モデルありのフィクション
2020/12/21 18:51
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際にあった自殺サイトを使った殺人事件にインスパイアされたミステリー。完全にフィクションと思い余計な事を考えずに読めば、単純に面白く文章も読み易い。終盤の予期せぬどんでん返しにはやられた!という思いと同時に納得もあって良かった
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2019年32冊目。設定は興味深く、展開はなかなか面白いけれど、最後のややこしさがあまりうまい方向に働いていないのが勿体ない。
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連続殺人犯「首絞めヒロ」は、本当に私の知っている「ヒロアキ」なの?―― カウンセラーの美谷千尋は、自殺願望のある高校生、今道奈央から〈首絞めヒロの芝居小屋〉という自殺サイトの存在を知らされる。犯罪の匂いを感じた千尋は、そのサイトの管理人が8年前に故郷の山口で知り合った「ヒロアキ」ではないかと疑いを抱く。千尋によって徐々に明らかにされていくヒロアキの恐ろしくも哀しい過去。ヒロアキはなぜ連続殺人犯になってしまったのか? 千尋は奈央の命を救うことはできるのか? 千尋とヒロアキの間に流れる8年間物語とは? 衝撃の結末が待ち受ける、祈りと狂気のミステリ!
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生い立ちや生育環境は、人格形成にどれほど影響を与えるものなのなのだろうか。本作は、虐待や親の性的趣向によって、真っ直ぐに成長することを妨げられたひとりの人間が周囲に与えた影響と、起こした犯罪に迫っている。と思って大部分を読み進み、それは間違いではないのだが、ラスト近くで様相はがらりと変わってくる。テーマそのものは変わらないが、現実と小説、さらには精神世界までもが入り交じり、境目があいまいになって、いま自分がいる場所を見失いそうになる。足元が突然不安定になったような覚束なさに見舞われて眩暈がする気分である。閉じた眼を再び開けたら、自分が物語のなかにいるかもしれないという漠然とした恐ろしさが足元から這いあがってくる気分にもなる。まったくの他人事と読み飛ばすことのできない一冊である。
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今まで読んだ森さんの小説とは、印象が少し違うお話。
でも、どちらかといえば「さよなら、悪い夢たち」のテイストに近いものがあるかも。
最後の最後の方でぞわりとする瞬間があり、そしてそこから世界が色を変える。小説の醍醐味ではあるけれど、この変わり方はゾワゾワするというか、追い詰められるというか、苦しくなる変わり方だった。
そして読後しばらく、いまだにぐるぐると考えてしまっている。
森さんの小説で、読後こんなに気持ちを引きずるのは初めてかもしれない。
ちなみにあとがきの件、私は読み終えてから冒頭に戻る派でした。
フジファブリックを聴くたび、このお話を思い出してしまうだろうなぁ…。
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自殺サイトの管理人と、カウンセラーの過去と現在の話と思いきや。結局現実は何だったんだ?作中にフジファブリックがよく出てくるが、よく知らないので少々いらっとしたものの、知らなくてよかったかも。みんな闇ありすぎ。
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普段黒猫さんと付き人さんの淡いお話にドギマギしているのですが、さよなら悪い夢たちに続いて恐ろしさにドキドキしてしまいました。
探偵役だと思っていたら……と、一応話の流れで触れているところはあるものの最後の方でひっくり返されたと感じるお話です。
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図書館から。
さすが、という感じで裏切られました。
ところどころに含まれる伏線ぽいものを自分で考えながら読みましたが、やっぱり森先生には敵わないなぁと(笑)
ただ、あれ?じゃあ冒頭のシーンは?? と思うところもあったので、文庫になるようなら手元におきたいなと。
黒猫シリーズのような明るい(?)感じではないですね…
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辛口ご容赦。患者・奈央により自殺サイトの存在を知らされたカウンセラーの千尋は、その管理人が8年前に故郷で知り合った「ヒロアキ」ではないかと気づき、奈央を救おうと動き出します。現在の連続殺人と8年前のことが交互に語られ、徐々に明らかになるヒロアキと千尋の過去…。作者が意欲的に、加害者の闇を作りあげたものやそれに対する警鐘を鳴らそうとしているのはわかります。ただ、ミステリとしての部分が必要以上で気を取られ一番伝えたかったであろう部分がぼけてしまったのが残念です。もう少しすっきりさせたほうが良かった気がします。
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カウンセリング場面や話の展開に稚拙さが否めず、読むのが馬鹿らしくなりやめようと何度も思ったけれども、何かの書評だったかレビューだったかを見ていたので、これをどう決着をつけるのか興味があった。だから中盤以降は相当なナナメ読みになってしまったけれど、なんとか読了した。
結局、想像の範囲を超えておらずがっかり。
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自殺サイトとそれを巡る殺人事件。かつて出会った奇妙な性癖を持つ青年と事件を結び付け、事件の解明をしようとするカウンセラーの物語。
別段そういうシーンがあるわけではないのだけれど、奇妙にエロティックな雰囲気が漂う作品でした。しかも倒錯していて、でもなぜか美しくも感じるような。ただしその奥に隠された「毒」はあまりに強烈で痛々しいものでした。一番の悪人はいったい誰なのでしょう。
奇妙に魅せられた感じでぐいぐい引き込まれて読んでいましたが。あの仕掛けには気づけなかった……。そういうことだったのか。
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心理カウンセラーの美谷千尋が出会った女子高生。自殺サイト「首絞めのヒロ」をのぞいているらしい。ヒロ・・女子高生の時に首を閉めてきたヒロアキなの・・?
主人公は映画「羊たちの沈黙」などが好きだということで、サイコ的な雰囲気がただよう、ミステリーとなってます。
どうなるんだろうという興味がわく、陰鬱な雰囲気は嫌いではないです。主人公が出会った女子高生は助かるのか、殺されるのか・・ドキドキします。
終わりはすこし混乱したかなぁ。あんまり理解力ないからね。
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ヒロアキと千尋の関係。幼い頃から父親の首への執着により精神のバランスを崩す。良心と邪心を今も戦い続ける。
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2020.1.1 読了
これは 文章も平易で読みやすく、
面白かったから 一気に読み進められた。
けど、ラスト どんでん返しが一変、二変して
頭が 混乱したー。
え?!どういうこと?みたいに。
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見事に騙され、最初は悔しくて今まで読んだ部分はいったいなんだったんだってなったけど、作者の術中に完璧にハマってしまったってことですよね。うん。認める。まあおもしろかった。中2っぽさはあるけどね。
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いやぁ、なんでこの本を手に取ったのか全然わかんない。まぁでも読む必要が少しはあったかもしれない。「彼女は頭が悪いから」に続き、またしても現実のしかも超最近の事件をもとに書かれたフィクション。「彼女は」の方はそういう背景は知っていて、前々から読みたい気持ちと遠ざけたい気持ちが半々だったのだけど、こっちの本はそんなこと知らずに読み始めちゃったものだから、途中まで読み進めて、「あ」「どうしよう」と思ったのだ。だって最も避けたい事件の話じゃない?ただ、またこんなタイミングでALSの方の自殺幇助事件が起きて、SNSでのやりとりが話題になって、そして児童虐待の事件は途切れることなく、私たちは狂った(いえこれが「普通」?)世界に生きていることすら忘れて、ただ日々を生きている。そんなときに、事前の知識もなしに読み始めたこの本は、今、読まれるべき運命だったのかもしれないと多少はそう思う。
でもちょっと小説としてはどうだろう。いろいろ生硬な感じでこなれてないというか。まず千尋の尋常じゃない行動力にひく。いくら「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターに憧れてるからってちょっとウソくさすぎるでしょ、あの行動は。それと狭い田舎なのにあまりにも異常者が多い違和感。まぁ結局はそういう仕掛けなので、当然と言えば当然だけど。細かな仕掛けは結構見えすいていて、なんだろうな、だまされてる感じがあまりしなかった。全体に「あ、やっぱり」な感じ。ただ、きょう改めてプロローグを読み返すと、ここは読み返す価値があると感じた。さすがにこのときは何も気づいていなかったから。やられたって感じ。