義にした感じ。自他共に、常に承認欲求の呪縛に陥る可能性があるという意識付けは一定数必要だけど、あまり考え過ぎても沼にハマりそうなので、頭の片隅に置く程度がちょうど良いかなと思いました。
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この本で指摘されている通り、本当に多くの日本人が、「認められたい」「認められなくてはいけない」という状態に陥ってしまっています。
この呪縛を解くカギとして、著者は
・周囲と同一次元で勝負をしないこと
・別の大切な世界「もう一つの世界」をもつこと
・組織をプロフェッショナルの集団に変えること
を挙げています。
まずは、自分の行動が経済によるものなのか、承認を求めてのものなのか、自己実現のためのものなのか、を自覚することから始めることが大切だと感じました。
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こうしてみると会社組織の在り方は、大転換期に入ってるようですね。個人の自由度が増せば増すほど、経営のリスクは増大しているように思います。個人の権利、主張を過度に尊重しても、それに見合う義務が果たされるのか?従業員のモチベーション向上ばかりに目がいってて、とても違和感があります。そもそも仕事をして対価を得るのだから、その時点でプロフェッショナルですよね。
モチベーションは各人が自身で上げる努力をしていくのが筋ではないのかなあ?何でも会社に依存するのは、個の弱体化が進むんではと憂鬱になりますね。日本が特異な環境にあるのは理解しますが、世界の働く人々と比較した研究成果があれば、読んでみたいですね。
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p.48
ストレートに表現したら顰蹙を買うことがわかっているので、わざわざ迂回する戦略をとり、認められようとしている。それだけ、他者から認められることへの執着が強いからである。
p.74
彼はその道の大家である師匠に「いつまでたっても社会的に評価してもらえない」とこぼした。すると師匠は「実力があっても評価されないのは幸せだ。私のように実力以上に評価されるのはどれだけ苦しいか」と答えたそうだ。
たしかに私の周りを見渡しても、なかなか認められないと嘆く人は何人かいるが、実際に多少なりとも認められた人を思い浮かべてみると、その人が幸せな人生を送っているかといえば、必ずしもそうではないようにみえる。
→ 過小評価されている方が気楽なので幸せなんだな。
p.91
主観的価値と客観的価値のギャップに目をつけて利益を得るのがビジネスである。いわゆる「やりがい搾取」、そして「承認欲求の搾取」もまたそのギャップにつけ込んだものだといえよう。
→ 客観的価値を意識できないほどに、それそれの顧客にあわせた付加価値を前面に押し出すことが大事。
p.119
やりがいであれ、承認であれ、本来それは働く人にとって望ましいものであると同時に、それによって意欲が高まり、仕事の成果があがれば企業もまた利益を得る。その恩恵を正当な形で本人に配分するのが筋だろう。企業はそこから経済的な利益を得ながら、働く人には心理的(主観的)報酬だけですませようというのは、やはりフェアではない。
→ 承認目的ならタダでも働いてくれる。だから、ボランティアなどと言ってタダで人を働かせる企業は犯罪として処罰の対象として良いのではないか。そうすることで、みんなの意識が変わって健全な社会になりそう。スタートアップ企業を潰さないために10人まではセーフとか、特例は必要だろうけども。
p.190
そもそも仕事内容や環境の変化が激しいポスト工業社会では、能力や貢献度も変動しやすい。花田光世(1987)が明らかにしているように、これまでの日本企業の人事制度は敗者復活の機会が乏しいトーナメント型に近かったが、これからは敗者復活の容易な人事制度に切り替えていかなければならない。
p.192
このようなゼロサム型の組織や社会で成功体験を積ませるには、どうすればよいか。それは周囲との競合を避けることである。閉ざされた組織の中でも、一人ひとりの目標やキャリアが競合しなければ、他人の足をひっぱる動機は生まれない。組織の中で出世したい人、専門職を目指す人、ゆとりある生活を送りたい人など、それぞれが自分の道を歩めば良いからだ。
p.196
特に効果的なのは、自分の名前を出して仕事をさせることだ。名前を出すことによって、製品やサービスに対する顧客の評価が直接本人に返ってくるようになる。ある機械メーカーでは機械の組み立てを丸ごと一人に任せ、製品には製作者の名前を入れて出荷するようにした。すると社員のモチベーションが目に見えて高くなり、若手の離職者がゼロになったそうである。社内外に発表する文書を原則として署名入りにするとか、仕事上のアイデアについては発案者の名前を明示するといった方法もある。
→ なるほど、仕事の成果物に自分の名前が付いたら自己効力感が上がるよな。
p.198
何が賞賛に値するかをできるだけ文章にして具体的に示す。たとえば表彰する場合も、賞状には通り一遍の文言ではなく、理由を詳細に記述したほうがよい。またカードやスマートフォンのアプリを使って、ほめ言葉や感謝の言葉を伝える仕組みを取り入れている会社もある。口に出すのが照れくさい場合に使えるといったメリットもあるようだ。
→ ちゃんと自分を分かってもらえているという安心感、自分は正しい努力を続けられたという肯定感を満たすことが大事。
p.205
自己開示は、自分の弱みも包み隠さずみせることである。そして逆説的にいうと、弱みを見せれば恐れを抱かなくてもよいので強くなる。その意味でも大切なのが「失敗体験」である。
→ 失敗してもみんなに話せるネタを得られたくらいの気楽さが欲しい。みんなに話せば原因と対策の振返りができ、リトライする気力も養える。
p.208
「楽しむ」ことを徹底できれば、「承認欲求の呪縛」に陥らなくてもすむはずである。
p.214
もっとも、リアルな世界に居場所を見いだせないからこそ、ネットの世界にそれを求めた人が多いのは事実だ。それなら、せめて複数のSNSを使い分けるようにすれば、「承認欲求の呪縛」を軽減できるはずだ。ちなみに要領のよい若者は、匿名で複数のアカウントを使い、異なるキャラを演じている。
p.217
こうした問題を一挙に解決する方法はないのか?
ある。メンバーの「プロ化」、すなわち組織をプロフェッショナルの集団に変えればよい。なぜ「プロ化」によって問題が解決されるかを説明しよう。
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https://www.read4action.com/report/detail/?id=1664
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承認欲求のプラス面とマイナス面、マイナス面として企業や行政の不祥事、過労自殺にいじめやパワハラ等の背景にある承認欲求に関して日本の風土病として述べられている。
承認はやる気、自信、人間関係や報酬と多くのものを得ることができる代わりに、認められなければならないという状態になると、承認欲求の呪縛となる。認知された期待と自己効力感のギャップが大きいとき、期待の多きさを実感している一方で、それに応えられる自信がないときに陥る。
日本の組織では組織内で認められることが全てになりやすいことが、承認欲求の呪縛に繋がりやすい。
解決策は1つの組織に固執しない、大きい目標をもって目の前の期待を下げる、自己効力感をもつ。
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"人は認められれば認められるほど、それに囚われるようになる。世間から認められたい、評価されたいと思いつっけてきた人が念願かなって認められた途端、一転して承認の重圧に苦しむ"
"いくら大きな権力や経済力があっても力尽くで承認を得ることはできない"
褒めるは相手を動かす強い武器。
いろんな人を効果的なところを見計らって認め、褒めていこう。ただし濫用厳禁
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職場でプライドの高い人が前触れもなく病休に入ったことを機に手にとった。
彼は本書の言うところである認知された期待に応えきれなくなったのだと思う。
褒められたら嬉しいが、褒められなければという一種の義務感に変わったときが、承認欲求が薬から毒へと変化してしまう瞬間なのだと思う。
仕事の目的が課題解決から、他人からの評価の証明になってしまったら危険なのだ。
承認欲求の正体を知り、一つの組織に縛られることなく、多様な世界を持っていきたいと思わせてくれた1冊だった。
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タイトルに惹かれて読んでみたが内容は思っていたのと違っていた。承認される側の問題点よりも承認する側の問題点や対策について書かれていた。例えに若干こじ付け感もあり、賛同できない。流行りの話題ではあるが、読んでも無駄な本だった。おそらく自分の期待通りの内容ではなかったのでそう感じるのであって、現在著者が挙げているような悩みに囚われている人にとっては救いになるのかもしれない。
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承認欲求は必要である。
ただし過度な期待はプレッシャーとなり逆効果になる。
塩梅が難しい。
褒められるために仕事をするのは本末転倒だが、ほとんどの人がその状態ではないか。
上司の部下への接し方が重要である。と、わかっていてもバランスが難しいと感じる。
プロ化するためにはどうしたら良いか。まさに永遠のテーマだ。
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承認欲求がいかに人間にとって強力な欲求であるかを改めて認識した。
承認欲求のプレッシャーを軽減するための方策が具体的に示されているが自分が共感したのは『勝つ』ことよりも『楽しむ』ことを追求するという一例。勝負の世界では甘い考えかたかもしれないが、自分にとってはヒントになった。
あとは承認欲求丸出しのみっともない人間にならないよう気をつけること。褒めて欲しいための自慢エピソードや、そのエピソードに持っていくために自分で前振りしてみたりなんてほんとに恥ずかしい。(今までしてたかも。。。)
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どちらかと言うと、認められた人がそれを失うことを恐れて縛られるという意味の「呪縛」。まだ認めてもらえていない、認められたいと思ってしまっている今の自分のニーズにはイマイチ合わなかった。
「呪縛」とは、恥、面子、意地、責任感、使命感などなどに置き換えられる。呪縛の強さとは、(本人が認知した期待ー自己効力感)×問題の重要性。受験エリートは自分の期待を下げられないというロジックは刺さる。
個人でできる打開策としては、大きな志を抱く、別の世界を持つなどが挙げられている。