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投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には、日本の働き方と世界基準の働き方の違いが書かれてある。
巷で喧伝されていることが、如何に出鱈目なものであるのかを痛感することだろう。
この本を読めば、他の人とは違う視点を持てるようになろう。
働き方が変わり、社会が変わる。そのときあなたは?
2019/10/19 13:33
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投稿者:horitei - この投稿者のレビュー一覧を見る
たいへんな時代になるな。読後の第一印象である。
著者橘怜氏は、世界と日本をおよそ次のように見ている。一つは否応なく進むグローバル化と知識社会化という、人類社会全体の潮流であり、従来の会社員の枠に入りきらないスペシャリストやフリーランスが活躍する。もう一つは江戸時代の身分社会と見紛うような大企業第一の日本社会の歪みであり、正社員/非正規雇用、男性/女性、日本人/外国人という様々な壁が存在し、人々は分断されている。そして日本は欧米の周回遅れであるという。
どうも日本の社会に明るい未来はなさそうだが、橘氏は声高に改革を論じるでもなく、真っ暗なな悲観論に陥るでもなく、淡々と事実を語る。ややもどかしい印象さえ受けるが、これが彼の真骨頂なのだろう。読者はまず事実を認識し、思考することを求められている。
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グローバルスタンダードからすれば周回遅れの「働き方改革」が進められる中、どのように働き方を変え、生き延びていくか、論じたもの。サラリーマン管理職の私にとっては、会社、管理職が生き残っていくのか、が気になるところ。
日本の働き方改革は「働き方1.0 年功序列・終身雇用」の現状を強引に「働き方2.0 成果主義に基づいたグローバル・スタンダード」に移行させようとするものだが、世界は既にその先、「働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型」から「働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー)」に移行しつつある、と整理する。
それでは、「働き方4.0」の世界で、会社、管理職は無くなるのか。答えはNo。市場(フリーエージェント)、会社それぞれに取引コスト低減における強みがあり、 双方ともに共存していく。管理職は会社内でソーシャル・スキルを発揮し「部下を気持ちよく働かせる能力」を発揮させていくことになる、とする。
最近、ハラスメント(対策)が重要課題として採り上げられて来ているが、このような管理職に求められる資質の変化が背景にあるのかも知れない。
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自分のキャリア形成に悩みを持って購入。
著者の主張としては、ますますインターネット化が進み、何ができるか何ができないかを明確にできるスペシャリストしか生き残れない、管理職は無くならない、などデータに基づいて書かれている。
日本の雇用形態の特異性や、様々な経験を積んだサラリーマンはこの先10年以内に消失するなど、自分の悩みに合致したものが書かれており、背筋が氷る思いがする良書。
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日本の社会慣習として、一企業に就職して長年勤めあげ年功序列的な仕組みの中、様々な部署を転々と異動してゼネラリストが生み出されてきた。それが、サラリーマン。サラリーマンという職業は無いのだが、多くの勤め人が、ここに当てはまるのだろう。自己紹介の時にはどの企業に勤めているのかを語り、所属する部門を説明する。一方、他の国々に目を転ずると、日本に多くいるサラリーマン的な人はいない。個人が専門職のスペシャリストとして、たまたま今の会社と契約している個が自立した関係を社会と築いている。
こんな違いが生み出されたのは、日本語という産業障壁に守られた国家の中で、古く江戸時代から脈々と続いている、制度慣習を守っている国というのも一因だと著者は語る。
古くからの伝統を守ることは、一見良いことづくめに見えるが、今の社会とのギャップが大きすぎて軋轢、疲弊している仕組みがあり、根本から見直す必要があるという。その一つが戸籍制度。詳しくは本書に譲る。こうした社会制度の不条理にも指摘しつつ、これからの働き方を考えているのが本書になる。
今のままでは、「まずい」(漠然とした危機感がある)と日々感じている人は、本書をきっかけに、変えてみたらいい。自分の強みは、本人が自覚していない場合も多々ある。本書の終わり近くにいくつかの事例紹介がある。何かを始めるのに遅すぎることはない。思い立ったその時から変えてみたり、始めてみたらいいのだ。
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題名だけをみると転職やキャリアの指南本かと
思ったが、実際は日本の労働環境・社会制度を
世界の情勢からみて比較しそこから
今後日本の労働がどうなっていくかを指摘する本になっている。
自分の今まで社会で感じてきた違和感の正体は
制度にあったのか、と妙に納得した。
いくつかの仕事に関する本を読んだが
自分の強み(職能)を磨く事が組織に搾取されず
自分らしく生きることに繋がるのかな、とぼんやり感じた。
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日本では会社は非正規を排除した正社員の運命共同体ですが、グローバル企業ではプロスポーツチームのようなスペシャリスト集団(ドリームチーム)に変わりつつあります。
(組織に所属しない働き方)
こうした働き方はギグ Gigと呼ばれている
労働組合が守るのは「正社員の既得権」
日本のリベラル派、正社員と非正規を平等に扱うリベラルな雇用制度ではほとんどの福利厚生がなくなることをきちんと国民に伝えるべきでしょう
ミラノビッチ 正しい場所(国)に生まれたものは市民権プレミアムが与えられ、悪い場所に生まれたものには市民権ペナルティが与えられる
富は正規分布でなく、べき乗分布する
ほとんどの指標において格差の小さな日本の状況は先進諸国の中でマシな部類に入る
オプトアウト 選択して脱退すること
尾原 和啓 どこでも誰とでも働ける
FIRE finantial independent, retire early.
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これからの働き方の目指すところは経済的独立。
あくせくお金のために辛い人生を送るべきではない。フリーエージェント化はその一つの手段。
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最近の「新卒一括採用見直しへ」や「実力主義を強めるため最短入社X年で管理職に」などのニュースを見て、少しでも違和感を感じた人にお勧めします。
本書のキモは「会社にも労働者にもともに利益のある働き方にするためには、定年制を廃止するとともに、金銭解雇を合法化しなければなりません」の一文。その通り。同一労働同一賃金、もろもろのハラスメント、流動化などの諸課題が一向に解決しないのは、皆さんご存知のとおり、そこに終身雇用があるからです。
それを変えないのも日本企業の自由だし、人材獲得競争に負け続ければよいのだと思っておりますが、大事なのは雇われるほうの意識改革。本書にも「大事なのは自分の人的資本を労働市場に効率的に投資して富を獲得すること」とあります。お互いがんばりましょう。
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『エンゲージメント指数(会社への関与の度合いや仕事との感情的なつながり)に着目する』
『労働組合は正社員の既得権を守っている』
『解雇の合法化は議論にすらならないのか』
本の内容はあまり面白くなかった(合わなかった)が、上記の論点で今後考えを深めていくことは大事だろうな。特に今わたしの所属している組織では。
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ざっくりとまとめると、会社や国に依存せず自由に働く時代が来ている、具体的には〜といった内容。
この手の話を見聞きするたびに思うんだけど、前提として、時代に常にキャッチアップし続けなければならず、その速度はどんどん上がってるということ。
皆が皆そういうふうに働かなければならない時代だとしても、そうできるのは一握りなんじゃないかなと思ってしまう。ことに、若くない世代にとっては。
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日本が目指そうとしている働き方(2.0=成果主義)と世界の最先端の働き方(4.0=フリーエージェント型)の比較を中心に働き方について論じている本。
他の本を参考に書かれている部分も多く、この分野に詳しい人には物足りないものになっているのかもしれないが、ネットフリックスの人事制度やスペインの解雇法制など自分にとっては目新しい情報が多く面白かった。
欧米の先進国と比較して日本が遅れているとただ不安を煽る訳ではなく、だからこそ今後起きることが予測しやすいと明るい面も挙げていた。
参考図書もいくつか読んでみたい。
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日本人の働き方はグローバルスタンダードと根本的に違う。世界がプロジェクト型、フリーエージェント化しているのに、まだ年功序列を成果主義になんて言っている。しかし、周回遅れだからこそ、今後の混乱で起きることは予測可能であり、対処可能なのである。
いつもながら、楽しく面白く読みました。現状に思いを馳せた時だけ、ちょっとため息でちゃうけど。
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まず、冒頭のNetflixの「カルチャーデック」という人事方針に驚いた。そこに書かれていることは、「すべてのポストにもっとも優秀な人材をあてる」「業界最高水準の報酬を支払う」「将来の業務に適さない人にはお金を払って辞めてもらう」「有給休暇を廃止する(従業員の裁量で休む)」「人事考課制度は時間と労力のムダ」という内容らしい。つまり、Netflixという会社はプロスポーツと同じ。しかもレアルマドリードとかそういう強豪チーム、常勝軍団の働き方なんですね。Netflixが発見したのは、とびきり優秀なエンジニアだけをそろえた小さなチームの方が、仕事熱心なエンジニアの大きなチームよりもよい仕事をしていたこと。大規模な人員整理で中間管理職をごっそり解雇して以来、いちいち意見を聞いたり承認を得ずにすんでいるせいで、全員が前よりずっと速く行動。リストラによって、「最高の結果を出せる人だけが会社に残っていた」というものらしい。そして、そういう力のある人材は、フリーエージェントやインディペンデントワーカーになって、自分の好きなチームで好きなように働く。そして当然成果も出すんでしょう。
世の中がリベラルな方向に進んでいることは間違いなくて、そういうリベラルな社会では、当然、いっさいの差別をせずに評価がなされる。その基準は学歴・資格と経験(実績)であり、これがアメリカ型成果主義の本質だという主張だ。
そいう社会で生きていく上で、もっとも重要なのは、好きなこと、得意なことを仕事にすること。嫌いな勉強をつづけることできないけれど、好きなことや得意なことならいくらでもできるかららしい。プロスポーツと同じで、全ての人ができることではないけれど、そのぐらい突出した能力が発揮できない限り、崩壊する中間層になってしまうということなのかもしれない。あるいはAIに使われる人なのかな。
主張は筋が通っているし、その通りだと思う。これからの社会は努力し続ける人だけが救われる厳しい社会になることを実感しました。
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【非仕事】
就活をしている学生が大多数です。
一生懸命になって就職しようとしている状態から察すると、雇われるという道を選択したがっているように見えます。それとも会社に就職することが、現在考えられる最適解として洗脳されているということでしょうか。
ただ、最近は学生もいろいろな考えを持つことが許される(情報拡散を抑えることができない、洗脳ができない)ようになり、必ずしも会社に就職することが最善であるとは考えなくなっているようにも感じます。
仕事の価値
ここまで世の中が複雑になると自分がしている仕事もなんで儲けが出ているのか、何の役に立っているのか不思議に感じてきます。何かよくわからないけどシステムとしてできあがっており、その通りにやっていれば、理由はわからないが自分自身の生活がなりたっているという感じです。
生活ができている現状を変えてしまって生活できなくなったら困るし、それほど満足はしていないが暮せている。不満はあるものの暮せている。リスクを取って生活を変えて他のことをする動機が生まれないのも事実です。
また、お客様に直接ものを売っているわけでもなく、その代金を直接もらっているわけでもない。間にいろいろなものが複雑に存在してわけがわからなくなり、「会社」対「会社」の間でお金(デジタルな数字)だけが移動している状態です。そして会社が取り分をとった後で労働者へ分配されます。ただ、会社側としては景気の変動に比例して労働者の給料を大きく変動させることができないので、変動分は会社で吸収する必要があり、変動が起きても耐えられるように労働者への分配は極力低いレベルに抑えておく必要があります。
人を雇う側
ここが雇う側の腕の見せ所で、雇われている人間が食うに困らない程度に給料を与えることです。
雇われる側は成果に対して給料が決められているわけでなく、悲しいですがそこそこ食えるかどうかで給料は決まってしまいます。雇われる側の人間はそこそこ食える分しか給料はもらえません。
したがって、サラリーマン(雇われる側)であれば、どんぐりの背比べでそれほど大きな差は生まれない構造となっています。
フリーランス
全員がフリーランスになるとどうなるのでしょう?
全員が個人事業主になるのですが、サラリーマンのような低給料では成り立ちません。常に仕事がある状態を保てるわけではない(保てる人もいますが)ので、仕事をしない時期の分も仕事があるときに稼いでおく必要があります。また、サラリーマンのように会社が負担している保険などもありませんのでその分も稼ぐ必要があります。
フリーランスになると自由度は増すことになりますが、オファーがない時期という恐怖が発生することになります。
また、全員がフリーランスで食べて行けるとは思えませんので、結局食えないフリーランスはオファーが大量に来る人気フリーランスのおすそ分けをもらって、稼ぐ必要があります。人気フリーランスの下請けのようになり、この状態が大々的にシステム的に行われると「会社」という形態と同じ状態になります。食えないフリーラン���は現在のサラリーマン(雇われる側)と同じになります。
フリーランスはサラリーマンより高収入になりますが、その分シビアな世界です。
看板を掲げる
会社に勤めるサラリーマンも一人ひとりが何らかの看板を掲げるとおもしろいと思います。
そして、世の中に公開するのです。
「わたしは〇〇を専門にしている△△です」
オファーが来るかもしれまん。。。
所有とは何か?
富が増えると裕福になりますが、所有物も増えるということでしょう。しかし、所有とは何を意味するのでしょうか。
「自分のコントロール下にあり自由にできる範囲のこと」
自由にできる範囲が狭いあるいはほんどない場合、所有ではなく借用と同じです。
所有という意味合いは薄れるのです。
自宅、特にマンションの場合、
・上下左右に影響をおよぼすような改築はできない。
・共有部分(かなりある)を変更することはできない。
・まじきりを変更することはできても、コンクリート壁に穴を明けるようなことはできない。
・水回り位置を変更することはできない。
・階段を別の場所に設置することはできない。
・ネット回線を勝手に変更できない。
・民泊は禁止
・家具の配置は自由にできる。(しかしこれは賃貸でもできる)
こうなると「自由にできる範囲」という意味での所有範囲は狭く、悲しいけど借用と変わらないです。
労働という疑問
みんな何で仕事をしているのでしょう。何となく食べるに困りそうだから仕事をしている。
「仕事」って?
「働く」って?
「資本主義」って?
「幸福」って?
このあたりが最近のわたしの課題ですね。。。