紙の本
へぇ~、成程~、という感じ。
2019/08/19 20:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼少の頃に読んだガリバー旅行記は主人公が小人の国で・・という話でしたが、それは本書では第一篇でしかなく、本書は第四篇まであります。
第二篇は第一篇の逆で巨人の国の話で、第一篇と共に興味深く読めましたが、第三篇が印象に薄いです。第四篇は馬が中心の社会で、これまた、すっ頓狂な世界の話で破天荒な感じでしたが、人間界との対比が感慨深かったです。
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まずは購入場所。これは確か今出川通りの銀水の横のコミックショックで買いました。実験のバイトにちょうどいいなって思いまして。
ここ最近、ずっと石田衣良ばっかり読んでて、少し食傷気味になっていたんで外国文学でも読もうかと。
春から読み出して、読み終えたらもう六月になっていましたね。
内容はというとよく知られているように、船医だったガリウ゛ァーが乗っていた船が難破して、全てのサイズがミニチュアのリリパット国に漂着して…、という感じです。リリパット国とその隣国は卵を上から割るか、下から割るか、で戦争を始めるわけですがこれはスペイン継承戦争を暗示しているわけですね。
こんな風に、ガリウ゛ァーが様々な大陸に漂着して自分の国の説明し、現地の住民(巨人や馬や魔法使い)に戦争や政争の無意味さを指摘される形で社会批判を行っていたわけです。
スウィフトはアイルランド人聖職者だったんですが、飢饉の時には新聞に「飢饉なら赤ん坊の肉を食べればいいじゃないか」と投書していたそうです。すごい聖職者ですね。
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ガリヴァー旅行記とはかくも機知に富んだ風刺小説だったのか――。思い立った時に始める有名小説シリーズ。小さい頃に誰もが触れる物語。しかし、その本質はガリヴァーによる社会への皮肉だった。この物語は決して夢のあるファンタジー小説ではない。痛烈なるまでの社会批判。そして人間批判。小人に対してのガリヴァーの態度、ガリヴァーに対しての巨人たちの扱い、そして人間を低俗なものとして扱う能力高き馬たち…等々。ガリヴァーの筆を借りてスウィフトが目指したことは、人間への挑戦状を書くことだったのだ。その意味はつまり、「どの目線であなたはこの物語を感じるのか?」ということだ。ガリヴァーの目線? それともそれぞれの国にいるものたちの目線? 欲のある人間は自分の都合のいいように目線を、立場を変えてしまうのだ。それに気づかされてしまった。人類への警告とも受け取れるその内容に圧倒された。読んでよかった。(た)
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あまりにも有名な作品の原作。さぞ夢のある冒険談だろうと、息抜きの気持ちで読み始めました。前半「小びとの国」やら「巨人の国」やら、予備知識として知っている内容が出てきますが、小人の国にしろ巨人の国にしろ、ガリヴァーがそこに流れ着いてから、特にめまぐるしい展開が有るわけで無く、内容的には出オチの様に思い、当時としては素晴らしいアイディアだったろうから、それで評価されたんだろうな…なんて思って読んでいましたが、天空のラピュタの辺りから、ガラリと内容が一変し、最後の「馬の国」の話を読んでいるうちに、自分の中で評価が一変しました。もう圧倒されました。映画「猿の惑星」にも似た内容ですが、人間という生き物に対する警笛をこれでもかと鳴らしてきます。今、読み返すと、最初の小人や巨人の国も皮肉ってたんですね。絵本の様なおとぎ話だと思って読むとヤケドします。これは確かに名作です。でも個人的には、最後の「馬の国」を出てからの話や手紙は蛇足だったと思います。
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大学の課題の一貫として。徹底したフィクション。歴史的に重要な文学で、児童書といいつつキリスト教の精神が根本的に眠っているのがよくわかる。
ただ、別に面白くない。でも読んでおくべき本。('08 冬)
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岩波新書だと読みづらくてしょうがなかったが、なんとか読了。
日本が出てきたことが面白い。
なぜ出てきたのか。
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誰もが子供のころ絵本で読んだ「ガリバー旅行記」は夢一杯のファンタジーではなく、作者が生きる世界を痛烈に批判したニヒリズムな一冊だった。
宮崎駿の『天空の城ラピュタ』は本作のラピュータ人が元ネタ。ご賞味あれ。
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章ごとに段階になっていて、最終的には多分読み手がガリバーを追い越していくように書かれてるんだなと思った。
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有名な小人の国以外にもいろんなとこに行ってたんですね。
日本にも来た。
最後の馬の国での人間批判が圧倒的。
そこまでいくかという勢い
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もっと夢のある話だと思ってたのに。
巨人は体臭がキツイだの、
天空人は思索に耽ってるから、棒で耳を叩いて気付かせるだの。
なんじゃそりゃ。
シュール過ぎでしょ、その画。
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芥川龍之介の文机の上にも置かれていた一冊です(河童参照)。痛烈なイギリス社会への批判風刺が込められていて、ただの大きかったり小さかったりするだけの本ではありません。
ただ異様なほどの愛国精神も伝わってきて時々鬱陶しくなる事も。
児童書だなんてとんでもない。
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笑いや皮肉を通り越して、段々と飽きらめに通じていく社会観。これが当時のイギリスの政治・社会をパロディ化したものならば、現代と何が違うだろう?
ただおもしろいと読み進めていくうちに、一体私たちの先には何が待っているのだろう、という不安感に陥る。
私たちの現実はというと、この物語のようにどこかよそへ流れ着いてユートピアを発見し、幸せに暮らしていくことはできないのだ。
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スウィフトの人間社会への批判の視点は鋭い。人間だけが正しく、この世界の支配者であるというのは傲慢な考えなんだというのがメッセージなんだろう。当時の社会を風刺しているとよく書評では書かれるが、具体的にどういうことなのかまではわからなかった。
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すごかった。小人、巨人の国では人の物差しについて論じていたり、特に最後の旅行での人間の欲望や理性の愚かさ、またその行き着く先というものについて深く考えさせられた。
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小学生の時に読んだときよりもおもしろかった。風刺がかなりきつい。でも今の時代に当てはまる気がする。不死の人の話は前読んだときからずっと印象残ってたが、改めて感がさせられるものがある。